「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ザイバツシャドーギルドのスキュレーです」ターコイズブルー装束のニンジャがアイサツをした。ニンジャスレイヤーもアイサツを返す。イクサの前のアイサツは神聖な作法だ。「ドーモ、スキュレー=サン。ニンジャスレイヤーです」1
2014-04-16 20:16:48スキュレー。このニンジャが漁船襲撃の犯人か。ニンジャスレイヤーの双眸から激烈な憎悪が噴き出す。「その姿。ヨロシサンお得意のバイオニンジャか。何でも寄せ集めればいいという児戯めいた考えはオメデタイことだな」「ザイバツに仇為す狂人。殺した後にバラバラにしてマグロのエサにしてやる」2
2014-04-16 20:18:58ザイバツという単語にニンジャスレイヤーの眉が動く。「スシネタの寄せ集めめいたニンジャ、寸刻みにしてツキジへ出荷してくれよう」「やってみろ」スキュレーはウネウネと生理的に嫌悪感を催す動きでにじり寄りながらカラテを構えた。3
2014-04-16 20:21:10おお、何というおぞましい姿であるか!それは海洋生物をツギハギしたバイオニンジャ!シャチの頭部を模したカブトメンポからはオニめいた一本角が突き出し、肩から袖を落としたニンジャ装束から覗く腕はサメのウロコを思わせる肌質である。その腕から生える鞭状の器官からは油断ならぬ危険さが漂う。4
2014-04-16 20:24:45下半身はもはや人の形を留めていない!スカートめいたシルエットはタコのように蠢く八本の太触手である!なんという異形!ヨロシサンのバイオテックはどこまで生命を弄ぶのか!?「イヤーッ!」先手を打ったのはニンジャスレイヤー!右腕をムチのようにしならせてスリケンを四連続で投擲! 5
2014-04-16 20:26:29「イヤーッ!」死のメタファである四スリケンをスキュレーは払いのける!「イヤーッ!イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは再度スリケン投擲!今度は八枚!「そんなものが通用するとでも思ったか」容易く払いのけるスキュレー!しかしこの程度は予測済み!ニンジャスレイヤーは迷う事なく駆け込む!6
2014-04-16 20:28:26ニンジャスレイヤーはスリケンに追い付かんばかりの勢いで接近!ワンインチ距離まで肉薄した!「イヤーッ!」腰を落とした構えから放たれるのはジュー・ジツの大技、ポン・パンチ!スリケンを防御する隙を突いたアンブッシュめいた一撃!「ヌウッ!?」ニンジャスレイヤーは拳に奇妙な感触を覚えた。7
2014-04-16 20:32:42スキュレーは下半身の触手を用いて、ニンジャスレイヤーの打撃を受け止めているではないか!ゴウランガ!なんたる柔軟さ!反応速度も優れている!「侮るなよ、俺はテルビューチェ=サンよりも強いぞ」一本が人間の足ほどの太さもある触手がニンジャスレイヤーの腕を絡め取り、強力に締め上げる!8
2014-04-16 20:34:24「イヤーッ!」スキュレーは自由な両腕でチョップを振り下ろした!「グワーッ!」予想外に重い一撃!触手が足場に貼り付く事で重心が安定しているのだ!見た目に反しカラテの基本に忠実!両肩にチョップを受けたニンジャスレイヤーの身体が沈む!9
2014-04-16 20:36:22スキュレーはなおもカラテを繰り出す!「イヤーッ!」「ヌウウーッ」ニンジャスレイヤーの右腕はがっちりと押さえ込まれビクともしない、このままでは回避が出来ない!「グワーッ!」ニンジャスレイヤーは残った左でスキュレーのショートフックを弾くが、右から来る攻撃は防ぎようが無い!10
2014-04-16 20:38:43打撃されのけ反るニンジャスレイヤー!「オクトカラテの間合いに踏み込んだのがお前のウカツ、このまま滅多打ちにしてくれるわ!」触手を追加し右手への締め付けを強めながらスキュレーは攻撃を繰り出す!「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」11
2014-04-16 20:41:04ニンジャスレイヤーは打たれながらも片腕で防御!「イヤーッ!」スキュレーは両腕のブレーサーから生えるバイオ鞭を振り下ろした!至近の攻防にリーチは無用、だがスキュレーの狙いは別にある!「グワーッ!?」鞭を払ったニンジャスレイヤーは強烈な衝撃を受けて苦悶!12
2014-04-16 20:45:01スキュレーのバイオ鞭はバイオ電気ウナギの能力を秘めた電気鞭である!ニンジャでも触れれば危険!「イヤーッ!」再び振るわれるバイオ鞭! 「イヤーッ!」!ニンジャスレイヤーはバイオ鞭を受けることなくスキュレーの腕を払う!「グワーッ!」のけ反るスキュレー!13
2014-04-16 20:47:25ニンジャスレイヤーは強固に掴まれた右腕を支点にその場で側転。スキュレーの側頭部に風車めいた膝蹴りを食らわせたのだ!タツジン!敵の力を利用することで状況打開!何というカラテ発想か!頭部を打たれたスキュレーは拘束を緩めてしまった。ニンジャスレイヤーはバク転を五連続で間合いを取る。14
2014-04-16 20:49:56「イヤーッ!」スキュレーが追撃のスリケンを放つ!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはバク転から側転へ移行しこれを華麗に回避!スリケン連続投擲で反撃!「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」カーブや時間差を伴ったタツジン的な投擲だが、スキュレーは触手でこれを完全防御!15
2014-04-16 20:52:30Dr.ウィルキンソン氏による談話「njslyrアカウントが数日更新されなかった事は皆さんご存知の通り今までにも多々あり、日常的誤差の範囲。寿司マシンではない人力更新アカウントである以上、一週間、二週間の停止は想定内だ」ドクター、ありがとうございます。ヘッズは安心しました。
2014-04-16 20:53:46間合いを取ったニンジャスレイヤーは分析する。バイオニンジャの類は侮りがたい能力を有しているものが多い。以前倒したサイバネアームのニンジャとは出来が違うようだ。真正面からカラテを挑めば、触手とバイオ鞭。タコめいた触手は十や二十のスリケンを投げたところで効果を期待出来そうにない。15
2014-04-16 20:56:52敵は重度の改造を施されたバイオニンジャ。それに耐えるニンジャソウル耐久力を鑑みれば強敵である可能性は高い。しかし、とニンジャスレイヤーの目が細まる。たとえ強敵であろうとも、ニンジャを殺すと決めた以上は殺すのみ。これまで何ら変わらない。一瞬の静寂!16
2014-04-16 20:59:42ニンジャスレイヤーがエントリーを果たした地下二階の部屋。そこはモニター室だった。簡素なコンソールが幾つか並び、その画面には下の巨大プールの映像が映っている。部屋は倉庫めいて何かの薬品が入っていると思われるポリタンクが並んでいる。そして積まれたタンクの影に秘封倶楽部一行が居た。19
2014-04-16 21:03:42テルビューチェの脅威から逃れた二人は、ツナミの角が地下三階にある事を突き止めた。しかし下のフロアに降りる階段が見つからず、この部屋で立ち往生していたのだ。そこへ先ほど現れたニンジャスレイヤーと名乗った人物が疾風怒濤の勢いでガラスを破り、下のフロアへと降りていった。20
2014-04-16 21:06:25先ほどメリーが交信し、ツナミの角があのスキュレーと名乗った怪物に移植された事も把握している。角は研究素材といった扱いで保管されているだろうとタカを括っていたが事態は最悪の方向へと転がっていた。「あんなのどうやって取り戻すつもりよ」「蓮子こそ何かアイデアは無いの?」21
2014-04-16 21:09:32