「暑い…」 雪の季節が過ぎ、芽吹きの季節を迎えたグリの街ですが…今日は特に気温が高く、まるで一足飛びに夏がやってきたようです。 特に羽は熱が篭もりやすく、私の汗を吸った羽は、ずっしりとした重みを感じさせます。 #灰羽連盟
2014-05-04 17:17:25試しにパタパタと動かしてみても一向に涼しくならず、私は机に突っ伏してしまいました。 何時間ぐらいそうしていたのでしょうか。背中に涼やかな心地良さを感じて、私は振り返ります。 #灰羽連盟
2014-05-04 17:18:48「悪い、起こしちゃったかな」 そこには冷たい水を含ませたブラシで、私の羽を梳いているレキがいました。 「今日は特に暑かったからさ。ラッカも暑さで参ってるんじゃないかと思ってね。」 そう言いながら微笑むレキ。 #灰羽連盟
2014-05-04 17:20:32その手は、未だに私の羽を優しく梳き続けていて。 そんなレキの姿が、私は嬉しくて仕方なくて。 思わず私は、勢いよく羽を動かしてしまいます。 「わっ!ラッカ!何するんだよ!」 いきなり浴びせられた水しぶきに、レキが抗議の声を上げます。 #灰羽連盟
2014-05-04 17:21:15「油断してるレキが悪いんだよ~」 咄嗟にそう口にした私に対して、レキはお返しとばかりに、水をたっぷりと含ませたブラシを振り回します。 どれだけの時間、やり合っていたのか。すっかり濡れてしまった私達は、どちらからともなく声を上げて笑い出しました。 #灰羽連盟
2014-05-04 17:22:07「ちょっと、床がビチャビチャじゃない!ちゃんと綺麗にしなさいよ!」 その後、ネムに見付かった私達は、二人で床掃除をすることになるのですが…そのお話は、また次の機会にしようと思います。 #灰羽連盟
2014-05-04 17:22:54他国への移動を禁じられた、壁に覆われた街。 交易、国際交流を独占する、話師という階級。 一般貨幣の使用を禁じられ、「中古品のみ」として売買の権利を制限される、灰羽という階級。
2014-05-05 13:47:43前述した内容で捉えると、グリの街とは閉鎖的な国家であり、カースト制度に支配された社会として考えられる。 更に言えば、こうした異常な制度に対して誰もが疑問を感じず、甘受し、あまつさえ感謝をしているという点では、こうした思想は「当然の事」として国民に根付いてるんですよね。
2014-05-05 13:58:39まぁ、これはあくまでも『暗い世界』として捉えた場合であり、私自身が「これは無い」とこうして呟きながら嘲笑しているわけですが。 しかし、時には違った視点から捉えてみる事も、その物語の世界観を考える上では大切なことですからね。
2014-05-05 14:03:39