S-Fマガジン 2014 オールタイム・ベストSF
オールタイムベスト国内短編部門を見て実感したこと。入手難マークにだいぶ間違いがあることは先に述べたが、では実際に入手難の短編が50位以内にどの位あるかというと、「梅田地下オデッセイ」(ただし掘晃HPで読める)、「一人で歩いていった猫」の二本のみ。
2014-05-24 17:47:31「結晶星団」収録の小松左京全集完全版がややマイナー版元だというのと、「太陽風交点」収録の『遺跡の声』(2007年)がギリギリ入手可? というの以外は、基本、現在たやすく手に入る本に収録されている。しかも九割方、文庫で読める。
2014-05-24 17:50:08つまり、2014オールタイムベスト国内短編部門1位から50位までのうち49作品までが、古書店で探さずとも新刊書店(+掘晃HP)で読めるという状況で、絶版だらけの時代に比べると快挙と言っていい。
2014-05-24 17:52:00『日本SF短編50』『日本SF全集』『年刊日本SF傑作選』『不思議の扉』『NOVA』等々、数多のアンソロジーを作った編者・作家たちの功績と言えるし、06~14年がSF国内短編にとって、(新作・再録含め)夏の時代だったことは、このランキングが割と証明してくれると思う。
2014-05-24 17:58:38既に次回オールタイムベストに思いを馳せている訳ですが、まだシリーズ途中巻で6位っていうのを考えると、タイミング的にも『天冥の標』がぶっちぎり1位とかありそう。(出るとしたら)『空の園丁』が戦えるかも、という感じか。
2014-05-24 23:53:192014年オールタイムベスト国内短編部門1位「五色の舟」を未読の方は、津原先生の短編集で読むのも良いけど、同12位の酉島伝法「皆勤の徒」、同14位の長谷敏司「allo,toi,toi」も一緒に収録されている『結晶銀河』で読むのもオススメですよ。
2014-05-25 00:42:21国内短編44位に「おれはミサイル」が入ったのと引き換えに、2006年に国内長編25位だった『猫の地球儀』が消えちゃってるのね。書かないことが存在感を消していくのは分かるけれども、次回のランキングで秋山瑞人の名前を見れるかどうか……
2014-05-25 14:02:24SFマガジン700号入手。過去55年の記事群、評論・対談から書評や広告までが、本当に当時のレイアウトそのままに断片として、現行記事と渾然一体となって貼り付けられており、ある種のカットアップのような眩惑効果が。「日本SFシリーズはいつ刊行されますか」とか問い合わせる人がいたりして。
2014-05-24 18:41:08オールタイムベスト、今回の投票者は274人で前回より73人増。98年の319人には及ばないもののまずまずの復調ぶり。年代別などの詳しい分析結果は次号に載るとのことですが、とりあえず現時点での感想を以下に。
2014-05-24 20:25:46国内短篇部門。「五色の舟」がハナ差で1位を奪取。持ってるなあ。飛先生は前回にも増して凄いことに。他、新井素子が2作とも圏外に落ちたことを除けば、基本的に上位作の得点は実は前回とあまり変わっておらず、新規参入作品が新たにそれなりの地歩を占めたという印象。17本ランクインは快挙。
2014-05-24 20:50:56それに比べて海外短篇部門はかなり硬直気味。ベスト8までが前回の並べ替えにとどまり、新作は「第六ポンプ」「商人と錬金術師の門」「息吹」だけ(「ソフトウェア・オブジェクト~」は入らなかったのね)。翻訳小説紹介の困難な現状が形として出てしまったか(「00年代SF傑作選」が出ていれば)。
2014-05-24 21:05:02『アルジャーノンに花束を』『エンダーのゲーム』『竜の卵』『月は無慈悲な夜の女王』『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』《銀河帝国興亡史》3部作、7部作『中継ステーション』『ディファレンス・エンジン』『重力が衰えるとき』『光の王』『キリンヤガ』『宇宙の戦士』(続く)
2014-05-25 17:39:31『スキズマトリックス』『スノウ・クラッシュ』『スターメイカー』『2001年宇宙の旅』『人間以上』で、以上19作のはず。間違いがあったらご指摘いただけると。ディファレンスエンジンとエンダーが消えてるのが意外。
2014-05-25 17:40:33唐突にオールタイムベスト国内長編の差分。『星界の紋章』森岡浩之『BRAIN VALLEY』瀬名秀明『猫の地球儀』秋山瑞人『終わりなき索敵』谷甲州《グイン・サーガ》栗本薫『家畜人ヤプー』沼正三『第六大陸』小川一水『レキオス』池上永一『神は沈黙せず』山本弘『魂の駆動体』神林長平(続く
2014-05-28 00:04:54『猶予の月』神林長平『我が月は緑』今日泊亜蘭《十二国記》小野不由美『アド・バード』椎名誠『永遠の森 博物館惑星』菅浩江『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹
2014-05-28 00:05:31海外長編と同様に、元々下位だった作品が多くはじかれてる。また、キャラものやファンタジーが下がっている印象にあるが、銀英伝は残ってるな……。一番意外なのはグインサーガの脱落か。
2014-05-28 00:06:38近い年代の作品のほうが評価が固まっていなくて脱落という気もするが、小松左京や筒井康隆、山田正紀作品が脱落せず残っていることを考えると、ある年代の層が動かず、別の年代が抜けて、新しい年代が入ったのが今回とみることもできるかも?
2014-05-28 00:07:38@funa1g 順位を堅持しているだけでなく、新たに評価を得ている作品もいくつかありますね。投票者が前回より36%増であることを考慮して、明らかに得票を増してるのが「グラン・ヴァカンス」「戦闘妖精・雪風〈改〉」「虚航船団」「銀河英雄伝説」「兇天使」「旅のラゴス」あたり。
2014-05-28 22:49:10@natsu1985 ですね。筒井康隆の再評価はなにがどうなったのか気になります。「兇天使」は飛さんが推してましたし、「グラン・ヴァカンス」の躍進とも連動しているように思います。
2014-05-28 23:10:52