中森明夫さんの『アナと雪の女王』独自解釈

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

〈中森明夫の『アナと雪の女王』独自解釈〉は来月発売される雑誌に寄せる原稿で詳しく書いております。ぜひ、お読みいただければ、ありがたいです。そのポイントを以下に連ツイしてみようかと思います。

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪１)『アナと雪の女王』で驚いたのは、上映終了後の女性観客たちの顔です。あんなにも晴れやかな顔をした女性たちを映画館で観たのは初めてです。この映画は女性たちにとって特別なものなんだ。実は大変なことが起こっている！ と気づきました。(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪２)『アナと雪の女王』で最大のポイントは王子様問題ですが、これはネタバレになるので控えましょう。ただシンデレラや白雪姫や眠れる森の美女や…一貫してスタンダードな王子様物語を喧伝してきた保守的なディズニーが、アナ雪を作って大ヒットさせたことはとてつもない驚きです。(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪３)では、私の独自解釈を表明しましょう。『アナと雪の女王』は雪の女王エルサと妹アナの姉妹を描いた物語に見えますが、違うんですよ。実は一人の女性の内にある二つの人格の物語です。すべての女性たちの中にエルサとアナが共存している。(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪４)雪の女王とは何か？ 自らの能力を制御なく発揮する女性です。幼い日にエルサは魔力を発揮して妹を凍らせてしまう。女性が幼い日に能力を発揮すると「そんなこと女の子らしくないからやめなさい！」と怒られる。それで傷ついて自らの能力＝雪の女王を心の内に閉じ込めるんです。(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪５)ほとんどの女性は雪の女王を心の中に閉じ込めて、王子様を待つ凡庸な少女アナとして生きている。この映画は、そんな観客たちの心の内なる雪の女王を解放するんですね。だから、あれほど女性観客たちが観終わった後、晴れやかな顔をしていたのでしょう(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪６)なぜ女性たちはハイヒールを履くのか。運動能力を制御されるためでしょう。スカートをはくのもそう。女性たちは知らずと能力を制御されている。制御なく女性が能力を発揮したら、どうなるか？ 魔女呼ばわりされて、共同体から追放されます。あのエルサのように(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪７)日本語版でアナの吹替は神田沙也加…そう、彼女の母親・松田聖子こそ雪の女王です！ アイドルが自由恋愛をきびしく禁じられていた時代に王子様＝郷ひろみを袖にして、奔放に生きた。制御なく欲望を全開にして猛バッシングを受け、共同体から追放されました(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪８)エルサ役の吹替の松たか子はどうでしょう？ 歌舞伎の名門一族に娘として生まれた。女性は歌舞伎の舞台に立てません。女であるために能力が発揮できない。それで彼女は舞台を替えて高らかに「ありのままで」唄うことになりました。松たか子もまた雪の女王なんです！(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪９)映画のテーマ曲は本来、クライマックスに流れる。が、『レット・イット・ゴー』＝『ありのままで』は前半部のエルサが王国を追放され、ただ一人、雪山で魔力を全開にするシーンで流れるんですね。あの歌を唄う時、女性たちは自らの内なる雪の女王を解放するのでしょう(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪10)『レット・イット・ゴー』＝『ありのままで』は世界中で唄われて、21世紀が生んだスタンダードナンバーとなりました。なぜか？ みんな「ありのままで」生きてないからですね。だから『ありのままで』を唄うと解放される…それで大ヒットした。なんとも皮肉です（続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪11)今度出る雑誌で私は、この国でもっとも苦悩されているだろう雪の女王について書きました。誰かもうおわかりですね？ 能力を制御されて、東京の中心の森に閉じ込められている。その方にはぜひ娘さんと『アナ雪』をごらんになって、高らかに『ありのままで』を唄っていただきたい(続く

中森明夫☆新著『推す力』 @a_i_jp

アナ雪12)もちろん私は王子様ではないし、山男のクリストフのように勇敢な青年でもない。こんな面白おかしい文章を書くだけの男…そう、雪ダルマのオラフです！ このアナ雪新解釈が面白かったら…どうか私のこと「ぎゅっ」としてください。溶けちゃうかも知れないけどね(笑)(終わり