茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1219回「個性は、いかに見つかるか」

脳科学者・茂木健一郎さんの4月21日の連続ツイート。 本日は、一枚の写真を見て思ったこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1219回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、一枚の写真を見て思ったこと。

2014-04-21 06:56:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

こい(1)先日の六本木アートナイトの際に、金杉肇さん(@kanasugihajime )が撮影した一枚の写真を見ていて、「エイトマンか」「後ろ姿、オランウータンみたいだな」「あっ、オレの姿か」という、一連の思考の流れがあった。 http://t.co/iDYawCVqpW

2014-04-21 06:57:24
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茂木健一郎 @kenichiromogi

こい(2)よく、「茂木さんは天然なのですか」と聞かれる。ある美容師の方が言っていたこと「プロは、パーマかけるにせよ、あんないい加減な仕事はしない!」この髪型が自分にしっくり行くまでは、長い格闘の歴史があったように思うから、そのことを書いてみたいと思う。

2014-04-21 06:58:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

こい(3)小学校の頃、お風呂に夜入って眠ると、翌朝、髪の毛がぴょんぴょん立っていて、水道でなでつけてもダメだった。教室で、ぴょんぴょんしているところが女の子から見えないように角度を変にして座っていた。さらさらヘアのい草孝志くんが、うらやましかった。

2014-04-21 06:59:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

こい(4)思春期は、ずっと、自分のルックスがしっくり来ない感じがあった。髪の毛もそうだが、着ているものもそうである。「超ダサイ」というのが一種基本だと感じていて、どんな服を着ればいいのか、何を着ても似合わないというか、穴があったら入りたい、という自意識があった。

2014-04-21 07:01:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

こい(5)自分のルックスが違和感ありまくり、みたいな状況は、青春時代を通してずっと続いていたが、それが緩和されたのは、今考えると33歳から35歳に英国のケンブリッジ大学に留学した時である。この滞在中、二つのことが起こった。一つは、現地の人たちの「服装」感覚。

2014-04-21 07:03:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

こい(6)ケンブリッジでは、普通の格好をしている人は街の人で、学者は、何年着たのかわからない小汚い格好をしている。穴の空いたセーターを着て、今にも壊れそうな自転車をギーコギーコこいで走っている人がいると、「あっ、偉い学者だ」とみんながさっと道を空けた。

2014-04-21 07:04:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

こい(7)自分で髪の毛を切るようになったのも、ケンブリッジ滞在中である。ある日、下宿で、「切っちまうか」と思い、ハサミを入れた。実はものすごい「やってはいけない感」があったのだけれども、実際にやって見ると、別にどうっていうことないというか、気持ちが楽になった。

2014-04-21 07:05:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

こい(8)私の今のファッション・ポリシーは、「一シーズン一枚」。下着やTシャツ以外は、ずっと同じズボン、セーターを着ている。(これは私の周囲の人に聞けば、本当だとわかる)。そして、髪の毛は、自分でカット。洗って、ごしごしタオルでこすって、それで終わり。これで、楽になった。

2014-04-21 07:06:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

こい(9)有吉弘行さんには「賢いホームレス」というあだ名をつけられたが、「服」と「髪の毛」について、自分のスタイルを見つけるまでは、青春時代の長い心の格闘技があった。そのことを思うと、まだ自分が見つかっていない、という人に、「そのうち見つかるさ」とエールを送りたいのである。

2014-04-21 07:08:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1219回「個性は、いかに見つかるか」でした。

2014-04-21 07:08:31