ボストン在住科学者のツイートまとめ(4/11-14)

ちょっと長くなってしまいましたが、Natureの論文の作られ方についてなど
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山形方人(nihonGO) @yamagatm3

新しいBioTechniquesに、「The Twisted Path to Pluripotency」という良い記事がでています。News Letterには出ているのですが、ホームページには、まだ出ていないようです。 http://t.co/1eCBC71Hrz

2014-04-11 09:56:46
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

STAP現象が本当であったとしても、内容そのものに議論があるような内容を、ネイチャーに投稿、掲載するというところが、それでよかったのか、というのはありますね。例えば、少し地味目の雑誌に第一報を載せて、様子を見るというようなやり方もあったのではないか、と思うのです。

2014-04-11 11:24:42
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

例えば、Nature Biotechnologyとか、Cell Stem Cellとか。あまりにマイナーな雑誌に載せると、それだけで、信用されないということもあるので、それは避けるとして、ある程度の雑誌に第一報は発表というやり方もあったと思うわけです。

2014-04-11 11:26:23
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

もちろん、そういう雑誌に出しても、広報が騒がないし、メディアにも出ないかもしれない。でも、それでよかったのではないか、という感じです。ですから、ネイチャーに投稿して、発表したという行為自体に、問題があったという見方もできるわけです。

2014-04-11 11:28:14
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

また、笹井さんのプライドからすれば、ネイチャーやセル以外の雑誌は、2流だという考えもあったかもしれません。そういう考えを間接的に聞いたことがあります。でも、科学者の発表スタイルとして、地味目なところから、確かめながら、着実にやるというやり方だってあると思います。

2014-04-11 11:30:32
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

こういうところが、なぜ敢えていきなりネイチャーに掲載したか、というところの野心というか、そういう背景もあったのかもしれません。本当に再現できる現象でしたら、どんな雑誌に出してもクレジットは取れるわけですから。

2014-04-11 11:32:50
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

その意味では、トランスレーショナルに近い基礎研究というか、ある意味で、基礎生物学、もっと言えば、素粒子物理学で新しい粒子が見つかったというような研究と、それほど違わないと思います。もちろん、それより、より応用に近い可能性があるということは確かですが。

2014-04-11 12:29:44
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

でも、論文そのものの内容に関しては、臨床とは関係ないというものです。ミスコンダクトの論文というのは、ヒトを意識した動物の研究で非常に多いのは、もちろん臨床と関係する可能性があるからでしょうが。。

2014-04-11 12:31:48
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

発生生物学でも、例えばショウジョウバエの研究とかでは、ミスコンダクトというのは私は聞いたことがないです。あるのでしょうか。実際はあっても、誰も気がついていなかったり、どうでもよいから無視されているという感じになっているのではないでしょうか。

2014-04-11 12:34:08
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

グレゴリー・メンデルの実験にも、データに不自然なものがあって、メンデルの研究にはミスコンダクトがあったのではないか、というのは有名です。では、メンデルの論文は撤回させて、なかったことにしようということにならないのはなぜなのでしょう。

2014-04-11 12:38:01
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ノーベル賞取った研究でも、結論が正しくなかった研究なんていうのもあります。例えば、コーンバーグのDNAポリメラーゼIとか、オチョアのRNA合成なんていうのは、ある意味で誤りです。でも、彼らは、今でもノーベル賞受賞者のリストに載っています。

2014-04-11 12:40:31
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

例えば、最初に投稿すると、大部分の専門誌は、体裁が整っていれば、すべて査読に回すというのが普通でしょう。セルのような雑誌になると、編集者が、査読する価値のあるものを選んで、査読に回すということをやっていますが、ネイチャーの場合はもっと厳しいです。

2014-04-11 21:44:14
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ネイチャーに投稿すると、一番よくあるのが、「一般的な興味の対象にならない」といったコメントで、査読に回さず、リジェクトされることです。これは、査読に回す手間を省くのと、投稿論文を早くリジェクトすることで、別の雑誌に早く投稿してもらおうということなのでしょう。

2014-04-11 21:46:21
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

この最初のフィルターは、編集者が選んでいるわけです。この編集者というのは、もちろん博士の学位持ちですが、意外にそんな学術的な経験がある人ではないです。例えば、ポスドクからこういう編集者になったという形のキャリアレベルです。

2014-04-11 21:48:46
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

つまり、この最初の予備審査の段階では、真の一流科学研究者というのが関与していない。ある意味で「素人」が決めている。ここがネイチャーという雑誌がしばしば批判されるところなんです。もちろん、素人ではなく、その分野の文献や動向に詳しい人達ですから、レベルは高い人達です。

2014-04-11 21:51:21
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

こういう素人が決めると、やはりメジャーな研究機関からの投稿というのは、それだけで印象が良いということはあるでしょうね。マイナーな研究機関や聞いたこともない人からの投稿というのは、やはりこの最初のフィルターで弾かれやすい。

2014-04-11 21:52:44
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ですから、その段階で、その分野では誰でも知っているような大御所の研究者の名前が入っていると、通りやすくなるわけです。また、その時に流行しているような分野の論文というのも、通りやすい。

2014-04-11 21:54:20
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ネイチャーの場合、この第一段階を通過するのが、非常に難しいのです。そして、これを通過したものだけが、査読、つまり一流の科学研究者に送られ、その人達によって、専門的な観点からの査読が、普通の専門誌のような形で行われるわけです。

2014-04-11 21:56:03
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ネイチャーの場合、私の経験では、この査読は、3名に送られていると思います。多くの専門誌ですと、通常、2名というのが多いですが、3名というのが違います。セルも普通は3名に送られます。この段階では、専門的な観点とともに、やはりGeneralな関心があるか、というのも大切です。

2014-04-11 21:58:21
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ネイチャー編集部の最初の一段階で、1週間ほど。そして、この一流科学研究者のピアレヴューで、1ヶ月から2ヶ月くらい時間がかかります。一流研究者というのは、忙しい人も多いし、またネイチャーの査読というのは、気合がはいるでしょうね。

2014-04-11 22:00:12
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

そうして、この一流科学者のピアレヴューを受け取ったネイチャーの編集部が、その内容を見て、そして、ここで再び編集者の判断が入ります。ここも結構、曖昧な場合があるのです。例えば、ピアレヴューばポジティブであっても、編集者の判断でリジェクトされる方向に導かれることもある。

2014-04-11 22:02:06
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

逆に、ピアレヴューがネガティブに傾いていても、編集部の判断で、採用の方向に傾くこともある。そして、その旨が、投稿した研究者に送り戻されてくるわkです。

2014-04-11 22:03:18
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ネイチャーの場合、3名の査読者がついて、更に気合も入っているということで、そのコメント量は尋常ではないということがあります。例えば、これらに全部答えるために、新たな実験を多量にやるという必要もでてくる。

2014-04-11 22:05:03
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

研究者によっては、その要求量にめげてしまうかもしれません。ところが、ここでも編集部の判断というのがある。例えば、競争の激しい分野、トピックス性の高い内容だと、そういうのは早くネイチャーで発表したいと思うわけです。

2014-04-11 22:07:13
山形方人(nihonGO) @yamagatm3

ここでは、例えば、サイエンスやセルなどの主要雑誌との競争みたいなものもあります。ネイチャーと他の主要雑誌との裏でのコンタクトというのは闇で私も憶測の域を出ませんが、これらは裏ではどういう論文が投稿されているのか、というのはある程度、情報を交換しているのではないか、と思うのです。

2014-04-11 22:09:20