日中戦争の中国側犠牲者2000万人は妥当か

あざらしじいさんアンチヘイト泥憲和 @ndoro4

ある所でこんな質問に出会った。「日中戦争の中国側死亡者2000万人という数字は過大ではないか、どんな根拠があるのか。」よくある疑問だ。「中国の被害発表が年々大きくなっていて信用できない」という説も、次のテンプレを伴って、時々見かける。

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中国は嘘つきだというテンプレはこれ「1946年、国民党の発表130万人　⇒　1950年、中国共産党の発表600万人　 ⇒　1960年、中国共産党の発表１千万人　⇒　1970年、中国共産党の発表1800万人⇒ 続く」 @ndoro4

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「⇒　1985年、中国共産党の発表2100万人　⇒1995年、中国共産党の発表 死傷者3500万人　⇒　1997年、中国共産党の発表 死者3500万人。 」 @ndoro4

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テンプレによって発表年や数字が少しずつ異なるが、まあどれも似たようなものだ。(例)http://t.co/WYiKRTnTDx これが事実なら、たしかにおかしな話だ。中国は日本を非難するために被害を誇張しているのだろうか。 @ndoro4

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初めてこのテンプレを示された時、その信ぴょう性を調べてミクシィに書いたことがある。ミクシィに登録していない人もいるので、「中国が被害者を水増ししている疑惑」について、改めてまとめておきたい。 @ndoro4 @ndoro4

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中国側の発表データについて、共産主義による民衆被害を研究しているハワイ大学のＲ．Ｊ．ルメル名誉教授が『中国流血の世紀(China's Bloody Century)』で詳細な分析を試みている。 http://t.co/E78Qvo0TXX @ndoro4

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★「１９４６年、国民党の発表が１３０万人」　結論：これは国民党軍参謀長が発表した数字で、国民党軍兵士だけの戦死者推計だ。中国全体の死者ではない。（次のツイに該当部分を引用する） @ndoro4

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「1937年7月から1945年8月までの戦死推計は全て相対的に近い範囲－死者131万人から220万人－に収まっている。132万人の死者数は明らかに国民党のものであり（22段a）、国民党軍の参謀総長によって1946年に公表されたものである。」 @ndoro4

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★「１９５０年、中国共産党の発表 ６００万人」結論：これは国民党軍に共産党軍の戦死者を加え、さらに戦病死者数を合わせたものだ。対象は兵士だけであり、民間人を含む被害者総数ではない。上位推計だけを合計すれば800万人だが共産党は中位推計を採用したようだ。 @ndoro4

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★「１９６０年、中国共産党の発表１０００万人」結論：これは民間義勇兵の戦死者を加えた数字だ。おそらく朝鮮戦争の義勇軍の功績を称えたのが契機となって、抗日戦争義勇兵の戦死者も功績として追加したのだ。（次のツイに該当部分を引用する） @ndoro4

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「中国人死者は346万7千人から1,691万4千人、おそらくは708万4千人となる。これらの数は戦争捕虜、民間人の爆撃や細菌戦死者その他の日本のジェノサイド、及び国民党による･･･ジェノサイドを除外していることに留意されたい。」中位推計よりもやや上位推計寄りだ。 @ndoro4

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★「１９７０年、中国共産党の発表 １８００万人」 結論：被害者の概念が拡張され、直接戦闘死以外の死者（爆撃被害・処刑・虐殺・人体実験など）も合算されたと思われるが、やや誇張もされているように見える。（次のツイに該当部分を引用する） @ndoro4

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「日本のジェノサイドは別に章を立てる必要があり、補論6.1の表6.Aで分析されている。 そこでは日本軍が157万8千人から632万5千人の中国人、おそらくは394万9千人であり、そのうち支配下の住民299万1千人を殺害したと計算されている。」 @ndoro4

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★「１９８５年、中国共産党の発表 ２１００万人」結論：さらに戦争被害の概念が拡張され、これまでの死者に加えて飢饉などで死亡した民間人も含めて戦争被害ととらえるようになった。（次のツイに該当部分を引用する） @ndoro4

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「おそらくは1,960万5千人の中国人が戦争、反乱、ジェノサイド、または飢饉で死亡した。」反共のルメル教授の下位推計によっても、こういう数字になる。民間人の間接被害も戦争被害であるという中国政府の被害概念は間違っていないだろうと思う。 @ndoro4

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★「１９９５年、中国共産党の発表 死傷者３５００万人 」結論：「死者」ではなく「死傷者」であることに注意。数的根拠がはっきりしなかったが、死者が約２０００万人なら、推定傷病者が１５００万人は少ないぐらいだ。死傷者３５００万人は、不自然とは言えない。 @ndoro4

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★「１９９７年、中国共産党の発表 死者３５００万人」結論：これはデマ。いくら調べても中国共産党の発表にこんなものはなかった。結局ネットに流されたものに過ぎないと判明。愛國網「变成了死于日军之手的三千万民众的坟墓」 http://t.co/nvebBJ6M2v @ndoro4

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まあ日本に南京事件虐殺数ゼロという大学教授がいるのと同じように、あちらにトンデモがいても不思議はない。しかしトンデモさんの勝手な主張のことを「中国共産党の発表」と書いたら、それはねつ造になる。 @ndoro4

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中国政府の認識が「死傷者」から「死者」に変化した形跡がないことは、1998年に江沢民が来日したときも「中国軍人市民３５００万人が死傷し」と演説していることで確かめられる。「江沢民が死者３５００万人と演説した」というのもデマだ。（次のツイに演説を引用する） @ndoro4

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早稲田大学における演説『歴史を鏡として、未来を切り開こう 』江沢民 1998.11.28 「中国は軍民三千五百万人が死傷し、六千億ドル以上の経済的損失を蒙りました。」 http://t.co/M7NN2yAqRJ @ndoro4

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以上のとおり、中国側の発表数字にはそれなりの根拠があったわけで、わけもなくコロコロと言うことが変わっているのではなかった。また中国政府のことだから考え得る最大の数字を意図的に選択しているだろうと疑ったが、そういうこともなかった。 @ndoro4

あざらしじいさんアンチヘイト泥憲和 @ndoro4

中国政府の発表数には、国共内戦の死者とか、黄河決壊の死者なども広義の被害者としてぶっこみで入れてあるんだろうと思っていた。だがルメル教授はそういうものは入っていないと書いている。これには、お、中国共産党、わりに公正じゃんと、かなり驚いた。 @ndoro4

あざらしじいさんアンチヘイト泥憲和 @ndoro4

ルメル教授は中国共産党による民衆虐殺を研究している学者だ。時期的にたまたま日本軍による被害というのも視野に入ってきただけで、これが研究主題ではない。だから誇張する理由はどこにもない。まして共産党を弁護することなど有り得ない。被害数字は客観的なものだといえる。 @ndoro4

あざらしじいさんアンチヘイト泥憲和 @ndoro4

見かけの被害者数が増えていった経緯は①国民党政権が、国民党軍の戦死者数だけを発表。②共産党が政権を取り、共産党軍の戦死者を加えた。③抗日戦争義勇軍の戦死者を加えた。④戦争の捉え方が「功績」から「被害」に移り、民衆被害が視野に入ってきた。こういうことだろう。@ndoro4

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異なるカテゴリーの数字を合計していったから数字が変化しただけであって、捏造ではない。テンプレをコピペしている人々は「戦死者数の水増し」という誤情報を信じているのだろう。しかし最初に誤情報を流した奴は意図的に資料性格を隠してデマを流布している。許せない行為だ。 @ndoro4