しゅーにゃんが古語版れりごーの話をわからないなりにしてみた。

平安期の日本語で歌われた「Let it go」が面白かったので、自分が母に書き当てた自分訳と照らし合わせながら、この曲についていろいろテキトーに思いをはせてみたの巻。 曲だけでなく、そこからくるイメージを通して様々な疑問を思いついてもみる。
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まとめ Let It Go 古語バージョン 解説編 Let It Go の古語訳歌詞についての作者によるとはずがたり。KITI さんによるまとめ「Let It Go 古語バージョン」の姉妹編です。 71751 pv 619 64 users 305
しばたまさあき @_mshibata

とはいえ「下風」に「下水」同様「密かな思い」的な用法があったかというとちょっと見つからなかった。やや珍奇な用法と思われるので歌合では負けるだろうから注意。

2014-05-26 23:05:45
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

さりげなく現存する平安人への忠告っぽく書いてる解説が萌え。

2014-05-28 09:19:46
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

どうせ僕が曲の解釈とかやるんなら、現象学的にちまちま内部内部に迫ってくやり方で徹底的にやりたい。古文の知識はないけども、こういう時って直観が大事だってのは分かってるつもり。

2014-05-27 23:45:11

The snow glows white on the mountain tonight,not a footprint to be seen.
(雪は白く輝き、夜の山を照らし足跡を覆い消す)
A kingdom of isolation and it looks like I'm the queen.
(私ははなれた孤独な国の、女王様だったわ)
The wind is howling like this swirling storm inside.
(風が私(This)の中をめぐり嵐のようにうなる)
Couldn't keep it in, Heaven knows I tried.
(止める事なんてできない、天だけがそれを知っている)

難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

「山颪(やまおろし)漏る木(こ)の下風は神にはえ隠さじ」 この個所はのっけから本気を感じたのは秘密。 解説にはなかったけどさりげなく「木の風」に「この風(自分の中の内的な風)」をかけてると思った。

2014-05-28 09:17:29
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

実際の英語でも「The wind is howling like this swirling storm inside」と、内的であることが仄めかされてたし。

2014-05-28 09:18:11
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

英語の現代語訳でもれりごーで一番戸惑うのは序盤の歌詞だったりする というかAメロが長ったらしいからね、この曲 背景となってるストーリー前提の話はAメロBメロに集約されちゃってて、サビは抽象的な精神性だけになってるからこういう難しさが生まれる

2014-05-28 09:21:34
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

言い換えると、れりごーがあそこまで人気が出たのは、その一番印象的な部分で彼女の精神性の中心を非常に簡潔な言葉で言い表していたからとも。

2014-05-28 09:22:45
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

で、序盤の難しさの実例。 「A kingdom of isolation, and it looks like I'm the Queen」 これ、時制がダウトすぎていきなり難問。直訳すれば「はなれの国の、私は女王であるようにみえる」。

2014-05-28 09:23:48
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

だが、これ、現在形直説法でさらっと書くと作品背景ガン無視になる。むしろそういう女王様として自分を隠してきたことを嘆きながら言ってるシーンだし、松たか子版ではわからなかったが、イディナ版ではQueenの部分で泣きそうになってるのがわかると思う

2014-05-28 09:24:54
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

ミュージカルなので、歌の部分部分で感情的な抑揚が混ざるのはよくあることだし、またその抑揚が入る部分は思い入れがキャラにとって深くなる場面。そして、その深い部分である「Queen」は、城を抜け出す前の自分への嘆きだった、と考えると、現在形にはとてもできない。

2014-05-28 09:25:53
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

というわけで、しゅーにゃん流の(母親にあてた)あの部分の英訳はこうなってる。 「はなれた国の、女王様だったわ」 反実仮想ではないんだけど、ある意味で、過去にしたい、忘れたい事柄の混ざった記憶の話なので、現在形で訳すとニュアンスが通らないためこの形に。

2014-05-28 09:28:16
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

実際彼女は「過去の扉はばたんと閉じてしまいましょう」(Turn away & slam the door)とか言うてるので、過去の内容化されたことは過去で訳したかった。 というか、現代語がこうした『詠嘆的』な表現に欠けてるため、過去で表現しざるを得ない。

2014-05-28 09:30:01
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

過去詠嘆といえば、英語における「仮定法」も同様の事情で生まれている。もともと古典的なヨーロッパ諸語では「条件法」「接続法」という文法事項があったんだけど、英語はそれらを全部語順に回収してしまったため、非現実のことに対する想念を示す助動詞に欠けている。

2014-05-28 09:31:26
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

んでもって、そういった条件法的な、「非現実のことに対する思い」を述べる言葉を、未来志向であればWill、Can,May,Shallで代用し、過去や反実仮想志向ならWould,could,might,shouldで代用しているわけであって。

2014-05-28 09:33:35
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

ちょうどここでもそういった表現をする必要が日本語にあったため、僕は過去形の日本語を用いたというわけ。 一方、古語版れりごーだと、ってか古語だと、そもそも詠嘆的に各種の助動詞が使えるようになってるため、むしろ時制の選択肢が自由になっている。

2014-05-28 09:34:37
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

『ひとりゆく我こそ新山守(にひやまもり)よ』 ここに時制の要素はない。なくて構わなくなる理由がこの辺にあると思う。古語にはそうした時間を超えた『感情』の次元の表現が豊かにあるため、現代語にあるような時制のズラしがなくてもスッキリすることがある。

2014-05-28 09:39:27
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

「こそ」が強調表現であり、そっから「(主語Sは)Xよ」と時制抜きで詠嘆の終助詞が来ている(※詠嘆じゃなかったらどうしようかと思い身震いしています)。 こそという強調句がくっついてるんでなおっさらこれは詠嘆文確定。

2014-05-28 09:43:03
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

そもそも詠嘆のための言葉があるから、時制に頼らずにきれいに当て嵌まっている。 (てかこの企画自体をホメるのもあるが、ぶっちゃけれりごーは古語ほど現代語以上にぴったりくる表現が多い楽曲だと思う)

2014-05-28 09:43:57
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

『山颪(やまおろし)漏る木(こ)の下風は神にはえ隠さじ』 前述のごとく、のっけから本気訳だとわかる一文。各種部分の意味や引用文脈がわからずとも、ちょっと修辞的な感性があれば直観(直感)で気づける部分。

2014-05-28 09:45:37
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

…僕は古文ができる人間でもなくそれを専門にしてる人間でもないけれど、それでも一部の古文の学者や研究者、愛好者の間で、「現代語訳を載せる」ことに反感を覚える理由はなんとなくわかる。なぜなら、それを載せてしまうと「ひびき」として言語化できない言語の能力を損なうから。

2014-05-28 09:46:27
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

それは例えば、現代人でもアニメや大河ドラマ、ゲームなどで古文的な表現がさらっと一部の人物や場面から飛んできたとき、「なんだか古風で威厳のある感じがする」と感じるけれど、あれと同じ修辞の効果。

2014-05-28 09:47:57
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

まああれは現代に通じやすくアレンジされた古語なので、本質的に古語ではないんですけども、それでもそうして言葉にアレンジを使うことで、言葉の「響き」に変化が生まれるのは、言語の豊かさ、豊饒さそのものだといえる。

2014-05-28 09:48:46
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

それは古代人にとっての古語自身さえ同じで、同じ時代に使われる同じ言葉でさえ、使い方次第で格調高くなったり趣が切なくなったりといった「効果」が加わって響いてたわけで、こうした部分は『意味』の世界では説明できず、触れることもできない。

2014-05-28 09:49:49
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