Web記事「ハードを安く売ってソフトで金を稼ぐ」に対する竹内健さんのツイート

日経ビジネスの記事「ハードを安く売ってソフトで金を稼ぐ」に対する竹内健さんの一連のツイートをまとめました。 「ソフトとハードを融合する本質的な価値はマネタイズの革新ではないか」との論から、技術をどのようにマネタイズするかという技術経営教育の重要性にも言及されています。
17
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

エレクトロニクス関係者は必読。「クアルコムはハードのふりをしてソフトを売っている」という指摘は本当に考えさせられる。日本のシステムLSIメーカーのように下請け的にハードを作っていたら儲からない。/ハードを安く売って、ソフトで金を稼ぐ http://t.co/EFq6lUKLuf

2014-04-19 18:45:21
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

なるほど。 @nob274: Qualcommと同じ業態の半導体メーカー(本社US)に勤めていますが、何年も前に、HWエンジニアよりもFWエンジニアのほうが数が多いです。チップを買うと、立派なソフト(それだけで製品が作れてしまう)が無料でついてきます。

2014-04-19 21:28:48
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

今学期からエンジニアリングデザインの講義を始めたこともあり、なぜ、日本の半導体はここまで一人負けになったか、考えている。ハードだけでは余程飛び抜けてコピーできない技術でもないと、差別化できない時代になっている。良いものを作っても、すぐにコピーされる。

2014-04-20 07:02:03
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

良く言われるように、日本の製造業は極端なハード重視。目に見えないソフトは軽視され続けてきた。ハードの工場長が出世コースであることからもわかる。自分もソフトに研究をシフトしたら、「ソフトなんてちゃらちゃらしたこと」と陰口を叩かれる。ソフト開発者はメーカーでは日陰者扱いのことも。

2014-04-20 07:05:10
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

ハード重視、ソフト軽視の理由は様々だけど、工場は雇用を生むので、ハードは社会貢献とみなされることも多い。ソフトは製造コストや流通コストはゼロに近いから、本来は素晴らしいのに、雇用を生まないからダメと言う人もいまだに多い。目に見えないものは信じられない、という人も多い。

2014-04-20 07:07:03
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

ソフトとハードを融合する本質的な価値はマネタイズの革新ではないか。ソフトまで手掛けることで、今まで経験できなかった新しい価値を提供する。あるいは、顧客のサービスにまで踏み込んでいく。顧客の言われるがまま、下請け体質でハードを作ったりプログラムを提供するだけでは、何も変わらない。

2014-04-20 07:13:50
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

メーカーではシステム化を進めるために、ハードだけでなくソフトのエンジニアを**だけ集めました、となりがち。どうやってマネタイズするか。単純化すると、顧客の領域にまで踏み込み、顧客が持っていた収益を奪う仕組みを作る必要がある。そうでなければ、単に開発者が増えてコストが増えただけ。

2014-04-20 07:17:31
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

わが身を反省すると、大学の工学部の教育では、マネタイズをあまり教えていない。技術者もソフトだろうがハードだろうが儲ける仕組みを考えずに、技術だけ開発しても、単なる自己満足。個人も企業も生き残れない。そのためには、教育だって変わらなければいけない。

2014-04-20 07:20:17
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

技術を生み出す研究開発は崇高なことに見えるけど、会計上は単なる「費用」。お金を使うだけの存在。研究開発にかけたお金をどうやって将来回収するかは、技術者の仕事ではないと逃げていては、現在の苦境からは復活できないと思う。

2014-04-20 07:26:53
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

「技術を教える教育だけではダメ」という反省のもとに、何を作るか、どうやって技術でマネタイズするかを考える工学デザイン、という講義をスタート。最初に気づいたのは、教科書がない。MBAも含めて20冊くらいの本から抜粋しながら、講義資料を作っている。これではメーカーも儲からないわけだ。

2014-04-20 07:40:25
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

そう、単なる償却対象ですね。@cafelattegreen: はじめまして。いつもツイをみて勉強させてもらっています。先生のお考えには大変共感します。自分は工学部の身でありながら会計士試験の勉強をしているのですが財務諸表上では研究費は償却対象でしかないことに虚しさを感じていました

2014-04-20 08:03:53
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

何を作るか、技術をどのようにマネタイズするか考えるエンジニアリングデザインの教育は、本当は社会人が対象が良いと思っています。技術を勉強中の学部生ではマネタイズと言ってもピンとこないでしょう。そういう社会人教育を、どなたか組んでやりませんかね。大学でもできないことはないんだろうけど

2014-04-20 08:20:58
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

技術経営(MOT)教育は非常に重要で、大学で関連の講義も始めた。もっと積極的にやらなければとも思うけど、私自身は一人の技術者として世界一の突き抜けた技術を作りたい。MOT教育を立ち上げるための仕組み作りなど、とても手が回りません。一緒に組める人がいれば、もっと色々できるのにな。

2014-04-20 08:26:11
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

7年前に大学に移ってから、少しずつ技術経営の教育を始め。3年前に日経のコラム http://t.co/LmjVXe67Si を始め、2年前に本「世界で勝負する仕事術 」 http://t.co/CYdGnA9FDI を出し、今年は講義を立ち上げた。次に行くには一人では厳しいなあ。

2014-04-20 08:33:30
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

まあ、やりたいことがあっても、焦らず一歩一歩。良い人と出会うような、時が来るのを待とう。大事なのは、チャンスが来た時に、すぐに掴めるように準備しておくことだから。

2014-04-20 08:36:56
Ken Takeuchi @kentakeuchi2003

技術だけで食べれた時代は、それでも良かったんでしょうけどね。 @w_katsura 日米両方で働きましたが、日本は技術重視の判断をしがちで、顧客価値やビジネス面から判断するプロダクトマネジメントの視点が欠けていると感じました。RT 儲ける仕組みを考えずに技術だけ開発しても自己満足

2014-04-20 11:05:05