ネットカフェで2年半暮らす母親姉妹にチャンスと詰寄るNHKスペシャル女性たちの貧困のパラドクス

昨夜放送されたNHKスペシャル「調査報告 女性たちの貧困~"新たな連鎖"の衝撃~」。深刻な実態を告発したということでは意味があったと思いますが…
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国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:厚労省の文書に福祉は基本的に「自助」が当たり前で「自助」がどうしてもできない「本当に困っている人」のために福祉はあるのだと言うわけです。それで「本当に困っている人」が救われるのだったら、それはいいのではないかと国民は思ってしまうわけですが、これが要注意なのですね。

2014-04-28 14:46:40
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:「本当に困っている人」だけが助けられるということは、そういう人は「国家公認の貧困者」になるということを意味します。そうすると普通に生活して自分の尊厳を守りたいと思っている人は「国家公認の貧困者」というレッテルを貼られるのだけは嫌だということになる。

2014-04-28 14:50:55
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:「国家公認の貧困者」は避けたいと思うようになるのです。そうすると、「本当に困っている人」を助けるための福祉は、「本当に困っている人」が受けられなくなってしまうということです。これを「福祉のパラドクス」と呼んでいます。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 14:52:16
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:イギリスで新救貧法の時代に「福祉のパラドクス」の現象が広がり、福祉が役に立たなくなっていきました。福祉の効率化を狙って、「本当に困っている人」だけを助けようとしたのだけれど、プライドがある市民は受けなくなってしまったのです http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 14:53:45
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:だから福祉は、特定の対象者だけを救う「選別主義」ではなく「普遍主義」にする必要があるのです。「普遍主義」というのは、日本でいうと義務教育がそうですね。日本では義務教育は誰でも受けているから、義務教育を受けることに対してスティグマは感じないのです。

2014-04-28 14:54:36
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:国民という資格だけで誰でも必要な時に受けられる仕組みにしておかないとダメだというのが、本来の社会保障の発展方向です。こうした「普遍主義」が、1980年代半ばまでのヨーロッパの社会保障の発展方向でした。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 14:55:11
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:イギリスのNHS(国民保健サービス)や日本の義務教育のように、誰でも受けられるようにしようということが社会保障にとって最も大切なのです。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 14:55:43
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:「選別主義」になってしまうとスティグマが強化されていくわけです。その上、バッシングも広まってくると、ますます受けづらくなっていく。そうすると「本当に困っている人」がどんどん潜在化してしまって、ますます大変な問題が起きてくる http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 14:56:17
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:セーフティネットの最終ラインを支える生活保護を改悪していくということは年金にも影響が出るでしょうし、雇用保険などの所得保障にも大きな影響が出ます。連動する形で、低所得者援助制度(就学援助や生活福祉資金貸付制度)も含めて、幅広く所得保障に悪影響が及んでいきます。

2014-04-28 14:58:08
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:政府は社会保障全体への攻撃を生活保護から始めたということです。改悪する理由としてあげられているのが、生活保護に国の財政が3兆5千億円も使われているというものですが、イギリスなどと比べたら日本の方がはるかに低い財政負担です。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 15:00:37
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:国の財政規模に対してどれだけの割合が生活保護に使われているのかという国際比較をすると日本はどの国よりも低いのに、日本の中だけで財政負担の数字だけが取り上げられ攻撃されるというのは問題です。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 15:01:43
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:イギリスには低所得者向けの家賃補助制度があります。「ハウジング・ベネフィット」(住宅給付)と言いますが、これは1966年に「家賃割戻し制度」としてスタートしました。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 15:02:25
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:それまでは日本と同じように、生活保護受給者だけに住宅扶助を支給していました。それを止めて対象を広げたのです。なぜかというと被保護者に限定された住宅扶助では逆転現象を招いて保護を受けていない人の生活が悪くなって対立関係の温床になってしまうからです。

2014-04-28 15:03:32
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:現在はイギリス全世帯の2割がこのハウジング・ベネフィットを受けています。生活保護受給の場合には家賃の100%、それ以外の低所得者には家賃の8割から9割を地方自治体が支給しています。もちろん自治体に対しては国が補助しています http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 15:05:11
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:家賃の8割を1年間保障されると、月5万円だったとしても年間60万円になる。この制度はイギリスでは所得保障に分類されています。住宅保障という名目ではなくて、所得保障制度の中でやっているところがすばらしいですね。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 15:05:47
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:住宅問題と並んで教育問題は、日本の労働者にとっての2大問題(生活課題)です。日本では忘れられている社会保障の2分野と言えます。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 15:06:31
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:とくに高等教育費が問題で、日本では基本的には親の負担ですから、地方から東京の私立大学に下宿生活で子どもを通わせると、4年間で授業料や仕送りを含めて約1,000万円かかると言われています。この金額が全部、日本の労働者に生涯賃金として跳ね返ってくるわけですね。

2014-04-28 15:06:59
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:財界は日本の賃金は高いと言いますが、敢えて高くしてしまっているのです。こんなに高い教育費が親の負担になってしまっているのですから、その分賃金が高くなければ子どもを育てることも不可能になってしまいます。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 15:07:27
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:日本は住宅ローンの返済と高等教育費の負担が高過ぎるのです。子どもが2人いたら2千万円の負担になって生涯賃金に跳ね返ってくるのでその分賃金が高くないと日本人は他の国の労働者と同じような生活を送れないわけです。それを考えた上で財界人は「高賃金論」を言ってもらいたいものです

2014-04-28 15:09:12
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:高等教育費については、親の負担ではなく本人の負担で、奨学金という実際はローンに過ぎない負担を背負って大学に来ている学生がたくさんいます。その上、大学を卒業してもまともな正規雇用に就けず、奨学金を返済することも難しい状況に追い込まれている若者が多くいるのも大きな問題です

2014-04-28 15:09:57
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:子どもの貧困が広がる一方で、私立中学へのお受験ブームもあるなど、教育格差が大きく広がっていますね。教育機会の平等という価値観がなくなってきてしまっている面があります。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 15:10:49
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:人生を100メートル走に例えるとスタートラインを99メートルの地点から1メートルだけ走ればいい人と逆にスタートラインから50メートル下がって150メートル走らなければいけない人が出てきている。それで競争しろというわけです。こういうのは本当に不平等です。

2014-04-28 15:11:40
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:結果的には企業社会にも悪影響を与えると思います。なぜならば、能力のある人がたまたま貧しい家庭だったというだけで、その能力の発揮がつぶされるわけですから、それは大きな社会的損失になるわけです。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 15:13:16
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:経済的に恵まれて育ったために、本来の能力を発揮する気持ちさえなくした人が、社会生活の上で他人に迷惑をかけて過ごしていたら、非効率以外の何物でもありません。どこかの製紙会社の三代目社長のカジノ浪費106億円という、蕩尽生活が起きてしまうわけです。

2014-04-28 15:13:48
国公一般 @kokkoippan

唐鎌直義氏:J.K.ローリングさんは離婚母子家庭で、生活保護(イギリスの所得援助)をもらいながら毎日喫茶店に行って、いつも2階の窓側の決まった席で『ハリー・ポッターと賢者の石』を書き続けたわけです。 http://t.co/Kh7bMFPL7P

2014-04-28 15:14:39