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2014年4月26日

シモニタ神話・しもにたきつねのはなし

シモニタを覗くならば、シモニタも等しく貴方を見返す……シモニタ神話学の第一人者・シモニタキャンディチャン飴屋女史の語る、シモニタせいぶつの神話。
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シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

【シモニタ神話・しもにたきつねのはなし】

2014-04-14 15:03:46
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

ある時造物主シモニタ博士は、一匹の狐からシモニタせいぶつを生み出した。その狐はシモニタ狐と呼ばれている。

2014-04-14 15:04:53
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

その狐は、顔面の一部が白い仮面のようなもので覆われたようになっているがそれは体の一部である。首から下も同様である。ある時シモニタ狐は漂泊の旅に出、シモニタの森からかなり離れた所の人間たちのコミュニティに流れ着いた。

2014-04-14 15:06:58
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタせいぶつが人間と関わりを持つことは稀な事ではないのだ。人間たちは、見たこともない姿をしたその獣を畏れた。白い顔、穴のような眼は彼らが知る獣一般と似通ったものではなかった。

2014-04-14 15:08:33
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

しかし全体的形状としては狐にやはり酷似していた。人々はその獣が妖怪の類であるのか、もっと別の何かであるのか判別がつかなかった。

2014-04-14 15:09:31
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

そこで人々は、土や石などを積み上げて塔を建てた。そこに神を祀った。あの狐のようなものが神使であるのなら、恵みを齎してくれるよう祈り、妖怪の類であるのなら神が守ってくれるよう祈った。

2014-04-14 15:11:19
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

狐がどちらであったのか、それは言うまでもない(シモニタせいぶつとしか言いようがないのだからどちらともいえないのだ)。シモニタ狐は塔に住み着き、人々に危害を加えるようなことはしなかった。

2014-04-14 15:12:23
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

時々、塔のある付近の草むらからひょっこり現れて人を驚かす程度のことしかしなかった。人々はシモニタ狐が害を齎す存在でないことに安堵し、神の使いとして崇めた。塔に供物を捧げ、祭礼を催した。

2014-04-14 15:14:01
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタ狐は、相変わらず無害な存在のままであった。

2014-04-14 15:14:37
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

【前回までのあらすじ】シモニタ狐、人里に棲む。

2014-04-16 14:20:44
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

【シモニタ神話・しもにたきつねのはなし】後編

2014-04-16 14:21:07
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

だがしかし、きつねを恐れる者たちはいた。ある一人の若者は、きつねを一度見て以来その不気味な外見から、あれはよくないもの、妖怪に違いないと考えていた。そして彼以外にもそう考える者たちがいた。彼らは集まり、あの狐をどうすべきか話し合った。

2014-04-16 14:21:23
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

あれはなんなのだ」「よくないものではないか」「今のところは何もしてこないようだが気味が悪い」「しかし本当に神の使いだったらどうするのだ、罰が当たるかもしれない」「なんにせよあれの正体を確かめなければならない」「どうやって」

2014-04-16 14:21:44
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

会議は紛糾した。誰も得体の知れない存在に積極的にかかわる勇気はなかったのだ。しかし、一人の若者は徐に立ち上がって敢然と言った。「自分があれの正体を暴いてみせる」と。彼は明朝、武装を整えてこっそりと発った。

2014-04-16 14:22:01
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

狐を崇める人々に邪魔されては困るからだ。彼は塔にたどり着き、その頂上を仰ぎ見た。塔の内部は頂上付近までは螺旋階段となっており、階段を上り終えればそこには神殿の部屋がある。狐はおそらくそこに居る筈であった。若者は塔に入り、階段を上りだした。

2014-04-16 14:22:22
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

螺旋階段をぐるぐると登るうちに彼の心に浮かんだ小さな疑念の泡達は、恐怖や勇気や功名心、その他諸々によって取り払われた。彼は只管、階段をぐるぐると上って行った。妙だった。塔には月に一度、祭司による儀式の後、巫女たちが清掃に入る。

2014-04-16 14:22:44
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

清掃が行われてから約一週間が経っている筈だったが、塔の内部には埃一つ、毛一本も落ちてはいなかった。流石に若者もうす寒いものを感じた。だが彼は引き返さなかった。彼はとうとう最上階である神殿の間に至った。

2014-04-16 14:22:58
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

狐はそこに居た。やってきた青年を凝視し、一声「こゃーん」と鳴いた。

2014-04-16 14:23:09
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

その後、若者がどうなったかは明らかでない。この記述は、若者の手記とこの地域の伝承に基づき書かれているが、伝承は時を経て様々な形態をとるようになり、結末どころか経緯すらも多様化してしまい初めに語られたのがどれであったのかはわからなくなってしまっている。

2014-04-16 14:23:39
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

また、若者の手記を一部引用するが、「皆はあれをお狐様などと呼んでいるが、自分はそうは思わなかった。必ずあれの正体を暴いて」このようにここで途切れてしまっている。途切れる前までの分は一体何時書かれたのかは不明である。

2014-04-16 14:23:55
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

塔から戻ってきた青年が書いたのかもしれないし出かける前に途中まで書いて、何らかの事情で中断したのかもしれない。何にせよ、彼は出かけた後人々の前に再び姿を現すことはなかったというのが多様化した伝承の中で共通していることであった。

2014-04-16 14:24:08
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

若者がどうなったのかが気になる方のために、伝承の中の説を幾つか紹介する。

2014-04-16 14:24:20
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

「若者は狐の正体を暴こうと襲い掛かったが、狐の不可思議な力で一瞬のうちに記憶(此処の部分は伝承によって異なる。感情、正気、乃至はこれ等の内何れかとする説もある)を奪われ、どこかへ行ってしまった」という説と、

2014-04-16 14:24:49
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