茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1233回「授業は進化して、雑談になる」
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じざ(1)このところ、ニュースでウクライナという文字を見ることが多くなった。それで思い出すのが、中学校の時に、教頭先生をしていた、中村先生のこと。中村先生は、えらくなっていたから、授業をすることは普段はなかったのだけど、時々、「臨時授業」をして、それがめっぽう面白かった。
2014-05-12 07:22:18じざ(2)中村先生の担当は社会だったが、授業にいらしても、教科書の話なんて一切しない。いつも面白いクイズを出してくださった。漢字を書いて、「これはなんと読むのか?」と問うのだ。そのうちの一つが、「浮直球」。さて、これは、どこの地名でしょう? 答えが、「ウクライナ」だった。
2014-05-12 07:23:50じざ(3)つまり、野球で、直球で飛ぶ打球をライナーと言うわけですな。そんなひねりがあった中村先生の問題。あと覚えているのは、「入浴指導者」というもので、これの答えは「フロリダ」だった。解説しなくても、わかりますよね。とにかく、そんなクイズ授業が楽しくて仕方がなかった。
2014-05-12 07:25:02じざ(4)授業で思い出すのは、雑談ばかりという気がする。同じく中学校の時の英語のティーチャーは、ビートルズ好きで、その楽曲ばかり歌わせて(歌って)、夏休みインドに行って、「女の人がきれいだった」と言って、その後突然学校をやめて、旅行会社に転職してしまった。
2014-05-12 07:29:44じざ(5)私の親友の大学の授業に潜った時も、雑談で言っていた、「一人の学生が不正をしたからといって大学全体の電子メールアドレスを停止するのは、横浜で投函された郵便物が犯罪に使われたからといって、横浜の住所を廃止するのと同じくらいナンセンスだ!」という叫びが面白かった。
2014-05-12 07:31:27じざ(6)先日、東進ハイスクールの林修さんに番組収録でお目にかかっていた時も、授業中の雑談を大切にしているとおっしゃっていた。雑談力がすぐれている教師は、生徒の印象に残る。実際、雑談を楽しみに授業に出ていた、という人は世の中に多いのではないだろうか。
2014-05-12 07:33:07じざ(7)さて、話は変わるが、数学者チューリングが提案したチューリングマシンに基づくコンピュータは進化し、チェスでもクイズでも人間を破るようにあったが、雑談力(チューリング・テスト)だけは、人間に未だにかなわない。つまり、雑談力は、人間の知性の本質なのである!
2014-05-12 07:34:49じざ(8)さらに言えば、これからの時代、数学でも英語でも、教科内容自体は、MOOCでも何でも、自分で学習できるようになる。だから、教師の唯一の、そして神聖にして侵さざるべき職能は、実に、雑談することになる、という未来図を描いても、それほど突飛ではあるまい、ねえ諸君!
2014-05-12 07:36:04じざ(9)というわけであるから、大学の授業も、最近はシラバスとか盛んだが、ぜひ、そのシラバスに、「教科時々雑談」みたいな、雑談天気予報を書くようにしたい。雑談は、夏の夕暮れの雷雨のように、突然やってくる。世の教師たちよ、雑談の慈雨を降らせて、生徒たちを歓喜せしめよ!
2014-05-12 07:37:48