椹木野衣+東浩紀「再考〈悪い場所〉――「ふたつの震災」と現代美術」 @noieu @hazuma (2014.04.11)
椹木:収蔵庫の空調が5月半ばまで切れていたが、温度管理ができなくなることで、美術品がだめになってしまうことを実感した。税金で買い集めた文化財が、緊急事態においては後回しにならざるを得なかった。災害が周期的に起こることを、悪い場所として考えなければいけない。 #genroncafe
2014-04-11 19:26:51椹木:『日本・現代・美術』では悪い場所を抽象化して考えていたが、災害を組み込んで考えなければならない、というのが『後美術論』。美術館の中に保管する形ではなく、流浪や、風土の中で美術作品を位置付けることを考えなければならない、と #genroncafe
2014-04-11 19:29:57東:3.11以降、新しい美術の可能性を示していると思われる作家や作品はどういうものか。椹木:〈再説・「爆心地」の芸術〉という連載でいくつか取り上げている。今日は取り上げているものをいくつか箇条書きにしてきた。 http://t.co/mEUeR8C6ZF #genroncafe
2014-04-11 19:30:43椹木野衣×東浩紀「再考〈悪い場所〉―「ふたつの震災」と現代美術」 @noieu @hazuma始まっています。311後の美術で、椹木さんが重要だと考えているもの、ことは何か。#genroncafe http://t.co/iJdgaNe4Qf
2014-04-11 19:33:49椹木:2011年の4月から目黒美術館で〈原爆を視る〉という展覧会が予定されていた。これが開かれていれば日本における美術と「核」の関係を初めて見る機会だった。当初は延期だったが、年度が変わって中止になった。 #genroncafe
2014-04-11 19:36:20椹木:翌年度になって目黒区の財政が逼迫したということが中止の理由だった。震災がなければ普通に行われたはずであろうもの。 #genroncafe
2014-04-11 19:37:35椹木:3.11の前から計画されていて中止になった目黒区美術館の「原爆を視る」展。日本の原子力時代を見つめ直す展示になるはずだったがなぜ中止になったのか。このことについて考えている(目黒区は財政を理由に挙げているが) #genroncafe
2014-04-11 19:37:47椹木:3.11に最初に対応したのがchim↑pom。無人島プロダクションの「REAL TIMES」展。非常に考える余地のある展示。3.11後の人々の切迫感に応えた。どういう役割を果たしたか、何を表現したか、は分からない。それは書きながら明らかにしていく。 #genroncafe
2014-04-11 19:43:16ぼくはずっと言っているが、チンポムが震災後に表現したことは、きわめてジャーナリスティックだったと思う。今の現実を鏡にうつすように。しかし、アートのできることはそれだけじゃない。
2014-04-11 19:43:48椹木:指差し作業員の作品は、最初は愉快犯ではないかとネットで騒がれた。後々本人から発表があり、美術のコンテクストで作られていることが分かった。 #genroncafe
2014-04-11 19:44:40椹木:竹内公太。ヴィト・アコンチの『centers』を壊れた福島第一原発の前でなぞった=指差し作業員。会って長時間話した。本人は指差し作業員とは認めない。展示タイトル「公然の秘密」。都美術館の収蔵作品についても匿名に近い形で扱われている。 #genroncafe
2014-04-11 19:48:42椹木:鑑賞者と糸電話で会話。震災が無ければ出てこない作品だった。湯本にいた際、この展示の延長でプロジェクトをやることをー批評家というよりかなり入り込んだ立場でー提案した。 実現した展示がいわき・森美術館の「影を食う光」。#genroncafe
2014-04-11 19:53:30東:3.11以降の美術はどういう見取り図になっているのか。例えばchim↑pom。岡本太郎の明日の神話は明らかな「美術」で、付け足しは素人にも分かりやすいが、 気合い百連発はどんな現実を切り取っているか謎。 #genroncafe
2014-04-11 19:59:23