加藤豪「工藤哲巳について」

0
加藤 豪 @_5925263769112

工藤哲巳は、パリの人々は工藤さんが嫌がらせやいじめをすればするほど、喜んだと言っていたそうだ。順当に考えれば、ヒステリー化だが(工藤さんが)。可愛がられたと。他に見方があるかな。

2014-03-27 06:05:54
加藤 豪 @_5925263769112

しかし、ある意味「透明」な関係ではある。そういう現場性で作られたものを、日本に大挙してゴッチャリ持ってきて並べても、そりゃあそういう透明感は出ないでしょう。カタログなどでポップな装いをし見せようとも。

2014-03-27 06:06:22
加藤 豪 @_5925263769112

僕は工藤さんの亡くなった翌年の91年に、オランダに渡りフリッツ・ベヒトのコレクションなどの大半を見つくしてきたから、今回日本での大規模な回顧展に、足を運んで見るということはしないが。

2014-03-27 06:06:46
加藤 豪 @_5925263769112

僕は院生の時に絵画棟の工藤さんの部屋を訪れ「工藤さんの作品は日本にほとんどないので写真とかカタログがあったら見せてください」と申し出たが(学生として当然の権利ではないかと思い。謎めいて見せていると感じていたものを、突きたかったのも密かにあるだろうか)、そんなものは無いと断られた。

2014-03-27 13:53:13
加藤 豪 @_5925263769112

それより前に、約束なしにドアをノックすることをしないように、と注意をされた(これは普通だろう。僕がわきまえていない学生なのであり)。そして、ヨーロッパに全部あるから、本当に見たいと思うならアルバイトをしてお金を貯めて行きなさいと。

2014-03-27 13:53:38
加藤 豪 @_5925263769112

僕は、工藤さんがまだどこかに生きているという想念をずっと持っていた。

2014-03-28 10:48:52
加藤 豪 @_5925263769112

工藤さんが、最後に二人きりで、じっと目を見つめて語った言葉は、「加藤君、霊は存在します。」だ。

2014-03-28 13:07:40
加藤 豪 @_5925263769112

色々と、頭の中を整理していたらようやく熱が引いた。京都に行ってから、一週間位はカッカしていたなあ。今は何故か首が痛い(昨日寝違えたか)。

2014-03-29 13:29:52
加藤 豪 @_5925263769112

自力で分かったことを書いておくと、木村秀樹氏もそうだったが、京都の人は、美術的に、やたら東京へのアンチの人が多い。それはシンポジウムでの木村氏の言葉の中にあった「一升瓶をドンと置いて構えている感じ」という前の世代の、特に反芸術を名乗った人々への嫌悪の表現にも表れていた。

2014-03-29 13:31:13
加藤 豪 @_5925263769112

マッチョという表現も。たしかにそれは今でもあると言えばあるだろう(いや絶対ある)。無時間的に継承されたものが。名前を列記する必要もない。木村氏から、特に例示されたのは、反芸術より後の世代の彦坂尚嘉氏の名だったが。しかし、それは数ある一つの小文字の他者ではなかったか。

2014-03-29 13:31:41
加藤 豪 @_5925263769112

そこで、特に名が例示されない主人の名とは、工藤哲巳ではないか。そう考えると納得がいく。今巡回している回顧展に「反芸術の旗手」とも表示されているではないか、まさに。ふんどし一丁の男とは。

2014-03-29 13:32:08
加藤 豪 @_5925263769112

シンポジウムが終わり、僕が三脇さんに紹介をされ、挨拶をしたあと、奥から展示の図録を持って来て木村氏は自ら手渡しをしてくれた。とにかく感じのいい方だった。長年勤め上げ、その退官を記念するトークの質問のコーナーの、最後の最後に、そのふんどしに由来する一人の男が手を挙げてしまったのだ。

2014-03-29 13:32:54
加藤 豪 @_5925263769112

工藤哲巳が長年、日本で敬遠されていた理由。それを僕は、奇しくも京都でつかんだ。 精神分析的に言えば、工藤さんはヨーロッパでヒステリー化という形で、つまり言わば「女」に徹することで、向こうの「大人」とのコミュニケーションを図っていた。権力者や富裕層とも(ポンピドゥや、ベヒトなど)。

2014-03-29 13:36:59
加藤 豪 @_5925263769112

それが日本に伝わる場合に、マッチョなイメージに何故か捻れる。「男妾みたいなことをやっているくせに、日本に帰ってくるとマッチョで通すというのはどうなの?」というような、そういう反感、ではないか。大方の無意識裡に、潜在的にあったのは。

2014-03-29 13:37:57
加藤 豪 @_5925263769112

古典的ロマン主義の構図、これについてはさほど気にされていなかったようにも感ずる。

2014-03-29 13:38:53
加藤 豪 @_5925263769112

工藤さんの葬儀で、弔辞を読んだのは、美術評論家の針生一郎氏と、中原祐介氏。針生氏は弔辞の中でこう明言した。「我々は工藤をアヴァンギャルドの旗手として応援してきたが、日本に帰ってきて、国立の芸大に就職したのには大変失望した。」と。シャットダウン。 こういう経路ではないか。

2014-03-29 13:39:37
加藤 豪 @_5925263769112

それなら、と問いを、問い直したい。そういう男妾みたいな軟弱なのではない、本物のマッチョとは、いったい誰なのか?と。皆、実は、工藤さんの真似をしたのではないか。

2014-03-29 13:40:33
加藤 豪 @_5925263769112

だから抑圧したと。そして回帰した。

2014-03-29 13:41:12