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2014年5月9日

シモニタ神話・しもにたちんあなごのはなし

シモニタを覗くならば、シモニタも等しく貴方を見返す......シモニタ神話学の第一人者・シモニタキャンディチャン飴屋女史の語る、シモニタせいぶつの神話。
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シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

【シモニタ神話・しもにたちんあなごのはなし】

2014-05-07 15:45:26
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

ある時造物主シモニタ博士は、アナゴの一種(チンアナゴと呼ばれているようだ)とその他諸々をしゅじゅちゅし、シモニタチンアナゴを生み出した。シモニタチンアナゴはシモニタの森の中にある、シモニタ湖の底にいくつもの穴を掘り、その中に棲んでいた。

2014-05-07 15:46:07
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタチンアナゴはしゅじゅちゅの結果、淡水でも海水でも、陸上でも生きられる適応能力を手に入れていたのだ。(シモニタせいぶつはこのように、しゅじゅちゅ前と後では適応能力等が格段に違うのである。)

2014-05-07 15:46:12
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタチンアナゴはある時、少し遠出するつもりでシモニタの森を出て、近くの川に入り、川を下って海へと泳いでいった。川には川の、海には海の多様な生き物がいる。シモニタチンアナゴはそれらを見るのが好きであった。

2014-05-07 15:46:28
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタチンアナゴは、海底をするすると滑るように泳いでいった。シモニタチンアナゴを仲間と勘違いしたらしい海蛇が時々ちょっかいをかけてきた。

2014-05-07 15:46:51
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタチンアナゴは泳いでいく内に、海底に鎮座する、海藻に殆ど覆われた巨大な沈没船のようなものを見つけた。形状からすると潜水艦であるかもしれない。

2014-05-07 15:47:08
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

こういうものを見つけるのは珍しく、好奇心を刺激されたシモニタチンアナゴは、船体にぽっかり空いた大穴を見つけると中に入っていった。中には魚たちが巣を作ったり、海藻が壁を覆っていたりした。

2014-05-07 15:47:29
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

嘗て人が乗り、動かしていた海中の空間であったものは完全に自然と一体化したかのような佇まいであった。シモニタチンアナゴがそろそろ出ようと思っていたその時。妙なものが見えた。

2014-05-07 15:48:03
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

前編は取り敢えずここまで。後半は一つ二つ三つでまたこんど!

2014-05-07 15:48:29
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

【シモニタ神話・しもにたちんあなごのはなし】後編

2014-05-09 21:13:03
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

海底に、ましてや沈没船の中に居る筈もない人間のようなシルエットである。シモニタチンアナゴは、シモニタせいぶつだとは感じなかった(シモニタせいぶつ同士は、お互いがシモニタせいぶつだとわかるものだ)。

2014-05-09 21:13:10
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタチンアナゴはその妙な人影の様子を窺った。その人影は、やはり人間のようであった。体表は藻に覆われて緑色になっており、妙にゆったり動くその姿はファンタジーに登場する海の怪物のようであった。

2014-05-09 21:13:28
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

モニタチンアナゴはその奇妙なクラーケンもどきに近づいたが、そのクラーケンもどきはうろうろと沈没船の中を徘徊するばかりだった。シモニタチンアナゴは呼びかけてみた。するとそのクラーケンは反応した。

2014-05-09 21:13:40
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタチンアナゴは、クラーケンの漠然とした意志を感知した。テレパシー能力のようなものを備えているのだろうか、クラーケンはシモニタチンアナゴに今呼んだのは君かというような意思を示した。

2014-05-09 21:13:57
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタチンアナゴは、君は誰かと聞いた。クラーケンは、自分は人間だと答えた。シモニタチンアナゴは驚いた。このクラーケンは人間だったのだ。シモニタチンアナゴは、なぜ海底に居るのか尋ねた。

2014-05-09 21:14:13
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

クラーケンは、自分はかつて兵士だったと答えた。そして、ここに至る経緯を語った。彼はある国の学生であった。しかしある時、彼の国は他国と戦争を始めた。人々の願いに反し、それは長きにわたる激しい戦争となった。学生であった彼も、兵役に就くことを余儀なくされた。

2014-05-09 21:14:44
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

彼は海軍に配属され、ある日潜水艦に乗っていた。だが彼の乗っていた潜水艦は敵艦の魚雷によって大破し、爆音を聞いた彼は死を覚悟した。だが、そこで妙な事が起こった。彼は死ななかったのだ。

2014-05-09 21:14:59
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

なぜそうなったのかは全く分からないが、とにかく彼は、彼だけが生き延びたのだ。人が生きられるはずもない海底で。極限状態で生き延びるべく、彼の体が急激な定向進化を遂げたのかもしれない。しかし彼は、海底から陸へと上がることができなくなった。

2014-05-09 21:15:16
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

海底の水圧に適応している彼は泳ぐことはできるものの、あまり上には行けないのだ。帰ることができない。家族はどうしているだろう。こうなってから何年たったのだろう。戦争はどうなったのだろう。

2014-05-09 21:15:38
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

帰ることができない。生きているというのに。辛いことだが、死ぬこともできなかったと。

2014-05-09 21:15:53
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタチンアナゴは、彼を不憫に思った。何とか陸上に帰れるようにしてやりたいと思った。そして、一つ案を思いついた。シモニタチンアナゴは、また明日来る旨告げて、海から川へ泳ぎ、川を遡りシモニタの森へと帰った。そして知り合いのシモニタせいぶつを探した。

2014-05-09 21:16:07
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

次の日。シモニタチンアナゴは再び、クラーケンと出会った沈没船へとやってきた。クラーケンはそこに居た。シモニタチンアナゴは、銜えていた袋を渡した。袋の中に入っていたものは、なんだか人間の眼球に似たものであった。

2014-05-09 21:16:18
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタチンアナゴは、クラーケンにそれは半シモニタ化する飴であり、半シモニタ化すればしゅじゅちゅする程ではないものの適応能力等が上がるので陸上に上がることができるようになる筈であるから、それを食べるように言った。彼はそれを食べた。

2014-05-09 21:16:31
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

彼はすぐに半シモニタ化した。そしてシモニタチンアナゴと共に、浜を目指した。果たして彼は、陸上に上がることができるようになったのである。彼が陸上に上がると、体を覆っていた藻たちがぱらぱらとはがれて落ちた。

2014-05-09 21:16:41
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

彼は再び人間に戻ることができたのだ。シモニタチンアナゴは、半シモニタ化する程度なら外見にさしたる変化はないから人間社会で暮らすことも可能だろうと言った。

2014-05-09 21:16:58
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