鋼鉄の咆哮×艦隊これくしょん短編「北方海域の残照」

突発SS。
ゲーム 艦これ クロス・オーバー 鋼鉄の咆哮 SS
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ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
鋼鉄の咆哮×艦隊これくしょん短編 ―北方海域の残照― [1]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
―某月某日、単冠湾泊地司令部執務室 試される大地、北海道の小さな泊地の小さな司令部。 ここで今日もまた、いつものように6名の艦娘たちに指令が下され、作戦内容が説明されていた。 [2]
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「えー、先日の北方海域偵察において、敵深海棲艦の泊地らしきものを、同作戦に参加した千歳、千代田の偵察機が撮影した。これだ。」 どうにもピンボケで、はっきりとしない写真が示された。 「あの、これ、本当に泊地なんですの?」 招集されたうちの一隻、三隈は写真を指さしながら言う。 [3]
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「それを確かめてくるのが今回の君たちの任務だ」 「たかだか偵察のために、この面子を…?」 先日改二となった高速戦艦、霧島は言った。 ヴェールヌイ、五十鈴改二、三隈改、大井改二、霧島改二、加賀改。そうそうたるメンバーである。 [4]
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「仕方あるまい、他の駆逐艦や軽巡は遠征に出払っているし、重巡は特別作戦海域への投入のため横須賀へ出張しているんだ…それに、この方が、何かあった時、心強かろう?ん?」 「それはまぁ、そうですが…過剰なのでは?」 [5]
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「作戦終了後、君たちには間宮券を進呈する。上層部の意向関係なし、私の奢りだ。どうだね?」 「「「「「「喜んで行かせていただきます」」」」」」 「よろしい。では該当海域への航路だが―」 キス島超えた遥かに北の海域、最早極北と言って差し支えない場所だ。 [6]
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こんなところに…殆ど民間船も通らない、海の果てのようなところ。ここへ深海棲艦が泊地を作る意味って? 勘違いに違いない、行ったところで何もないだろう。 そんな空気が、6人の間で流れていた。 「―というわけだ。出撃は5時間後、それまでに整備をしっかりな!」 [7]
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整備を終え、装備を整えた艦娘たちは出撃準備を終えた。 「15.5cm三連装副砲と甲標的…どう考えてもガチ装備」 「私の艦載機なんか…震電改、なんなんですか、これは。知らない子ですね」 「46cm砲…ってこれ、大和さんの名前書いてあるんですけど?」 [8]
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「細けえことは気にするな!いいか!絶対に情報を持ち帰れ!生きて帰るんだ」 「わかってるさ。不死鳥と呼ばれた私を、信頼してほしい」 「お洋服だって汚さずに帰って参りますわ♪」 「あら提督、やけに心配性ね?五十鈴に任せなさいって!」 そして、出撃。 [9]
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艦隊は予定通り作戦海域へ向かった。 羅針盤娘に踊らされることもなく、また、途中、深海棲艦と遭遇することもなかった。 不気味なほどに静かな海を、6人は航ってゆく。 寄せ集めで普段関わりもない彼女たちは話題もなく、黙って、静かに作戦海域へ向かった。 [10]
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その静寂を破ったのは加賀だった。 「そろそろ索敵機を発艦させましょう」 弓を構え、『彩雲』と書かれた矢を放つ。 矢は航空機へと実体化し、索敵に入る。 「正規空母に負けてられませんわ、それっ」 三隈は負けじと零観と瑞雲を放った。 [11]
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「う~ん」 「どうしたんだい、五十鈴、むつかしい顔して?」 「いやぁね、さっきから電探がなーんかおかしいのよ…故障だなんて思いたくないんだけど…」 「………」 「どうしたのよ、響」 「…実は私も、ソナーが」 「帰ったら整備兵に文句言わなくちゃダメね」 [12]
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「…索敵機、帰ってきませんね」 「くまりんこの優秀な水上機たち…心配ですわ」 「雲が低いですし、迷ってるのかもしれませんね。とりあえず我々も向かいましょう」 (やっばい、私空気過ぎ…カタパルト降ろさなきゃ良かったわ…) 艦隊は速度を上げ、作戦海域へ向かう。 [13]
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「っー!?」 「どうかしましたか、五十鈴」 「電探の回路が弾け飛んだわ!?何の冗談よ!あの整備兵クビにしてやるわ!」 「…私のソナーも明らかに異常だ、使いものにならない」 二人の艤装の該当パーツから火花が散っている。明らかに過電流によるものだ。 [14]
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「整備不良…でしょうか?」 「電装系ばかりじゃないか。無線は…」 「……あ、これ駄目だわ。って、どういうことよこれ!?」 全員の電装系に何かしらの異常が出ていた。 「こんなことって…撤退、具申します?」 [15]
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「せめて、索敵機が帰ってくるまでは待ちませんか」 「そうですわ。置いてけぼりは可愛そうですもの」 未だに戻ってこない索敵機を心配する二人。 その時 「あ、あれ三隈のヤツじゃない?」 五十鈴が指差す先に、下駄履きの機影。瑞雲だ。 [16]
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やけにふらついた飛び方をしながらも瑞雲は三隈の元へ帰ってきた。 「一体どうしましたの?…あら、懸架していた爆弾、何に使いましたの…」 三隈は瑞雲の妖精に問いかけるも、どうも目を回しているようで答えてくれない。 「…直接何があるのか、見に行かないといけないようですね」 [17]
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「直掩機、発艦。何が起こっても対応できるよう、見える範囲から離れないで」 加賀の目つきが変わる。 「甲標的も、待機させとくわよっ」 大井がスロープから甲標的を降ろし、戦闘態勢に入る。 未知の脅威への、備えだ。 [18]
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「先行する機より発光信号…『ワレテキカンタイハッケンセリ…』」 「やはり居ましたか、電装系に対する攻撃とは新型でしょうか?」 「待って。『…テキカンタイハミカクニンカントコウセンチュウ』」 [19]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「未確認艦?味方では無いのですか?」 「わかりません、が、深海棲艦と戦闘を行っていることは確かです」 「敵の敵は味方…とも、限らないのよねぇ。厄介だわ」 「目視確認するほか無い…か」 「私を先頭に単縦陣で接近します。各艦、戦闘配置につけ!」 [20]
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しばらくすると水平線に小島が見えてきた。 「アレがあの写真に写ってた島ね?」 と、次の瞬間。 [21]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
小島は光に包まれた。 「きゃっ!?」 「何!?雷!?」 「違いますわ。…あれ?」 「…消えた?」 五十鈴が指を指していた方向には、水平線だけがあった。 [22]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「ちょちょちょっ、えっ!?五十鈴何もしてないわよっ!?」 慌てふためく五十鈴。 「今のは一体…なんですの?」 確かに目の前には島があった。 しかし、光に包まれ消えた。 信じられない現象が目の前で起こったのだ。 艦隊は動揺している。 [23]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「島ごと消し去る…兵器…?……そんな、馬鹿な」 「深海棲艦の新兵器でしょうか?あんなの持ち込まれたら私達にはどうにもできませんよ!?」 「皆、落ち着いて……駄目ね、直掩機の隊形も乱れ始めたわ。帰艦させましょう」 皆が動揺する中、加賀だけが冷静さを失うまいとしていた。 [24]
ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken
「…艦載機はあてになりません。光の主が何者なのかを、この目で確かめてやりましょう。あわよくば撃沈、サンプルを持ち帰ります」 「アンタ無茶苦茶ねぇ…でも、そういうの嫌いじゃないわ!やってやりましょう!」 [25]
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