- daily_nishi
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子規の俳句は取り合わせが絶妙だと思います。取り合わせとは何ぞや……取り合わせとは言葉と言葉の化学反応です!(何)
2014-05-11 01:41:34具体的に説明すると、芭蕉の句で「古池や蛙飛び込む水の音」っちゅう句がありますね。で、ですよ、これは取合せの句なんですよ。取合せは句の中に2つの主題?(メインとなる何か)がある句です。
2014-05-11 01:46:18古池や~で言うと、古池と水の音ですかね。古池は、「や」で切れています。切れってのは要するに「。」です。文章が「。」で結ばれるんと同じく、句にも「。」こと、切れがあります。
2014-05-11 01:48:37で、古池や~の「や」とは何ぞや……切れ字と言いますが、説明すんの難しいんで「!」的な感じに思って欲しいです。ま、何にせよ、一旦は「古池」で言葉は結ばれてしまってんですね。起承転結の結です。
2014-05-11 01:50:50古池やで切れてしまった句なのですが、んの後に「蛙飛び込む水の音」が加わります。で、想像してみましょう。まずは、古池!何か静かじゃないですか?古池、山とかにありそうな気がしませんか?
2014-05-11 01:53:35古池で切るんによって(+切れ字の力)、古池のイメージが強くなるんですよね。で、蛙飛び込む水の音です。静かな池に蛙が飛び込むのが想像されましたよね。しかも、蛙は小さいですよね、少なくともガマガエルサイズの蛙は登場しませんでしたよね?(笑)
2014-05-11 01:56:36で、考えてみましょう。もし、古池や~が、「古池に蛙飛び込む水の音」だった場合、古池やに比べて、古池のイメージが流れがちになったと思いませんか?
2014-05-11 01:58:25古池や~だと、古池と蛙飛び込む水の音との主張性は同じやと思うのですが、古池に~だと、蛙飛び込む水の音、の主張性が強くなったと思いませんか?これは何故なのでしょうか?
2014-05-11 01:59:54それは、句の切れを消したからです。古池やでの結びを消して、助詞を挿入したからです。これによって、古池と蛙飛び込む水の音との関係性が明確になったんですよ。「あ、古池に蛙が飛び込んだんやな、で、水の音がしたんや」的な感じがしますよね。最終的に古池は水音を修飾する感じになりますね。
2014-05-11 02:02:34じゃ、切れがあると何が違うのか。古池にだと、古池と蛙飛び込む水の音との関連性は明らかですよね。古池は蛙が飛び込む音がした場所ですよね。ですが、古池や~の場合は違います。古池と蛙飛び込む水の音との関連性は明らかではないんですよ。
2014-05-11 02:05:07古池で言葉を結んどりますから、正直、古池は水の音と直接的な関係性はありません。古池は古池、水の音は水の音です。ですが、古池と水の音に直接的な関連性がなくとも、イメージが伝わりますよね。
2014-05-11 02:07:36取合せとは2つの主題の化学反応と言いました。つまりは、古池や~は「古池」と「水音」が化学反応をしとるんですよ。例えば、食卓に「ご飯」と「味噌汁」があったら「美味しそう」と思うでしょう?「おいしそう」が「ご飯」と「味噌汁」のイメージが化学反応した結果です。
2014-05-11 02:11:49「古池」と「水音」が相まって、何だか雄大な感じがしませんか?少なくとも、古池に~よりはすると思います。それが俳句のミソなんですよね。取合せによる化学反応が俳句の∞性やと言っても過言ではない筈です。
2014-05-11 02:15:00私が好きな子規の句は「長き夜や孔明死する三国志」なんですけれども、絶妙なんですよ、広がってんですよね!世界がね!「春や昔十五万石の城下町」とかも好きです。
2014-05-11 02:21:18長き夜は季語なんですけれども、秋になって夜が長くなったな感を表す季語です。三国志は三国志ですよ。長くなった夜に読書しとんですわ、子規がね。長き夜の季語の力と切れの力で、子規が読んどる本が長い夜の間に読み進んだ感がありません?それと、三国志も夜もまだまだ続く感。
2014-05-11 02:25:36例えば、長き夜が、短夜(夏の季語)だったら!何だか、夢中で本を読んでしまって気づいたら、え、んな時間やんか!的な感じがしませんか?長き夜に比べてずっとのったり感?がないのが伝わりますよね。これが俳句の取合せの醍醐味です。選ぶ言葉や切る言葉で空気感が変わるのです。
2014-05-11 02:29:21で、子規は取合せの言葉を選ぶのが絶妙なんですよ。三国志は長い長い物語でしょう?季節は違いますが、短夜に読める物語やないでしょう?だから、長き夜でないと三国志の物語自体の壮大さも伝わらないのです。
2014-05-11 02:32:15春や~も同じです。春と昔十五万石の城下町が化学反応して、子規が見たであろう桜が満開(的なイメージ)の城下町に、昔の十五万石もある城下町がダブって見えませんか?私は見えました!他の人は見えなかったかもしれませんが私は見えました!(涙)
2014-05-11 02:35:36次回から取合せの説明はご飯とみそ汁で表現します。取合せが微妙なんはパンとみそ汁で表現します。
2014-05-11 02:41:08