美味しんぼ問題が全くナンセンスである医学的理由

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cladegifan @cladegifan

例の美味しんぼ問題ですが、完全に論点がズレてしまっている様に感じます。専門家の対応も含め実に程度が低いというか下らない。これは、擁護派だけでなく反対派も含めてです。以下、その理由と行うべき対応について連続ツイートします。題は、美味しんぼ問題がナンセンスである医学的理由 よろしく

2014-05-14 18:24:14
cladegifan @cladegifan

ガリレオではありませんが、物事には必ず原因があります。病気の場合は、よく機序という言葉を使いますね。同じ鼻血という結果であっても、通常の鼻血と放射線障害では全く機序が違います。まず、それを理解して下さい。では、通常の鼻血はどの様にして起こるのでしょうか?

2014-05-14 18:26:27
cladegifan @cladegifan

鼻の穴に指を突っ込んで下さい。2つの穴の真ん中に固い軟骨みたいな物がありますね。これを鼻中隔と言います。これが、2つの穴に分けているわけです。その上に被さる粘膜内に血管が集中しています。微細な毛細血管の塊があります。

2014-05-14 18:30:47
cladegifan @cladegifan

ここを、キーゼルバッハ部位( - ぶい。Kiesselbach's area)と言います(僕達は、キーゼルバッハ静脈叢と習いましたが、Wikiに従います)。板の上に静脈の塊が裸で乗っている様な状態ですので、非常に出血し易く、いわゆる鼻血の90%以上がここを出血源としています。

2014-05-14 18:39:04
cladegifan @cladegifan

多くの場合、傷ついた原因は不明で、言い換えればさしたる原因無く出血を起こすということです。これは、ある程度異常の年齢の方であれば経験上納得していただけるのではないかと思います。鼻血の大部分は、意外と出口に近い所で起こっているのです。

2014-05-14 18:42:28
cladegifan @cladegifan

鼻血への対処方法の誤解も問題です。鼻にティッシュを詰める、仰向けになる、後頭部を叩く等々研修医でもやっていたりするので、一般の方を笑えないのですが。全部「絶対にやってはいけません!」。「機序」を考えれば、対応は至ってロジカルに導き出すことが出来ます。

2014-05-14 18:45:27
cladegifan @cladegifan

要は、出血部位を圧迫止血すれば良いのです。つまり、両尾翼を指でつまみ鼻中隔を2~3分圧迫してやれば止まります。鼻にティッシュを詰めることは多くの方がやっていると思うのですが、圧迫しているわけではないので、止血が不完全です。また、ティッシュその物が異物ですので出血の原因になります。

2014-05-14 18:49:23
cladegifan @cladegifan

最悪、付着した菌で感染症を起こす原因になりますので絶対に止めましょう。鼻頭を頂点とした三角形のエリアに起こる感染は怖いですからね。今回の例が正にそれですが、ティッシュによる止血を行った場合、多くは出血を繰り返します。理由は、既に述べた通りです。

2014-05-14 18:52:56
cladegifan @cladegifan

ただ、これは、昨日出血した、今朝もだ、もう一週間も毎朝出血しているといった感じの症状であり、後に書きますように、「放射線障害による出血とは全く異なるものです」。いいかえ、放射線障害による出血では全く違う症状が起こります。余談ですが、キーゼルバッハ静脈層は何で存在するのでしょうか?

2014-05-14 18:55:44
cladegifan @cladegifan

あまりメリットがありそうに思えないんですよね、逆にデメリットは既にご存じの通り。個人的には、反回神経(胸腔内を大回りする神経。無意味に長いため麻痺とか起こし易い)、盲点(網膜から神経束が出ていく部分で、視細胞が無いため見えない→脳がCGでw誤魔化している)、キーゼルバッハの3つを

2014-05-14 19:01:05
cladegifan @cladegifan

神のミステイク、言い換えれば、インテリジェント デザイン説に対する三大反証と考えているのですが、思いっきり余談なので、ここらで止めておきますw。 では、放射線障害による出血はどの様な機序で起きるのでしょうか? 血小板の減少による凝固機能の低下によって起こされます。

2014-05-14 19:06:43
cladegifan @cladegifan

詳しく説明していきます。放射能を浴びると、一般に「分裂が盛んな細胞ほど」ダメージを受けます。例えば、腸の粘膜、骨髄、毛母細胞等です。急性放射線障害によって、下痢や脱毛を起こすのはこのためです。逆に、分裂が盛んでない細胞はダメージを受けにくい。脳や心臓等ですね。

2014-05-14 19:11:17
cladegifan @cladegifan

癌の放射線療法で疑問に思った方はいるんじゃないかな?なんで、普通の細胞は大丈夫なの?って。同じ理由で、癌細胞は普通の細胞より増殖が盛んです。そのため、放射線に対して弱い。放射線療法は、癌と普通の細胞の放射線感受性ギリギリの境目を狙って量を調整しているのです。

2014-05-14 19:14:25
cladegifan @cladegifan

分裂が盛んな細胞が放射線に弱い理由については詳述しません、分裂のメカニズムやら、細胞内情報伝達やらあれこれ説明しなければならないからです。ただ、概ねこう考えて下さい。線路に障害物があった場合、スピードを出している電車の方が被害が大きいと。

2014-05-14 19:17:21
cladegifan @cladegifan

余談ですが、チェルノブイリやら民間の福島住民に関する調査で、この感受性に対する理解が全く出来ていないデータというか解釈やらご意見やらを拝見して爆笑したことが多々あります。出血と神経症状をごっちゃにした解釈なんてのが典型ですね。

2014-05-14 19:25:16
cladegifan @cladegifan

脳と骨髄、感受性に関して両極端の臓器です。脳に障害が出るレベルの被爆であれば、腸管、骨髄、毛髪等々より感受性の高い臓器は軒並みやられるわけで、全身ボロボロですよ。外来で、普通に話せる状態ではありません。

2014-05-14 19:28:14
cladegifan @cladegifan

さて、放射線が骨髄を叩くと、骨髄の機能が低下します。新しく血液が作られなくなるわけです。結果、血液の成分が不足します。汎血球減少(pancytopenia)という状態になるわけです。特に問題になるのが、白血球と血小板の減少で、出血は、この血小板減少によって引き起こされます。

2014-05-14 19:32:55
cladegifan @cladegifan

血液の固まる力が落ちた結果、血管壁が薄かったり、比較的出血し易い部分から持続的に出血します。鼻粘膜だけでなく、腸管(下血)、歯茎等からも同様に出血が起こります。

2014-05-14 19:36:41
cladegifan @cladegifan

白血病患者さんの歯肉からの出血を見たことがありますか?実に気持ち悪いものですよ。特に出血部位があるわけではなく、歯茎全体から滲み出す様に出血します。持続的な出血で、少量ずつ常に流れ出している状態です。悪習を伴うことも多く、死の匂いを感じさせる独特の物という印象を受けます。

2014-05-14 19:40:12
cladegifan @cladegifan

さて、ここまで説明を読まれた方ならお解りと思いますが、通常の鼻血と放射線障害による鼻血は全く異なるものです。そのため、鑑別が簡単にできます。具体的には、簡単な血液検査と耳鼻科医による患部の観察でしょう。放射線障害であれば、血球全体、少なくとも血小板の減少があります。

2014-05-14 19:44:14
cladegifan @cladegifan

言い換えれば、血小板の減少を伴わない鼻血は、放射線障害によるものではありません。これに、耳鼻科医の所見が加われば完璧で、放射線障害であれば、鼻粘膜全体から湧き出す様に出血しています。出血部位があって、上に瘡蓋が乗っている様であれば、それは通常の鼻出血にしかすぎません。

2014-05-14 19:48:45
cladegifan @cladegifan

僕が、今回の問題を見ていて実に下らないと思うのは、専門家含め、被曝量やそれに伴う障害といったレベルから一歩も前進していないからです。固まってしまっている。雁谷や前町長が「自身が被爆しいることを証明」したいのであれば、自分の血液検査の結果と耳鼻科医の所見を公開すれば良い。

2014-05-14 19:53:34
cladegifan @cladegifan

被爆で鼻血を出している人が1000人もいるのであれば、行政が全員の検査を行ってやれば良い。この程度の検査であれば大して医療費もかからないし、いきなり賠償に結びつけられるより遙かに安価で済む。子供の心配をされているお母さんだったら、これを読んだと医師に相談して下さい。

2014-05-14 19:58:04
cladegifan @cladegifan

簡単な血液検査だから、耳鼻科でやれると思います。一緒に鼻を診て貰えば安心出来るでしょう。都市伝説に惑わされて、無用な心配をするのは馬鹿げています。また、医師の対応にも問題があります。一部の医師を覗けば、一笑に付されてしまう例が多いのではないでしょうか?

2014-05-14 20:00:15
cladegifan @cladegifan

テレビに出ている方とか見ているとそういう印象を受けるのですが。昔、心臓神経症、今はパニックディスオーダーに分類されるのかな?。不整脈を自分が「感じて」、心臓が止まるのではないかと病的な不安を起こし、正常な生活が送れなくなる病気です。これ、確かに医師にとっては馬鹿馬鹿しい。

2014-05-14 20:02:48