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2014年5月17日

シモニタ神話・しもにたはげたかのはなし

シモニタを覗くならば、シモニタも等しく貴方を見返す......シモニタ神話学の第一人者・シモニタキャンディチャン飴屋女史の語る、シモニタせいぶつの神話。
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シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

【シモニタ神話・しもにたはげたかのはなし】

2014-05-16 22:00:48
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

ある時造物主シモニタ博士は、ハゲタカとその他諸々をしゅじゅちゅし、シモニタハゲタカを生み出した。シモニタハゲタカは一見普通のハゲタカとあまり変わらないように見えるが、六つの目を持っている。

2014-05-16 22:00:58
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタハゲタカは、ある時シモニタの森を離れ、とある大陸の南、温暖な地に棲んでいた。そこで木に止まっては下を通る人をその鳴き声や羽音で脅かしたりして暮らしていた。ある時、その地の人々が他の地から攻めてきた者達と争いを繰り広げた。

2014-05-16 22:01:21
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

その年は天候の不順のためにこの地域の人々が主食としている作物があまり実らず、このような争いが頻繁に起きた。人々は手に手に槍や剣を持ち、食料や土地や資源を争った。日々どこからかやってくる侵略者に怯え、警戒した。

2014-05-16 22:01:35
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

しかしその争いも頻繁ではあったものの、いつもそう長くは続かなかった。そして次第に、人々は技術を進歩させ始めた。農業のための技術が進歩したことで、農作業の効率が上がった。天候の不順にもある程度耐えられる作物が作られた。作物の保存方法も発達した。

2014-05-16 22:01:50
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

結果として、以前のように頻繁に争いが起こることはなくなったのである。シモニタハゲタカは、平和になり人々の生活が豊かになった一連の流れを見ていた。そして、木の上でギャッギャッギャッと大声で笑うように鳴いた

2014-05-16 22:02:03
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

人々は、生活に余裕が出てきたため、農業以外の技術も進歩させ始めた。商品作物が生まれ、商業が発達し、そして産業が生まれたのである。人々の生活は、十数年前とは大きく変わっていた。格段に豊かになったのである。人口は増え、また多くの人々が別の地域からもやってきた。

2014-05-16 22:02:28
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

その地域は、大陸の中でも有数の大都市となったのである。かつての争いの日々が終わってから長い時が流れたが、再びあのような争いが起こる気配はなかった。ゆるやかな風が流れていた。だがシモニタハゲタカは、その風の中に今までにはないものを感じ取った。

2014-05-16 22:02:51
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

文明。多くの人間。鉄。…科学。それらの匂いだった。シモニタハゲタカはふと思い立ち、手近にいた、その地域に昔から生息するネズミを二匹銜えると都市から遠く遠く離れた、大陸の片隅にある田舎へと飛んでいった。

2014-05-16 22:03:04
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

誰も気づかぬうちに、何かが変わり始めた。人口が増えた都市はあっという間に狭くなり、人々は周囲の森を切り開き、山を切り崩して住宅を増やした。人口は増え続けた。水の供給が間に合わなくなり、人々は近隣にあったいくつかの小さな村の上に溜池を造った。

2014-05-16 22:03:17
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

人々は快適な生活を保障され、都市はますます栄えた。政治制度も整えられた。社会制度も発達した。技術は進歩した。人々は幸福だった。シモニタハゲタカは、数か月後また都市の近くの森へと戻ってきた。空から見た森は、以前よりぐっと小さくなっていた。

2014-05-16 22:03:38
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタハゲタカは森へと舞い降りた。するとシモニタハゲタカが止まろうとした木の下に、一人の女性が座っていた。シモニタハゲタカは、バサバサと羽ばたくとギャッギャッギャッと鳴いた。女性は驚き、はっとして上を見た。妙な鳥が頭上の枝に止まっているではないか。

2014-05-16 22:03:55
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

「なんだ、鳥じゃない…。でもなんだか変な鳥ね。」女性は独り言ちた。シモニタハゲタカは、返事のようにまたギャッギャッギャッと鳴いた。「いつの間に世の中、変わっちゃったのかしら。私が小さかった頃こんな鳥いなかった気がするわ。」女性は呟いた。

2014-05-16 22:05:26
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

シモニタハゲタカは言った。「世の中、何も変わっていないとも。」女性は突然聞こえた返事に、周りを見渡した。しかし居るのは頭上の妙な鳥だけだ。「…まさか今の、あんたなの?」シモニタハゲタカはギャッギャッギャッと鳴いた。そして言った。

2014-05-16 22:05:45
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

「人間のすることは何も変わっちゃいないさ。ただ、誰が誰にどうされて、誰が誰をどうするかが変わっただけさ。ところで、こういうネズミを見たことがあるかい?子供の手の平くらいの大きさで、しっぽが体の三倍くらい長くて…。」シモニタハゲタカはあるネズミの特徴を説明した。

2014-05-16 22:06:01
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

女性は最近聞いたニュースを思い出した。「それって最近、この辺じゃ絶滅したらしいって言ってたあのネズミでしょ?昔見たことあるけど…。」シモニタハゲタカは言った。「そういうことだよ!」女性は意味が分からず首を捻った。シモニタハゲタカは、また言った。

2014-05-16 22:06:21
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

「人間は気付かないみたいだけど、昔から人間のすることは何にも変わっちゃいないんだ。一人くらい分かっててもいいと思うな!」そしてまたギャッギャッギャッと鳴いた。そして飛び去った。

2014-05-16 22:06:35
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

暫く後、シモニタハゲタカが舞い降りたのは、数か月前シモニタハゲタカが二匹のネズミを銜えて置いてきた田舎だった。そこには、ざっと見ただけでも人間は大都市の十分の一もいなかった。そして、子供の手の平くらいの大きさのネズミ達が人間より沢山居た。

2014-05-16 22:06:51
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

人間たちは、そこでは農業を営んで暮らしていた。

2014-05-16 22:07:04
シモニタキャンディチャン飴屋 @poisonous_pink

【シモニタ神話・しもにたはげたかのはなし】終わり。

2014-05-16 22:07:19

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