幼児期の祝祭の終わるとき、そして子供らしい夢を持ち続けながらの大人について

偶然拝見したタダノケイさんのツイートが素敵で、その前後のお話がとても示唆に満ちてると思ったのでまとめてみました。
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タダノ ケイ @KeiTadano

これはリクエストと言っていいのかわかりませんが、以前のツイートの内容を教えて欲しいと依頼があったので、再掲します。 次のツイートから、になります。

2014-05-21 17:04:02
タダノ ケイ @KeiTadano

昨日の朝、電車を降りて仕事場に向かっていると、すぐ前を小学一、二年くらいの小さい女の子が歩いていました。その子が履いてるピンクの靴には星の飾りがついてて、歩く度にキラキラ光るようになっています。

2014-05-21 17:04:52
タダノ ケイ @KeiTadano

それを見て、いいなぁ、羨ましいなぁ、と思うのはあまりに大人げないのですが、正直に告白すると、その子の靴を羨ましげに眺めてしまいました。

2014-05-21 17:05:09
タダノ ケイ @KeiTadano

あの年齢の子供にとって、あんな風にキラキラ光る星はただの装飾じゃないんですよね。 あれは、魔法の国へのジャンプ台なのかもしれません。それを履いて星を煌かせながら歩くだけで、魔法の国に迷い込めるような不思議な靴。

2014-05-21 17:05:28
タダノ ケイ @KeiTadano

あの不思議な感覚はいつ消えたんでしょうね。 自分が立っている地平線上に、たしかに魔法の国が存在している感じ。そこの路地を曲がれば、全く別の世界に迷い込めるワクワク感。

2014-05-21 17:05:43
タダノ ケイ @KeiTadano

あの感覚は、あの時期にだけ許された特権だった気がします。 ちょうど、祝祭が終わった後に、あれはお祭りだったと気づくような感じ。しかもそれは、二度と巡って来ない祝祭。

2014-05-21 17:05:56
タダノ ケイ @KeiTadano

あの祝祭は、人がまばらになって夜店も閉まり、最後にはすっかり明かりが消えるように、ゆっくりと終わった気がします。

2014-05-21 17:06:36
タダノ ケイ @KeiTadano

最初の兆しは、サンタクロースが実は父親なんじゃないかと半信半疑になる頃でしょうか。しばらくすると、それが確信に変わり。最後は、サンタを信じてるなんてバカじゃなかろうか、と思うようになって完了。

2014-05-21 17:06:52
タダノ ケイ @KeiTadano

これが祝祭の終わる瞬間です。あるいは魔法が消える瞬間。 本人は利口になったつもりだけど、二度と手にすることのない空想の翼を失ったことに気づくのは、ずっと後になってからのこと。

2014-05-21 17:07:05
タダノ ケイ @KeiTadano

そんな風に考えると、利口になるってことは、それと引き換えに何かを捨てていくことなのかもしれませんね。 だとしたら、知らなくてもいいことって、世の中には沢山ある気がします。

2014-05-21 17:07:20
タダノ ケイ @KeiTadano

先週の話題の続きなのですが、子供の頃の感性を持ち続けるのって、とても難しい気がします。 まず、幼い頃の感性それ自体が維持するのが難しい。だけじゃなく、幼い頃の感性はそれだけ独立したものとして維持するのは困難で、維持するためにはワンセットで他のものもついてくる、ということ。

2014-05-21 17:07:51
タダノ ケイ @KeiTadano

ワンセットと言ったのは、例えばこの部分については子供の感性のままでいたいと思っても、それを実現するためには関連する他の事柄についても子供のままでないといけない、ということです。人の感性は着脱自在な部品ではなく、心の在りようだから、当然と言えば当然ですね。

2014-05-21 17:08:10
タダノ ケイ @KeiTadano

ここで問題になるのが、バランスです。 バランスを欠いて子供の部分を残しているのは、ただのイタイ大人なわけで、本人が良ければそれでいいじゃないという論法も成り立つけど、そう主張するのは大抵本人だけ。周りからするとけっこう迷惑な子供大人だったりします。

2014-05-21 17:08:25
タダノ ケイ @KeiTadano

でも一方では、柔軟な思考を残したまま大人に、しかも周りから尊敬されるような大人になっている人もいるわけで、この境界線がどこにあるかは、興味深いものがあります。

2014-05-21 17:08:38
タダノ ケイ @KeiTadano

難しい話なんで、わかりやすくするために具体例を挙げましょう。 イタイ大人の代表は、故人を引き合いに出すのは気が引けますが、思い付いてしまったのでこの人、風船おじさん。

2014-05-21 17:09:05
タダノ ケイ @KeiTadano

風船おじさんというのは、風船で空を飛びたいと思っていた実在の人物で、本当にそれをやって行方不明になってしまったおじさんです。

2014-05-21 17:09:25
タダノ ケイ @KeiTadano

さて、柔軟な思考を残したまま周りからも尊敬される大人の方ですが、ぴったりな人がいます。ウォルト・ディズニー。 みなさんもご存知の通り、やみくもに夢と魔法を追い求めた人ではありません。そのためにビジネスを練り上げ、自分の夢だけでなく、人にも夢を提供する巨大なシステムを構築した人。

2014-05-21 17:09:44
タダノ ケイ @KeiTadano

それでは、風船おじさんとウォルト・ディズニーを比べてみましょう。 あまりに落差がありすぎて、比較対象にもならない、と言いたいところですが、子供のような夢を追っているという点では、原点は同じはずです。

2014-05-21 17:10:02
タダノ ケイ @KeiTadano

ただ、そこからのプロセスが違いすぎる。 ひとことで言ってしまうと、両者を隔てている最も大きな要因は、能力の違いと他者の存在です。 能力の違いについてはここで話しても仕方ないので、他者の存在に焦点を絞ると、まあ、見事なほどに他人のことを考えていません、風船おじさん。

2014-05-21 17:10:37
タダノ ケイ @KeiTadano

Wikiで知ったのですが、このおじさん妻も子供もいたんですね。でも、彼らを置いて飛んでっちゃった。しかも、借金まで遺して。 かたやウォルトは、いまだに世界の一流企業であり続けるウォルト・ディズニー社を遺してます。それだけでなく、遠くアジアにいる私たちにまで夢を見させてくれている。

2014-05-21 17:11:06
タダノ ケイ @KeiTadano

いやはや、天と地ほども違うというのは、こういうことですね。 子供らしい夢を見る、という同じカテゴリにくくること自体が、無謀なことに思えてくる。 つまり、夢も見方によって、これだけ差が出るってことなんでしょう。

2014-05-21 17:11:57
タダノ ケイ @KeiTadano

結論は簡単にいきましょう。 他者の存在を無視して、自分だけ夢を追っている大人は、イタイ存在です。 イタイだけでなく、周りにとっては迷惑な存在でもあります。

2014-05-21 17:12:10
タダノ ケイ @KeiTadano

イタイ大人にならずに夢を追うには、他者の存在を意識する必要があります。 でも、その途端、夢は存続の危機にさらされます(子供らしい夢は、たいていの大人にとっては、どうでもいい、取るに足らないことだから)。

2014-05-21 17:12:27
タダノ ケイ @KeiTadano

結局のところ、子供らしい夢を持ち続けながら、イタイ大人にならずにいるのは、とても難しいことなんでしょう、 だとしたらどうしましょうか。

2014-05-21 17:12:53
タダノ ケイ @KeiTadano

子供らしい夢なんて絶滅危惧種は放っておいて、普通の大人になる、というのも一つの選択肢です。 それが嫌なら、ちょっとイタくても夢のある、変なおじさん・おばさんになりましょうかね。

2014-05-21 17:13:07