未公開データからのタミフルの薬効評価

Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

タミフルの話、4日経ったけど朝日新聞 http://t.co/QnArR15xmT とテレビ朝日のこれ http://t.co/0Au6Z8MxMT しか記事になってないよね? STAP細胞どころじゃない話だと思うんだけど...

Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

タミフルの売上は130億ユーロ http://t.co/2hWu5Om2rS っていうのもすごいけど、問題は出版バイアスが臨床試験全体に影響していて、どの薬がどう効くか、というのを公表された論文等などからだけではわからないこと。 http://t.co/ZMpCcC3tjj

Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

Cochraneは2008年には"タミフルには重症化(合併症)を防ぐ効果がある"というレビューを出していた。これには、ちゃんと公開された論文から結果を再現できないというコメントがついて、やり直しすることになる。 http://t.co/yf5E44mDu0

Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

4年間Roche が出し渋った末にようやく全部データを出したので結果が出たんだけど、朝日の記事だけだとよくわからないよね。ここ http://t.co/xRqEHIFXgB にRocheの言い訳一覧があるけど、見事に一貫してない。

Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

他のグループが解析してる->秘密契約にサインしろ->一部はもう出した->患者の個人情報がある->普通はそんなに出さない->Cochraneはやだ->もう全部出した->全部じゃないけど出した->既成機関には出した->個人情報の問題->研究プロトコルを見せろ->論文に要旨は出した

Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

というなんだか散々な戦いの末、やっとRoche が全部のデータをCochraneに渡したのでできた研究の結果がこのへん http://t.co/70EVMMC2Tz http://t.co/igTSqHonuu http://t.co/36HsS8hMqR

Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

結果は、症状の短縮(0.7日)は有意、入院や肺炎、気管支炎などの重症化を防ぐ効果は有意差なし、吐き気、嘔吐などの副作用は有意(リスク差4%程度)、症状のあるインフルエンザを予防する効果は有意(3%)、症状のないものには有意差なし。Rocheによると"タミフルは感染は防がない"

Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

今まで肺炎に対して効果がある、ということになっていた研究のほとんどで"肺炎"が患者の自己申告によって決まっていた、というのも大変で、こういうことはClinical Study Report を見て初めて分かった。以前はこの意味での肺炎への効果が論文のサマリーに書いてあったりした。

Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

このBMJ 論文の結論部分はなかなかすごい。"a published evidence base that has been affected by reporting bias, ghost authorship, and poor methods."とか。

Yoh Tanimoto @yoh_tanimoto

もちろん、感染は防げないけど予防投与すれば症状はおさまるんだから、タミフル備蓄には意味があるんだ、という考え方もありうる。それにしたって、そういう方針を決めるための情報が 4年も出てこなかったのは大変な問題なわけである。