貸金業の金利規制緩和は、また多重債務被害者を増やすだけの愚策だ。

日経新聞で報道された「貸金業の金利規制緩和 自民が法改正検討」を受けて、プチ激怒しながら高金利による多重債務被害とその原因などについて、連ツイしました。
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徳武聡子 @Satoko_Tokutake

サラ金地獄へ逆戻りをさせるものだ。中小企業が29.2%等という高金利で借金しても、一時的に延命するだけで、さらに苦境に陥るのは目に見えている。→【日本経済新聞】貸金業の金利規制緩和 自民が法改正検討 http://t.co/MHpYcfu2qS

2014-04-19 13:29:13
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

貸金業者に対する高金利規制は、30年も前から法律家・支援者・多重債務の当事者が金利規制の運動の末に、ようやく勝ち取ったものだ。それまでにも高金利を認めない判決は多々でていたが、H18に貸金業法43条(当時)の見なし弁済の適用にとどめを刺して、一気に金利規制に弾みがついた。

2014-04-19 13:55:10
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

2)実は、金利規制について定めた法律である利息制限法の制限金利は変わっていない。変わったのは貸金業法43条。これが撤廃されたのが、近年の高金利規制。貸43条は、一定の条件を満たした場合に29.2%という高金利を認めるものだけど、貸金業者の殆どはこの条件を守っていなかった。→

2014-04-19 13:58:56
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

3)従って、法律家が介入したり、裁判所で手続をする場合には、貸43条の適用は殆ど認められず、利息制限法に定められた金利(10万未満20%、10万~100万未満18%、100万以上15%)で計算されるのが常だった。しかし、昔は法律家が債務整理手続をすること自体が知られていなかった。

2014-04-19 14:04:07
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

4)そうすると、貸43条(高金利)が実際には法的に認められないことを知らない多重債務者たちは、サラ金に言われるままに高い金利を払い続ける。加えて、破産したら人生終わりみたいな誤解も多かった。開業して数年の私のところにも、何十年も貸金業者への返済に苦しむ人が多く来ていた。→

2014-04-19 14:07:41
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

5)高金利のサラ金は、無担保無保証で借りやすい。それは目の前の現金を求める人からすれば、”そのときは”助かるだろう。それは麻薬のようなもの。一時的な安穏を得てもすぐに過酷な状況がやってくる。元々の生活費が足りなくて借りるのだから、どこにも余分な金はない。しかし返済は増える。→

2014-04-19 14:10:52
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

6)だから、多重債務者の多くが自転車操業に陥る。借入先も増えていって、自死や犯罪に至ってしまう人もいる。高金利は社会問題でもあった。運動の結果、ようやく貸43条が撤廃されたが、当時は与野党が全会一致で金利規制に動いた。自民党でも若手議員が中心に金利規制に動いていた。→

2014-04-19 14:21:48
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

7)金利規制が実施された結果、多重債務者は減少の一途をたどっている。借りにくくなったからヤミ金が増えたということもない。今回、自民党は「中小企業のため」などといっているが、本当に金利規制緩和が中小企業のためなのか。銀行が貸し渋るなら低利の公的融資を充実させるべきじゃないのか。→

2014-04-19 14:24:15
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

8)さらに、中小企業の経営の強化策や支援策は聞こえてこない。調べればあるのかもしれないが。金利規制緩和は、子どもが泣くので飴玉あたえておとなしくさせようレベルの愚策。虫歯や糖尿病、肥満の危険性はまったく考慮されていない。安直かつ副作用が甚大で断じて許せない。

2014-04-19 14:34:25
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

補)ちなみに、クレサラ運動の中でとある税理士さんが割り出した「企業が倒産せずに返済可能な金利の上限」は確か年利10%でしたね。

2014-04-19 14:35:08
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

補2)(まだ続くんかいな…というぼやきはおいといて。)なぜ、高金利被害が増えたのか。なぜ、高金利「被害」という言い方ができるか。借りた方が悪いという論調もあるだろうが、多重債務は不十分な社会保障と無効な高金利を野放しにした政治による被害なのである。→

2014-04-19 14:59:12
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

補3)日弁連や国民生活センターの調査では、借入の原因の大半が、失業・病気・低所得・減収などの生活苦によるものであった。H18の近弁連調査では、生活保護利用者以外で破産手続をした人のうち、実に4割以上が生活保護基準以下の収入しかなかった。つまり、低所得ゆえに人は借金をしたのだ。→

2014-04-19 15:06:19
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

補4)生活保護が利用しにくいため、生活保護ではなく借金で生活を賄うようになるという構造があった。さらに、先の述べたように高金利を認める法律が存在しており、高金利は野放し状態に近かった。そんな状態では多重債務に陥ったというより陥らされた被害者だといえるだろう。

2014-04-19 15:17:09
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

補5)高金利規制と同時に策定された多重債務改善プログラムでは、生活保護をはじめとする社会保障の充実や公的貸付の拡充が盛り込まれていたのに、そのあたりはほとんど実現していない。賃金も年々下がり、非正規雇用もどんどん増やしている状態で、よくも金利規制緩和など考えられるものだ。怒怒怒!

2014-04-19 15:19:43