ICRPの社会的課題:放射線防護と連動するもの

ICRP(国際放射線防護委員会)の社会的課題について。 特にICRP勧告のPublication 111 (ICRP-111) 「原子力事故または放射線緊急事態後の長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用」http://www.jrias.or.jp/books/cat/sub1-01/101-14.html という文書について、「放射線防護と連動するもの」という視点で考えてみました。最後に、日本ではどのような法整備が必要か、その提案の素描について書きました。
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP(国際放射線防護委員会)が主催して2011年秋いらい年3回のペースでやってきたダイアログセミナー。次回は第8回目、場所は福島県南相馬市。http://t.co/KVGiaaqLzE 前回は、いわき市。私はその頃、主催(共催)した情報系国際会議の開催直前で出られず残念なり。

2014-05-02 23:44:08
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111「事故後の状況は複雑で,放射線防護も日常生活のあらゆる側面…現存被曝状況下での防護戦略について,その正当化と最適化,国と地域当局が果たすべき責任を検討。…行政・専門家・被災した住民・一般市民などがどのように関われば有効で復興につながる防護を実現できるのかを考え」

2014-05-03 00:04:57
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111には、被災後の復興過程で必要最低限のことが書いてあると思うが、必要なことはまだ他にもある。それが無いのが残念。「放射線モニタリング,健康サーベイランス,汚染された食品や他の物品の管理について具体的に説明」というが、それは必要だけれど、まったく、十分ではないわけだ。

2014-05-03 00:11:35
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111は、出版バージョンのPDFファイルが、オンラインで読める。http://t.co/MFNBnDCC7Q 改めて見てみると何が足りないのか、分かる気がする。放射線防護に関する勧告だが「環境、健康、経済、社会、心理学、文化、倫理、政治」…あらゆる側面に言及するのだが。

2014-05-03 00:17:18
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111の次の勧告には、何をどのように盛り込むべきか、いろいろと考えなければいけないと思う。111自身が述べるように、「あらゆる側面を取り上げることなしに管理することは出来ないという事故後の状況の複雑さについても認識している」としながら、実際には隔靴掻痒の印象を免れない。

2014-05-03 00:20:28
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111について。例えば急性放射線障害(確定影響)でなくなった人は一人もいないが、2012年9月30日段階で災害関連死2303人(福島県だけで約半数)という悲しい数字は何を意味するのか。あるいは、避難解除後に若い人が戻らない、戻っても職がない、という事態は何を意味するか。

2014-05-03 01:07:21
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111について。問題とすべきは、個別の問題より、基本的な問題、実は憲法問題、基本的人権の問題である。放射線・放射能の問題は、防護だけの問題を完全に超えていて、ここまでの社会的射程を人間に自覚させることが明白になった現在、それをICRP勧告にどう取り込むかを問題とすべき。

2014-05-03 01:20:51
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111について。もちろん、例えば県外に避難した場合、現地で何らかの生業に就いて(そういう人が大部分だと思う)、戻ったら職がないという声をどう考えるのか。除染作業だったら仕事があるよと例えば女性が言われたとしても、これは個人の選択の問題で、この自由は憲法で保障されている。

2014-05-03 08:49:24
Naoyo Mori @Naoyo_Mori

お金がもっと欲しいならもっと働けば良いだけ。

2014-05-03 09:00:59
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

@y_mizuno 短期契約や臨時雇用ばかりで、安定した正社員の口を見つけることが難しい現状があります。福島県に限ったことではないのですが、これでは若い人が将来設計を描いて腰を落ち着けることができません。

2014-05-03 09:04:10
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

@aizujin_k そうなのです。私ごときが考えるのは、本当におこがましく不遜なことでごめんなさい。でも放置できないし、先日、京都への避難者にお会いして、何が問題なのかいろいろ伺ううちに、これは基本的人権の問題(職業選択の自由の問題)なのではないかと思い始めています。

2014-05-03 09:09:09
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

@y_mizuno 先生に言及していただいて有難いと思っています。行政も何とか支援しようとするのですが、弥縫策に終始し短期の雇用促進が精一杯という焼け石に水です。新しい産業の創出とか企業誘致が必要となるでしょうから難問には違いないのですが。

2014-05-03 09:17:44
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

はい、正社員の場合だと当人に渡るおよそ倍の金額を企業が負担することになるのではないでしょうか。@Naoyo_Mori 人を雇うのはとても大変です。本当に大変です。@y_mizuno

2014-05-03 09:52:31
Flying Zebra @f_zebra

@aizujin_k @Naoyo_Mori @y_mizuno 退職金の引き当てまで入れるとざっと3倍が一般的なところかと。

2014-05-03 10:10:59
Naoyo Mori @Naoyo_Mori

@aizujin_k 倍では足りません。オフィスの場所や環境、福利厚生のレベルによりますが4倍くらいの負担です。これに産休や育児休暇、介護休暇なども必要でしょう。

2014-05-03 10:12:25
Naoyo Mori @Naoyo_Mori

@f_zebra @aizujin_k @y_mizuno そうですか。以前日本で勤務していた頃新人教育で4倍といわれたのですが、大手だったからでしょう。

2014-05-03 10:19:20
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

@f_zebra @Naoyo_Mori @y_mizuno 確かに退職金引当金をいれるともう少し上がるかもしれませんが、地方の中小零細だと4倍とかは無理です。其の分福利厚生などは手薄いということですが。

2014-05-03 10:49:57
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

@aizujin_k @f_zebra @Naoyo_Mori でもその分、地元であることで得られるメリットもあり(釈迦に説法)、短期的にも長期的にも何とか手当では測れないメリットをどう考えるか。今時の学生は、内定をもらえても全国転勤のある総合職を嫌う傾向が出て来ているようです。

2014-05-03 11:06:58
Naoyo Mori @Naoyo_Mori

@y_mizuno @aizujin_k @f_zebra 地元を離れないというのもよいと思います。子供も故郷が持てます。60年代に生まれた私の世代には故郷を持たない人が多いと思います。

2014-05-03 11:45:15
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111について。憲法に保障されている基本的人権の一つに、職業選択の自由、がある。今の場合、例えば除染完了宣言をした川内村や田村市、楢葉町などの場合、戻って生活できるか。以前と同じではない事は想定内として。「職業選択の自由」が保障されないとは?どこまでなら許容できるのか。

2014-05-03 09:05:25
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111について。除染後の生活再建まで、放射線防護の課題に(その社会的課題の一つに)入れるべきではないか。現状ではどうなっているかというと、損害賠償は請求すれば保障される(原子力損害賠償法)。しかし、いや誰でも考えれば分かると思うが、お金をもらえればそれでいい、ではない。

2014-05-03 09:19:17
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111について。1960年代に原賠法を作った時、想定できなかった事態(例えば除染後に現地で起こる事態)が現実に起こっている。これをどう理解し、総括し、何が問題で、解決にはどういう法的保障を考えるべきか。そのために、どういう風にICRP-111を改訂(次に勧告)すべきか。

2014-05-03 09:28:34
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111について。除染の進行状況について。例えば田村市の場合は完了。http://t.co/IQpPoCE2FO 他にも、川内村も完了といってよい(下川内と上川内が完了。他地区はもともと調査地区だった。) 楢葉町も完了(宅地、農地、道路、森林まで100%)となっている。

2014-05-03 09:41:28
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

ICRP-111について。事故災害で損害を与えたのだから、それを補償することは当然(原賠法)。それで生活を再建できなくても、損害賠償しか方法がないのが現状。それが問題。必要だが十分でない。何が他に必要か。放射線災害の特徴がよく分かった。そして地方行政措置も限界。他方で基本的人権。

2014-05-03 09:48:10