機縁会・高柳さんによる武術の稽古とその上達について

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杖術体術稽古 機縁会 @kienkai_info

『武術の稽古は、坂道ではなく階段を登るごとく』はよく言われることですが、それは、身の丈を遥かに超える大きな階段を登る様なものです。 背よりも高いので、上の段に何があるか分からない。 しかも、自分が立っている平面もかなり広いので、そもそも次の段がどこにあるかも分からない。

2014-04-23 07:34:54
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稽古とは、自身が立っている平面で、一つのピースが一抱えもあるジグソーパズルを作っていく様なものです。 しかも、俯瞰で確認出来ないので、どこまで正解に近づいているのかは本人にも分かりません。 そして、全てが正しい位置に収まると、本人が知らない内に次の段に登っています。

2014-04-23 07:38:29
杖術体術稽古 機縁会 @kienkai_info

次の段に登ると、さっきまで自分が作っていたジグソーパズルが俯瞰出来るので、『なんだ、こんな事だったのか(´・ω・`)』となります。 この、階段をそれと知らずに登ってしまう過程が、『出来る様になる』ということなのだと思います。 そして、出来ると同時に俯瞰も出来る(=分かる)。

2014-04-23 07:44:00
杖術体術稽古 機縁会 @kienkai_info

このため、少なくとも武術の稽古においては『出来た時に初めて分かる』のであって、『出来ないのに分かる』という事はありません。 転じて、身も蓋もない言い方をすれば、出来ない間は『分からない』と悩むこと自体が無意味ですし、出来た時にはその悩みは消えています。

2014-04-23 07:52:12
杖術体術稽古 機縁会 @kienkai_info

更に、この階段は螺旋状に積み上がって行くので、下を覗くと以前作ったジグソーパズルが見えたりもします。 でも、相変わらず今作っているパズルは俯瞰出来ないので、過去のパズルが参考になるとは限りません。 でも、何となく似ている事が多いですね。

2014-04-23 08:21:28
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階段の高さや立っている平面の広さ、またはジグソーパズルの数や複雑さや精度は、求める技術に応じた絶対的なものもありますし、それに対する自身の技量という相対的な部分もあります。 でも、それらが全て人間の身体だけに収まった世界だというのが、武術の面白いところなのです。

2014-04-23 08:26:03
杖術体術稽古 機縁会 @kienkai_info

出来ないと悩む事が無意味である以上、極論を言えば言葉は不要となります。 少なくとも、身体を通じたお手本よりも言葉が優先することはありません。 昔の武術家や職人さんが弟子に教える際、とても寡黙だったのはそういうことなのでしょう。 下手をすれば、言葉は誤解を生むだけです。

2014-04-23 08:50:13
杖術体術稽古 機縁会 @kienkai_info

だからと言って、考える必要がないのかと言えば、それはむしろ反対です。 武術は、アタマを使わなければ出来ません。 そして、少なくとも自身の身体に対する、細かい配慮や検討も必要となります。

2014-04-23 08:53:02
杖術体術稽古 機縁会 @kienkai_info

では、特に初期の段階において稽古する側としてはどうしたらいいのかといえば、自分が作っているジグソーパズルが俯瞰出来ない以上、片っ端から並べていく(量をこなす)しかありません。 その過程においてまぐれ当たり(ピースが正しくはまる)が発生すると、それが質的な変化に繋がります。

2014-04-23 09:02:44
杖術体術稽古 機縁会 @kienkai_info

指導する側としては、様々な感覚のパターンを数多く体験させてあげるとこで、何かしかのまぐれ当たりが出る様に導く事が第一になります。 そのためには、飽きさせない工夫も必要になります。 楽しければ、なお良し。

2014-04-23 10:10:19