茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第1232回「つまらん話なんだから、いばるなよ国家クン！」

茂木健一郎 @kenichiromogi

続ツイート第１２３２回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、このところのニュースを見ながら思っていたこと。

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つい（１）昨日、ある方と話していた。その方は、ベトナムに行ってきたのだという。片言のベトナム語で、友だちをつくるという「無茶ぶり」を目指して、実際に何人か友だちになってきたのだという。その方が、ベトナムの人たちは大したものだ、勤勉で、粘り強いと感心している。

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つい（２）そう言えば、ベトナムって、アメリカと戦争して勝った、唯一の国じゃないか、と言って、私たちは笑った。これは、大変なことである。Malcolm Gladwellの最近の著書David and Goliathにも、そのことが書いてあったけれども。ベトナムなめちゃいけない。

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つい（３）さて、南シナ海で、中国の船とベトナムの船が衝突して、問題になっている。中国側が海底資源の採掘を始めた、というのでベトナム側が反発している。中国が、南シナ海で「ここまでは私たちのものだよん！」と主張しているラインを見ると、かなりずうずうしいと言うか、笑える。

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つい（４）世界第二の経済大国（今年中にアメリカを抜くという予測も、最近出ていた）、１０億を超える人口、まあ、中国が大国であるということは誰もが認めるけれども、それにしても、権利の主張において、もう少し抑制的というか、品位があってもいいのではないかと個人的には思う。

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つい（５）「国家」はカルト的「宗教」と同じで、２１世紀には、いや２３世紀頃には徐々に消えていくべき「毒」だと私は考えている。「国家」という名の下に、愛国心を強要したり、他国人を殺害したりと言った野蛮な行為は、徐々に許容されなくなっていくことだろう。

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つい（６）そもそも、「国家クン」が主張することは、しばしばトリヴィアな（つまらない）ことだ。「その島はオレのものだ」と国家クンが言う。「そこの海はオレが支配している」と国家クンが言う。ヴィトゲンシュタインの命題に比べたら、なんとつまらん、単純バカの主張であることか。

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つい（７）主権（sovereignty）とか偉そうなことを「国家クン」は言うが、つまりはローレンツが研究した動物の攻撃性（aggression）、なわばり争いに他ならない。ここはオレのものだから、お前くるな、しっしっしっと、ハエもオオカミも、魚もやっている。国家クンも同じこと。

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つい（８）だから、あんなに大きな領域を「中国のものだ」と主張して、南シナ海の隣人たち、ベトナム、フィリピン、マレーシアなどをあきれさせている中国という「国家クン」は、もう少し、自らの行為のつまらなさに自覚的であってほしいと思う。こっち来るなと鼻息立てているイノシシと同じレベルだ。

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つい（９）動物には、攻撃性がつきものだが、それを理性で抑え、緩和してきたのが人間の歴史。「国家」という名の下に、馬鹿な者、粗野な者がいばる構図は、もういいかげんにしてほしいと理性ある人たちは思っている。争いがあったら、共同開発して、利益を分ければいいんじゃないですか、国家クン。

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以上、連続ツイート第１２３２回「つまらん話なんだから、いばるなよ国家クン！」でした。