落語『柳田格之進』と「業の肯定」と

「柳田格之進」と「業の肯定」と志の輔師匠、喬太郎師匠なんかを巡るおはなしが気になったので勝手ながら軽くまとめさせて頂きました
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井上新五郎正隆 @inoueshin56

娘が吉原で客を取らずに済んだ「文七元結」はまだ良いが完全に身を沈めてしまった「柳田格之進」はどうも苦手だ。どんなに落語家さんが大団円にしようと努力しても娘が吉原に出た時点で幸福な結末にはどうしてもならないように感じる。あと女性はこの手の根多をどんな気持ちで聴いているのか知りたい。

2014-05-15 22:57:15
マ弟子。 @madeshi

私の「柳田格之進」のデフォルトが志の輔師匠版だったので、他の大師匠の音源を聞いた時は驚きましたね。

2014-05-15 23:02:09
マ弟子。 @madeshi

まぁ、志の輔師匠のアレンジは逐一「被害者/悪役」を減らす方向ですよね。後味が悪くない方向へ持っていってる。

2014-05-15 23:06:04
迷亭水鏡@同人噺家 @m_suikyou

寝取られが大好物な井上先生でも「柳田格之進」は苦手だとは…

2014-05-15 23:08:38
迷亭水鏡@同人噺家 @m_suikyou

凌辱調教好きな私としては、「柳田格之進」はアリですけど、ただ今のTLからは全然別の話になるのでおいておくとして

2014-05-15 23:10:59
迷亭水鏡@同人噺家 @m_suikyou

まず「柳田格之進」という話自体が、談志師匠中興期のポリシー「業の肯定」を現わす噺の一つであること。そして、志の輔師匠の演出は、悪役を消してハッピーエンドにしたことで「肯定」する部分を強調したと私は理解しています。

2014-05-15 23:15:11
井上新五郎正隆 @inoueshin56

喬太郎師匠の「宮戸川・下」を聴いた時はその奈落に吸われるような闇とその深さに観ていてうめく事しか出来なかった。自分の恋女房を凌辱した張本人から直に詳細を聴かされる(しかも心底楽しそうに!)くだりが圧巻。喬太郎師匠はこういった「人間の闇の深さ」の描写力が物凄い。冷徹な狂気を感じる。

2014-05-15 23:21:44
迷亭水鏡@同人噺家 @m_suikyou

(承前)実際に、原作となる講談では、吉原に沈められた娘はのちに沈めた原因となる番頭に嫁ぎ、万屋を継いでいくハッピーエンドになっている。嫉妬から相手を不幸にさせた「業」を格之進が「肯定」する。その報いとして、登場人物に良い終焉を用意する。これが創作における「業の肯定」である。

2014-05-15 23:21:46
迷亭水鏡@同人噺家 @m_suikyou

@inoueshin56 @madeshi 志の輔師匠の演出では、番頭が格之進に懺悔するシーンがあるんです「主人を取られて嫉妬していた。柳田様に疑いを向けたのは魔が差したからだから、私を斬ってくれ」と。

2014-05-15 23:23:40
迷亭水鏡@同人噺家 @m_suikyou

(承前)だが、世の中は性善説で済む話ではない。ただ人を貶めるためだけに生きている、いわゆる「吐き気を催すような邪悪」は現実にいくらでも存在する。その現実をあくまでもありのまま見た上で肯定するのか、「悪い人なんて誰もいないんだ。」と肯定するのでは、天と地の開きがある

2014-05-15 23:26:17
マ弟子。 @madeshi

そう、志の輔師匠が徹底して「ファミリー向け」、誤解を恐れぬなら「優等生」なのに対して、喬太郎師匠が「ロック」というか冷徹な方向に向いてるのすごく面白いですよね。「キョンキョン」を自称していた前振りがあるからこそできるとも言えるあの感じ。

2014-05-15 23:27:02