艦これ✕鋼鉄の咆哮『摩天楼の光』

艦隊これくしょんの世界観に超兵器を放り込んだらどうなるか……?そんなことを考えながら書いた二次創作SSです。 (現在#1まで)
ゲーム 鋼鉄の咆哮 艦これ SS クロス・オーバー
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ろくせいらせん @dddrill
艦これ✕鋼鉄の咆哮 二次創作『摩天楼の光』#1
ろくせいらせん @dddrill
【注意】この作品はゲーム『鋼鉄の咆哮』シリーズと『艦隊これくしょん』をもとにした二次創作です。原作、ならびにその派生作品及び現実の軍事事情とは設定が大きく異なる場合があります。 #摩天楼の光
ろくせいらせん @dddrill
海軍、横須賀鎮守府。ここは日の本を守る砦。艦娘を擁し、深海棲艦に立ち向かう人類の最前線である。 ……などと大仰な事を書こうと思えば幾らでも書けるのがこの場所だが、ここを預かる私はどうにも女学校の校長をやっているような錯覚をしばしば覚える。 1
ろくせいらせん @dddrill
艦娘が諸事情(詳細は軍機に触れる)から女性のみであるのが恐らく根本的な原因なのだが、深海棲艦との戦いこそあれど軍隊としては異常な程、鎮守府の雰囲気が和やかなことにも理由はあるのだろう。つまりは、私の自業自得ということだ。 2
ろくせいらせん @dddrill
当初、艦娘という新兵器の特性が完全には把握できていない時期、過剰な締め付けでその能力を損ねることがあってはならない。そう考え、提督である私は艦娘達の意志と自主性を尊重してきた。彼女達は個性を開花させ、鎮守府の戦力は整っていった。 3
ろくせいらせん @dddrill
……そして、少なからず。私自身が、戦いの続く世界のから切り取られた擬似的な平和を謳歌していた所もあったのだろう。 だがその日、度重なる南西諸島海域出撃による疲労か、伊8は四国沖で限界深度をオーバー。深海救難艇が急行し事なきを得たものの、伊8は当初意識不明の重体であった。 4
ろくせいらせん @dddrill
私はこの時、艦娘達の自主性に任せた己の方針を悔いた。だが思えばこれはただの始まりに過ぎなかった。そして私は、己の過去と対面することとなる。『過去が今、私の人生を収穫に来た』。何かの本で読んだ文だが、結局はそういうことなのだろう。その時の私はそんなことを思いもしなかったのだが。 5
ろくせいらせん @dddrill
「伊8の様子は?」「疲労と急な減圧で体が参っているだけです。高圧酸素療法を行いましたし、暫く安静にしていれば元通りになるでしょう。……ただ、『摩天楼』と譫言のように繰り返してますね」秘書艦の明石が書類を片手に報告する。「摩天楼?」 6
ろくせいらせん @dddrill
余談だが、秘書艦は第一艦隊の旗艦を兼ねる。とはいえ明石は工作艦で、戦闘には全く向かないため形式的なものだ。主な任務は他の艦娘の修理と事務仕事で、他には時々将棋の相手をして貰う位だ。 7
ろくせいらせん @dddrill
「詳しく話を聞くと、海底で巨大なビルを見た、と……」「そうか」幻覚でも見たのだろう。この時はそう思っていた。もしくは、大昔の沈没船でも見つけたのか。艦娘が生まれる以前の軍艦は大きかった。歌にもある通り、黒鉄の浮かべる城だったのだ。 8
ろくせいらせん @dddrill
例えば「もと」の扶桑型の艦橋も、水面の底ではビルのように見えるだろう。……折れていなければだが。私は何となく気になって海難事故の記録も漁ったが、伊8の遭難ポイントで大型船が沈没した記録は存在しなかった。或いは海底地形だったのかもしれない、とその時は思っていた。 ------- 9
ろくせいらせん @dddrill
伊8を救助した深海救難艇の観測データが私の手許に届いたのは、翌日のことだった。ソナーに異常な反応がある、というのが私のところにまで報告が上ってきた理由だ。……そこにはくっきりと、不自然な突起物が映し出されていたのだ。 10
ろくせいらせん @dddrill
「……しかしこれだけでは、何がなんだか分からんな」腕を伸ばし、書類を目から遠ざけて細部を見ようとする。老眼には厳しい仕事だ。伊8が『摩天楼』と言ったのはこれのことだろう。確かに不自然だが……「あの、拡大したものがこちらに」明石がおずおずと別の書類を差し出す。 11
ろくせいらせん @dddrill
「なんだ、そっちを最初から出してくれればよかったのに」拡大されたとはいえ、鮮明とは言いがたいデータだ。しかし、これならばわかる。この巨大な突起物には、ビルよりももっと似付かわしい表現がある。……『艦橋』だ。 12
ろくせいらせん @dddrill
私はふと思い立ってペンを取り、最初の図に輪郭線を書き込む。「……これは」……一見ただの海底地形にしか見えない部分に、だまし絵の様に艦影のようなものが浮かび上がった。だが「尺がおかしいな、これは」データの『目盛り』を信用するなら、私の描いた艦影の全長は、概算で1km近い。 13
ろくせいらせん @dddrill
こんな馬鹿げたサイズの船は、この世界には無い。巨大タンカー。石油プラットフォーム。人類が作った海洋建造物を超えている。だが、私にはある過去の経験からどうしても。これをただの見間違いの偶然として片付けることは出来なかった。……ならば、人類が作ったのでないならばどうか。 14
ろくせいらせん @dddrill
「君は、深海棲艦が何処から来たか。考えたことは無いか?」「……いいえ」暫く戸惑った後、明石は答えた。彼女は艦娘としての任務以外に、補給の管理も行っている。そんなことに頭を悩ます暇があったら、物資のやりくりに使うだろう。 15
ろくせいらせん @dddrill
「奴らの『女王』が何処かに眠っているという仮説がある」与太話の類だ。「これが、そうだと?」「分からない。だが、これが仮に本当に艦橋だとして。こんなサイズの艦艇を、人類が建造した記録は無い」「深海棲艦の……女王?」未だ半信半疑と言った顔で、明石は言った。 16
ろくせいらせん @dddrill
「いや、或いは……」そこで私は言葉を止めた。明石が怪訝そうな顔で私を見ているのに気付いたからだ。「……何か心当たりが?」「いや……何でも無い」だが私はその瞬間、運命の歯車が回り出す予感を感じていた。遠い昔に錆び付いたと思っていた、巨大な兵器たちの回す歯車が。 17
ろくせいらせん @dddrill
その日の午後の執務中。「あのー……提督、さっきの話とは別に、お耳に入れたいことが」珍しく困惑した様子で、明石は切り出した。「……話してみろ」「長距離通信に妙なノイズが混ざり始めているんです」「ノイズ?」 18
ろくせいらせん @dddrill
嫌な予感がした。尻の下で、誰かが特大のキャンプファイヤでも始めたかのような類の、ひどく嫌な予感だ。「最初は気象現象だと思ってたんですが、日に日に大きくなっていて……工廠の妖精達にお願いしたら、発生源を調べてくれました」「原因は分かったのか?」思わず尋ねる。 19
ろくせいらせん @dddrill
「はい。四国沖、深度4000mオーバー。南海トラフの底が発信源と推定されるそうです。伊8の遭難ポイントの近くです」「クソッ……!」私は思わず机を叩いた。「……あの、提督?」間違いない。あの巨艦の位置だ。予感は的中した。 20
ろくせいらせん @dddrill
この瞬間、尻の下のキャンプファイヤは巨大な不発弾へと姿を変えた。皮肉だが、私のこの手の嫌な予感は外れた試しがない。あの時もそうだった。もはや間違い無いと言っていいだろう。「生きているのか……」あの『超兵器』は。 ------ 21
ろくせいらせん @dddrill
艦これ✕鋼鉄の咆哮 二次創作『摩天楼の光』#2
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