歌舞伎考。

歌舞伎を始めて観て、感じたこと、考えたことを書きます。
4
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 歌舞伎とはなんだと言われれば、やはり、 声優の若本規夫さんを連想すると良いと思う。 そこでは、さらりと言ってしまうことは、何かを損なうことなのだ。

2014-05-14 22:26:50
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 どんなセリフ、どんな仕草も、見世物であり、 そこには、冗長とも言える時間とパワーが惜しげもなく与えられ、 力強くまとめあげられ、スポットライトを浴びる。

2014-05-14 22:27:00
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 「お茶を入れてくれないか?」 「ヘイ」 これは演劇なら3秒だ。歌舞伎なら10秒になる。 「お茶をおおお、入れてえええ、くれないーか?」 (呼吸を置いて) 「ヘえイ」 となる。その時言っているセリフが、場の主人公になる。

2014-05-14 22:27:29
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 つまらないセリフはない。内容がどうではないのだ。 その言い方、その仕草が歌舞伎なのだ。

2014-05-14 22:27:44
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 それで、三味線を弾きながら語る義太夫は何かというと、 あれはボカロの対義語と言っていいだろう。 ボカロなら10秒で歌い終わるところを3分かかる。 たとえば、 「はなのおおおお、いろはあああああ~」 (16秒ぐらい) となる。

2014-05-14 22:28:36
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 前へ前へ進むことは、かなりどうでもよい。 その瞬間に向かって、全力で押して来るのが歌舞伎なのだ。

2014-05-14 22:28:44
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 今日見た演目の 「幡随長兵衛」 は、3幕の芝居なのだが、一幕は劇中劇のメタ構造になっていて すごく面白いのですが、話の筋は二、三行で終わるぐらいの、「ありがちな話」 なのですが、これがとても面白い。

2014-05-14 22:28:57
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 お客さんも筋がわかっていても、高いお金を払って見に来る。 筋が問題ではなく、そこでくり広げられるスタイル、言い回し、 セリフの「味」とも言うべきものを味わいに来ている。 だから、声優で言えば若本規夫さんである。 若本さんのセリフは内容はなんであれ若本さんなのである。

2014-05-14 22:29:12
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 歌舞伎のスタイルは、おそらく、最初は、舞台で使えるものが少なかったために、 いろんなものを「見立て」て、シンプルな動作さ、シンプルな小道具で、 なんとか表現しようとしていたものが、 やがてその分野の特徴になって行ったのだと思う。

2014-05-14 22:29:27
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 案外、歌舞伎はアクションも多く、「ケンカ」はよく表現される題材だが 今日だけでも3回は見たけれど、そこでは「ケンカ」を歌舞伎的に、 型、や、ふるまい、で表現する。片足ではねる、ヨイヨイみたいなあの動作である。

2014-05-14 22:29:45
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 そういった特殊なスタイルが受け入れられるのは、 それがやはり「粋=かっこいい」からだろう。 シンプルだけど、スタイリッシュ。「決まっている」。 「決め」の文化は、日本の文化なのだ。格ゲーがそうであるように。 JRPGがそうであるように。

2014-05-14 22:30:07
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 FFのモンスターを倒した後のアクションとか、あれは歌舞伎だ。 とても、それは日本らしい。もはやアクションの原型もとどめないまでに、 抽象化され、スタイルになっている。 歌舞伎は伝統であり、束縛であり、重しであり、内容であり、スタイルなのだ。

2014-05-14 22:30:33
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 こういった分野で新しい局面を開くことは、とてもパワーのいることだろう。 歌舞伎は笑える。歌舞伎はアクション。歌舞伎は面白い。 とても良い経験だった。

2014-05-14 22:30:41
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou

#歌舞伎考 そこには演目を最大限楽しもうとする精神があり、 時間を引き延ばしてでも、ゆっくりと味わおうとする精神があり、 その歪曲を楽しむ粋な心意気があった、そんな時代の発祥なのである。

2014-05-14 22:40:23