茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1222回「永久、追放!」

脳科学者・茂木健一郎さんの5月1日の連続ツイート。 今朝は、このところのニュースで、ふと思ったこと!
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1222回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。今朝は、このところのニュースで、ふと思ったこと!

2014-05-01 06:35:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

えつ(1)人間の認知でいちばん難しいのは、「空白」の価値を見いだすことだろう。たとえば、ぎっちり詰まっている本棚は、実は機能的でない。少し隙間があることが大切である。なぜなら、そこにどんな本が入るのだろう、という想像力をかきたてるから。

2014-05-01 06:36:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

えつ(2)人生においても、「空白」をうまくつくることが大切である。さまざまなことが「目白押し」で、ギュウギュウ詰まっているような人生は、充実しているようでいて、ちょっと融通が利いていない。むしろ、隙間があって、ちょっと物寂しいようなくらいで、ちょうどいいと思う。何か入るから。

2014-05-01 06:37:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

えつ(3)話は変わる。スポーツ界は、さわやかだな、と思う出来事があった。アメリカのNBAのチームのオーナーが、人種的な差別の発言をした。ここまでは、どこの国でもあることだ。そうしたら、NBAの理事会が、そのオーナーを、「永久追放」にしてしまったのだ。カッケー!

2014-05-01 06:38:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

えつ(4)「NBAが追求している普遍的な価値から見て、このような発言は許容されない」などという理由で、その人種差別オーナーは、今後、一切NBAの活動に関われない、ということになったのだ。このような迅速な決断は、実にさわやかでインスパイアリングでありますね、パチパチ。

2014-05-01 06:39:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

えつ(5)だいたい、差別というのは、やる側がおろかなので、コメディでも、差別者が描かれる時は、その人の振る舞いのおろかさが笑いの対象になる。サッカーの試合場にバナナを投げ込んだのを、食べちゃった選手がいるようだが、お前の肌は黒い、とバナナを投げるやつの方がバカだ。

2014-05-01 06:40:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

えつ(6)さて、この「永久追放」という手法を、ぜひ、政治の世界でもやったらどうか、と思うのである。特定の人種、特定の国籍の人たちに対して差別的な発言をした政治家は、NBAのように「永久追放!」しちまったらどうか。その方がせいせいする。さらには、もう一ついいことがある。

2014-05-01 06:42:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

えつ(7)それは、「政治」に「空白」が出来ることである。人々が政治に嫌気する理由の一つが、いつまで経っても同じ顔ぶれで、当選何回とかやっている。青年会議所だって40歳定年で回しているのに、政治家の場合椅子にしがみついている方が偉い、みたいな雰囲気になっている。

2014-05-01 06:43:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

えつ(8)政治の世界に、現代の普遍的価値に反するようなことを発言した人は、永久追放! みたいな制度があれば、隙間ができるし、人も動くし、大いに結構なことだと私は思うのだが、もちろんそんなことは実現しないだろう。だから、これは一つのファンタジーです。

2014-05-01 06:44:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

えつ(9)ツイッターでも、韓国人はどうだとか、中国人はどうだとか、ステレオタイプむき出しの偏見をまき散らす愚か者がまだいるが、こういうのも本当は「永久追放」しちゃった方が、ツイッターすっきりすると思う。ツイッターはNBAではなく、言論の自由があるから、そうは行かないけどね。

2014-05-01 06:45:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1222回「永久、追放!」でした。

2014-05-01 06:46:04