【読書する黒子の】定義とレッテル【簡単解説】

中二病、という単語から。
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読書する黒子さん @kuroko_1011

今日の思考メモに「中二病 妖怪 脅威 定義」って走り書きがあるんですが、ホントに僕は何を昼間考察していたんでしょうか

2014-04-25 21:42:19
読書する黒子さん @kuroko_1011

今日は簡単に「定義って何のためにあるものなの?」という話をします。今日もあくまで文学的な話ですが、心理的な意味あいも含まれます。

2014-04-25 22:21:19
読書する黒子さん @kuroko_1011

定義とは、辞書的な意味で言えば「1、物事の意味・内容を他と区別できるように、言葉で明確に限定すること。「敬語の用法を―する」」「2、論理学で、概念の内包を明瞭にし、その外延を確定すること。通常、その概念が属する最も近い類と種差を挙げることによってできる。」です。引用はWeb辞書。

2014-04-25 22:22:49
読書する黒子さん @kuroko_1011

引用がgoo辞書なのは、辞書・また版により「定義」が少しずつ異なるので、とりあえずということで。今回話す定義については、もっと狭い範囲のことになりますから。

2014-04-25 22:23:42
読書する黒子さん @kuroko_1011

文学的に語られる言葉に「定義はありません」何故かと言えば、例えば「男性」と言ったところで「その作中の視線と視点により男性という言葉は違う意味を持つから」です。これを還元不可能な複数性、とも呼ぶこともあります。

2014-04-25 22:25:16
読書する黒子さん @kuroko_1011

さて、ではここで唐突になんですが『Q.E.D~証明終了~』という漫画があります。ミステリですね。28巻に「花火職人が精神に異常をきたし、人間を花火にくくりつけるという猟奇殺人を行った」というエピソードが含まれる問題があります。その中に「ツポビラウスキー症候群」がでてきます。

2014-04-25 22:27:31
読書する黒子さん @kuroko_1011

作中のMIT卒業の安楽椅子探偵もこの病名は知りません。調べてもこの病名はどこにも当たらないのです。そしてちなみにツポビラウスキー症候群は人間花火を実行した人につけられた精神病名、と説明がなされています。

2014-04-25 22:29:50
読書する黒子さん @kuroko_1011

九想図なども絡めながら「死の恐怖に接することで美の極致を見た、自分は特別な人間である」と、人間花火の犯人の息子も同じ行動にでます。「究極の美を体験できる特別な人間である」と、哄笑しながら。そこで、初めて「スポビラウスキー症候群」を名付けた医師が、犯人に言い放ちます。

2014-04-25 22:32:35
読書する黒子さん @kuroko_1011

「お前は選ばれた人間ではない。世界中で珍しくもない精神疾患のひとつで、自分が選ばれし人間であると錯覚する病気だ、いずれ治る」もちろん、この病名は架空のものです。その意図を問われて、老医師は呟きます。「思い上がりに名前をつけて、お前は普通なんだと堕とすことが、私のできる断罪なんだ」

2014-04-25 22:34:43
読書する黒子さん @kuroko_1011

選民意識を持ってしまう人たちには、グループとして名前を定義してしまえばいい。そうすれば有象無象が一応秩序だったものになる……その架空の病名のひとつが、中二病です。

2014-04-25 22:35:46
読書する黒子さん @kuroko_1011

まだ自分の限界を知らない、親の庇護から抜けられない、平凡な日常以外の恐ろしさを知らない、ヒロイズムによってしか自己を確立できず、空想の世界でのヒーローごっこに耽り、違う世界を自分のそばに構築し、自分が特別だと思いたがる。中二病とくくってしまえば「フツーやるよね」で終わります。

2014-04-25 22:37:40
読書する黒子さん @kuroko_1011

自分たちだけが分かっている人間なのだと、選ばれた人間なのだと勘違いをする人には、群れとして名前を付ける。中二病だけじゃないです、ネトウヨもネトサヨも、全てそのような矮小化のひとつでもあるでしょう。

2014-04-25 22:39:06
読書する黒子さん @kuroko_1011

ただし、定義をつけるということは「選民であればよかった」人たちに「目的」を与えてしまうことにもなり、群衆化にもつながります。レッテル化って、そんなに簡単でお手軽につかっていいものじゃないんです。人を壊すにも十分すぎる程の、言葉の暴力なんです。定義とは、そういうものです。

2014-04-25 22:40:41
読書する黒子さん @kuroko_1011

ついでに、文学的に語られる言葉に「定義はありません」という前述を分かりやすく言うと、「指輪トップのチェーンネックレス」「ピンクのホイッスル」といういたって普通のアイテムが「黒子のバスケ」の中においては特別な意味あいをもつ。そのような違いだとご理解いただければ。

2014-04-25 22:42:58
読書する黒子さん @kuroko_1011

ま、そんな感じで。定義とレッテル貼りという「言葉の魔法による人間の破壊の仕方」のお話でした。

2014-04-25 22:44:07
読書する黒子さん @kuroko_1011

個人的には「そんな妄想誰でもやるだろ、ただの中二病だろ」と笑うより「もっと聞かせてください」という姿勢で、いつも人に向かいたいものです。

2014-04-25 22:44:57
読書する黒子さん @kuroko_1011

……まとめたほうがいいですか?(ふぁぼ通知を見ながら

2014-04-25 22:45:58