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芝村裕吏さんによる、「イタリア海軍のお話」

ゲームデザイナーであり、軍事にも詳しい芝村裕吏(@siva_yuri)さんのお話をまとめました。前回(http://togetter.com/li/6408)が飛行機のお話だったので、今回は海軍のお話です。
イタリア 海軍 第二次世界大戦 軍事 イタリア海軍 芝村裕吏
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芝村裕吏 @siva_yuri
で、イタリア海軍の話でもしようか。
芝村裕吏 @siva_yuri
昨日が飛行機だったので、今日は海軍のリクエストがある。
芝村裕吏 @siva_yuri
さて、イタリア海軍というのは特殊なところでな。 まずこれを理解していないと、評価を間違う。 本来の意味で行けば、イタリア海軍は特殊で優秀だ。
芝村裕吏 @siva_yuri
特殊な理由は、同国の立地条件にある。 地中海にアドリア海と、陸地に囲まれたいわば池の中の海軍なせいなんだよ。
芝村裕吏 @siva_yuri
で。日本やアメリカ、イギリスは良くイタリア海軍を馬鹿にするが、これは、とても正当な評価ではない。というのも、イタリア海軍がそもそも想定してないところを評価してるせいだ。
芝村裕吏 @siva_yuri
入力ミス。 たとえば、イタリアの駆逐艦は速いけど、凌波性能に劣り、外洋では云々という日本の評があるが、これはもう、完全に的外れだ。
芝村裕吏 @siva_yuri
その上で、地中海への入り口を世界帝国イギリスが握ってる。海軍力の差は圧倒的。しかも、地中海ではドイツのように潜水艦を使うのも難しい。
芝村裕吏 @siva_yuri
国防力が国力に比例して決定する以上、イタリアがイギリスに勝てる可能性は0だ。だから同盟だって結ぶ。たとえば日本とかとね。 少数のまともに勝てない艦艇を運用するのは、まあ無駄だよ
芝村裕吏 @siva_yuri
しかも、イタリア軍の場合、軍事として船の要求が少ないんだよ。一番あるのがアフリカとの連絡なんだが、まあ距離的には、非常に近い。シチリアからチュニジアまでの距離をはかるといい
芝村裕吏 @siva_yuri
シチリアから距離500kmで、チュニジアについてしまう。WW2当時の技術力でも、飛行機でひとまたぎだ。 戦闘機の行動半径にすら入りそう。
芝村裕吏 @siva_yuri
@H_COSiNE そうですね。MC200で840km 往復で燃料3分の2、残りが戦闘でおおよそ航続距離の三分の1が行動半径で、これはイタリアの場合、チュニジアとシチリアに基地を持つと、航路の全部でエアカバーできることを意味しました。
芝村裕吏 @siva_yuri
結果、WW2のイタリア軍の正解は、海上輸送を航空機で護衛すれば、特に問題はない。となる。そしてイタリアは哨戒機にもなる爆撃機については、古くから充実していた。
芝村裕吏 @siva_yuri
さて、こういう理由で常識的にいって、イタリア海軍には長い伝統と栄光はあるものの、飾り以上の大艦はいらなかったんだよ。 一流国パフォーマンスのために、平時の戦艦は必要だったと思うが、実戦ではまあ、大事にしまうのが関の山だよ。
芝村裕吏 @siva_yuri
イタリア軍の真価は、もちろんそういうところにあるのではない。真価は別のところにある。 貧乏池の中海軍には貧乏池の中海軍の戦いがあるんだよ。
芝村裕吏 @siva_yuri
イタリア海軍の真価は、MAS そして勇敢な特殊部隊、そして小型潜水艇だ。 WW2のイタリア海軍の戦果の大部分は、ここからきている
芝村裕吏 @siva_yuri
さすがイタリア。というところだね。やはり個人レベルだと、この国は時折、とんでもない成績を上げる。 コスト面で言えば、ここまで割のいいものもすくなかろう。
芝村裕吏 @siva_yuri
小型潜水艦も、小型なのが良かった。日本の大型がっくし潜水艦と違って、安い割りにいい仕事している。
芝村裕吏 @siva_yuri
戦艦が挙げた戦果はないけど、特殊部隊、小型艦、潜水艦で、かなりの戦績をあげているのがイタリア海軍なんだよ。 これはww1での活躍を加味して地道に育成していたことで、あげられた戦果だ。
芝村裕吏 @siva_yuri
ところが、このMASなんて日本の震洋や魚雷艇よりはるかに戦績をあげているが、日本の史家は、この辺を言及せずにメカニズムで軍隊を語ろうとしている。言うまでもなく、軍隊で一番重要なのは、結果と、抑止力だ。
芝村裕吏 @siva_yuri
MASや特殊部隊は燃料不足のなかでも燃費のよさからイギリスやアメリカの航路決定に散々影響を与え、抑止力としては大変に影響与えてるし、結果も良かった。これらを無視して評価を下すのは、、フェアとはいえない。
芝村裕吏 @siva_yuri
特殊部隊にせよ、MASにせよ、数をそろえて運用するには学校や訓練体系の構築がいる。 日本はこれが全然出来ていなかった。 イタリアはそうではない。 ハードが戦うだけではなく、人間が戦うという観点を無視すれば、なるほどイタリア軍はダメかもしれない。
芝村裕吏 @siva_yuri
同じ貧乏国で比較したとき、少数精鋭でいくか、数の上で負けると分かってて量産をするかは難しいところだ。日本は前者で、イタリアは後者、両方結果も同じで、負けている。
芝村裕吏 @siva_yuri
その上で、戦中日本は量産に傾こうとして、こけた。 イタリアは戦前こそ戦艦も整備しようとしたが、それが出来ないとわかると、小型やその他で戦果をあげた。 どちらも結果が同じなのでどっちがましとは言わないが、日本の勝ちとはいいきれないだろう。
芝村裕吏 @siva_yuri
イタリア海軍を語る際には、速度20ノットくらいの低速船で、夜中艦隊に近づいて大戦果あげたりする、冒険的な人がいたことを思い出してください。

コメント

三毛招き @mikemaneki 2011年8月3日
といっても、日本海軍にイタリア海軍的選択はできなかっただろう。伊海軍が正当な評価を得ていないというのは同意。
三毛招き @mikemaneki 2011年8月3日
ただ、「小型艦や特殊部隊が伊海軍の真骨頂」というのは、それはそれで見方が偏っているのではないかと思う。
Dombury Sofan @DomSofan 2011年8月3日
イタリア海軍(つか、イタリア軍全体)の評価が不当に低い、ってのは同意するけど後のところはえー、という感じがする。MAS部隊や魚雷艇が活躍したのって、燃料不足とか準備不足で大戦に突入したせいがあるし。
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