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桝本輝樹 @tide_watcher
ガリレイが「それでも地球は回っている」と言った、という話は、宗教と科学の対立を煽りたかった後世の百科全書主義者による捏造、というのは科学史上有名な話なんだけど、これはよく練られた皮肉なのか、それともW大の教養はその程度も教えていないのか、と嘆くべきなのか。
100ans-de-solitude @140cDeSolitude
@tide_watcher 百科全書派ではなくニュートン主義者ではない? 百科全書は, あれで一応はカトリック王権の庇護下で編まれているので, 少々考えにくい印象. そのへんの詳細はブロンデル絡みでこれから調べるので, 予断を避けたいところではあるが...
桝本輝樹 @tide_watcher
昨日、ガリレオ・ガリレイ(Galileo Galile,1564-1642)が言ったとされる「それでも地球は回っている」"And Yet It Moves/eppur si muove"という言葉は公正の百科全書派の捏造である、というツイートをしました。
桝本輝樹 @tide_watcher
それに、「ニュートン主義者じゃなかったっけ?」というご指摘をいただいたので調べてみました。
桝本輝樹 @tide_watcher
国内ではガリレオの伝記を書いたヴィンチェンツォ・ヴィヴィアーニ(Vincenzo Viviani,1622-1703)の創作、とされていることが多いのですが、ヴィヴィアーニの著作にこの言葉は出ていないそう。
桝本輝樹 @tide_watcher
とはいえガリレイの伝記によく出てくる、教会の振り子のエピソードなどはヴィヴィアーニの創作だったそうで、彼が潔白というわけでもなさそうです。
桝本輝樹 @tide_watcher
現在のところこの言葉の初出はジュゼッペ・バレッティ/ジョセフ・バレッティ(Giuseppe Marc'Antonio Baretti,1719-1789)のItalian Library (1757)で、彼の創作であるようです(http://t.co/oKmDRqczlp
桝本輝樹 @tide_watcher
後に科学革命と称される一連の運動(17世紀に啓蒙思想がイングランドで興り、のちの18世紀のヨーロッパにおいて百科全書を編纂(1751~1780)されるなど)が盛んになっていくわけです。
桝本輝樹 @tide_watcher
ちなみに百科全書の正式名はL'Encyclopédie, ou Dictionnaire raisonné des sciences, des arts et des métiers, par une société de gens de lettres。凄い書名です。
桝本輝樹 @tide_watcher
科学革命(17世紀科学革命)の概念はバターフィールド(H.Butterfield)によって1959年に提唱(近代科学の誕生/The Origins Of Modern Science 1300-1800 (1959) https://t.co/7z9kME1kEf)されました。
桝本輝樹 @tide_watcher
この17世紀科学革命という概念は、科学が宗教と対立し、それを打ち破っていったという、「第二次世界大戦後」の近現代の史観の代表といえるでしょう。 さらにニュートン主義は啓蒙思想家でもあったニュートンの弟子たちが宗教を否定するために広めた、といわれた時代もありました。
桝本輝樹 @tide_watcher
ですが、村上陽一郎先生、渡邊正雄先生ら科学史家の研究や紹介によって、ニュートンやニュートン主義者の思想は合理的であれこそすれキリスト教と対立的なものではなかった、ということが明らかになっています。(http://t.co/uoLSj4rvUI)
桝本輝樹 @tide_watcher
ガリレイの文言はバレッティの創作だという前提で進めましょう。バレッティの位置づけとしては、イタリアからイギリスに渡ってサミュエル・ジョンソン(1709-1784)などとも近しかったものの純粋な文人だったようです。
桝本輝樹 @tide_watcher
それではこのエピソードを科学史の文脈のなかにぶっこぬいてきた奴は誰か。断罪されるべきはバレッティだけではなく、明らかな文学作品を史実として引用した、悪意(科学的な意味で。小保方さん的意味ではありません)をもった引用者なのだと思います。
桝本輝樹 @tide_watcher
たとえばベルトルト・ブレヒト(Bertolt Brecht / Eugen Berthold Friedrich Brecht,1898-1956)の「ガリレイの生涯」(独:Leben des Galilei)などが代表かもしれません。
桝本輝樹 @tide_watcher
その点では、創作であることを知りながら、現在もそれを「わかりやすいから」と続けている伝記作者、出版社なども同罪だと思います。正しいことを、わかりやすさのために捻じ曲げてはならないのです。
桝本輝樹 @tide_watcher
ただそれは、省みるに理科教育や教科書ですら徹底できていない。 そして、子供のために、社会のために「わかりやすく」するという活動は、そこに要約やまとめ、再解釈が入ることでどうしても「正しい」ままであることができません。
桝本輝樹 @tide_watcher
とはいえわかりやすくするためなら適当でいい、とか、「家のオヤジのたわごとと同等でいい!」と開き直ってデマばかり垂れ流すのは社会的責任の放棄だと思いますが。 科学をどのように社会と共有するか、というのは、実に難しい、しかし考えていかなければならないことだと思います。
桝本輝樹 @tide_watcher
@140cDeSolitude というわけで、結論としては啓蒙主義時代に伝記文学としての創作(捏造)があったが、百科全書派やニュートン学派にその責は帰せられないし、 まして現代における説の流布は17世紀科学革命やコペルニクス的転回というテーゼのもとでおこなわれている現代的なもの。
桝本輝樹 @tide_watcher
@140cDeSolitude 「それでも地球は回っている」ということばの流布は、前時代の誤りであるではなくきわめて今日的な誤りであり、 科学に関わりのある者はその責任について自覚的でなければならない、といったところだと思います。
桝本輝樹 @tide_watcher
「わかりやすくしただけで捏造ではない」といった小保方氏が「それでも地球は回っている」という言葉を挙げたのは、皮肉にもきわめて象徴的な出来事であったと思います。わかりやすくされたものは、既に科学ではないのですよね。残念ながら。

コメント

変脳コイル猫 @ROCKY_Eto 2014年4月10日
「それでもガリレオは呟いている」
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