「量子暗号に30年ぶりの新原理」? 古田彩さん&谷村省吾先生の解説まとめ

量子暗号に30年ぶりの新原理―「読まれたら気づく」から「読めない」手法へ― ってどゆこと? 『日経サイエンス』編集部の古田彩さん、谷村省吾先生による解説連ツイ。
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TANIMURA Shogo @tani6s

量子暗号の新原理:「読まれたら気づく」方式から、「そもそも読まれない」方式への大きな転換。解説:t.u-tokyo.ac.jp/pdf/2014/20140…

2014-05-22 17:45:55
TANIMURA Shogo @tani6s

いままでの量子暗号(秘密鍵配送)は、盗聴者がミクロの系に測定行為を施すと、系の状態を擾乱してしまい、盗聴していることが送受信者にばれる、という原理に基づいていました。

2014-05-22 17:48:22
TANIMURA Shogo @tani6s

だから、盗聴されていないかどうか、ときどきチェックする必要がありました。盗聴されていることがわかったら、せっかく届いた暗号鍵も捨てなくてはなりません。

2014-05-22 17:48:36
TANIMURA Shogo @tani6s

それに対して、小芦先生たちの方法は、そもそも盗聴できないというもの。だから盗聴者の有無をチェックする必要もない。

2014-05-22 17:48:54
TANIMURA Shogo @tani6s

小芦先生たちの暗号鍵配送のしくみは、ツイッターでは説明しにくいですね…。

2014-05-22 17:49:21
TANIMURA Shogo @tani6s

いうなれば、連発された光子パルスのうちどのパルスを干渉させるかを受信者が光を受け取った後で選べる。干渉結果が届けられた鍵になる。どのパルスが選ばれるか、盗聴者はあらかじめ知ることができす、後で知ったところで、盗聴の役には立たない、というしくみなのです。

2014-05-22 17:52:01
TANIMURA Shogo @tani6s

情報因果律 (information causality) と相補性 (complementarity) によってこの暗号の安全性は保証されるというような説明が論文にはあります。これも一言では説明できないですが。

2014-05-22 17:52:32
TANIMURA Shogo @tani6s

ともかく、これは応用上も画期的だし、量子論の原理から見ても面白いアイディアです。

2014-05-22 17:52:57
TANIMURA Shogo @tani6s

研究メンバーの佐々木寿彦氏は、この研究の当時、東京大学のポスドクでしたが、いまは理化学研究所所属なのですね。いろいろな意味で大変なところだと思います。

2014-05-22 17:54:15
TANIMURA Shogo @tani6s

私はこれからも、気負うことなく、皆さんと物理学のお役立ち情報を交換したいと思っています。

2014-05-22 17:59:38

谷村省吾先生の解説②

shs_kz @s_hskz

@ayafuruta リリースを見ながらですが、一点お伺いしたいです。お願いします。リリース中の記述『送信者は、5番と15番のパルスに【自分が与えた位相変調の記録】から、受信者の決定したビット値がわかり、これで1ビットの情報が送れたことになります。』【括弧】は私が付加しました

2014-05-26 19:41:09
shs_kz @s_hskz

@ayafuruta 【送信者が与えた位相変調の記録】と同じ情報を盗聴者が知る手段が【無い】ことが前提になっていると思われるのですが、なぜ、この手段が無いのでしょう。【位相変調の記録】を知り、さらに 『5番と15番のパルスを重ねたところで光子検出』を盗聴すると1ビット盗めます。

2014-05-26 19:51:19
shs_kz @s_hskz

@ayafuruta 送信者が受信者に送りだす差動位相変調済みの微弱パルスを盗聴者が経路途上で掬いあげ増幅して【位相変調の記録】を取りだし元と同じパルスを再作成し受信者に送りつけること……は出来ない、不可能だとわかっているものなのでしょうか。

2014-05-26 20:01:59
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

@s_hskz ほしくずさん、物理をちゃんと理解してない人間に、そういう質問をしてはいけませんw。それを前提に私の理解を言うと、「5番と15番のパルス」を測定することは、イブにもボブにもできません。ボブができるのは「10番違いのパルスの位相差を測る」ことだけです。 @tani6s

2014-05-27 09:19:27
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

@s_hskz 測定されるのは、5と15かもしれない、6と16かもしれない、7と17かもしれない。それはボブにも選べません。でもボブはそのどれだろうがアリスに「これとこれ」と伝え、鍵として使うことができます。イブがパルスを横取って測定し、5と15の位相差を検出したとしても、

2014-05-27 09:26:16
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

@s_hskz アリスにその2つを使え、と要求することができない。ボブに偽のパルス列を送って高確率で5と15で検出させる、という方法が考えられますが、ボブは受け取ったパルスをランダムに遅延させるので、例え5に収束しやすいパルス列を作っても、その相方はランダムに選ばれてしまう。

2014-05-27 09:33:57
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

@s_hskz (再送)だからイブはアリスに5と15の位相差を鍵として使わせる手段がないのです。多分合ってると思ってますが、信用はしないでください。まだ記事に書けるところまで理解してなくて、取材継続中です。

2014-05-27 09:45:40
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

ひとつ補足。量子暗号業界(暗号業界全体かな?)では、送信者=アリス、受信者=ボブ、盗聴者=イブ、と呼ぶ風習があります。AからBに通信し、eavesdropperが盗聴する、と言っても同じですが、わかりやすいように名前を付けています。 @hashimoto_tokyo

2014-05-30 09:17:30
TANIMURA Shogo @tani6s

私も割り込ませていただきますね。だいぶ話が進んでしまったようですが、ちょっと話を戻させていただきます:@s_hskz @ayafuruta > twitter.com/s_hskz/status/…

2014-05-27 14:52:47
TANIMURA Shogo @tani6s

0) 小芦先生たちの量子鍵配送についての質問・討論:@s_hskz @ayafuruta > twitter.com/s_hskz/status/…

2014-05-27 14:53:40
TANIMURA Shogo @tani6s

1) はい、古田さんのおっしゃるとおりでいいと思いますが、「5番と15番のパルスを測定することができない」と言うよりは、@s_hskz @ayafuruta > twitter.com/ayafuruta/stat…twitter.com/ayafuruta/stat…

2014-05-27 14:58:11
TANIMURA Shogo @tani6s

2)「5と15、6と16、7と17のパルスを重ね合わせて、それぞれ光子が現れるかどうか、ボブ(受信者)は待って見ることはできるけども、ボブが意図的に 5と15の重ね合わせのところに光子を出現させることはできない」と言う方が正確な気がします。@s_hskz @ayafuruta

2014-05-27 15:00:00
TANIMURA Shogo @tani6s

3) 「測定」ということばと「光子検出」ということばを使い分けた方がよいと思います。「測定しようと待ち構えていたけども、光子は現れなかった」ということがあり得るからです。@s_hskz @ayafuruta

2014-05-27 15:00:31