木野龍逸氏による、2014年6月4日東電会見解説

原発事故発生後、ずっと東京電力記者会見を注視してきたジャーナリスト木野龍逸氏による会見のポイント説明。 原発事故の説明責任の所在、賠償責任の所在を曖昧にしようとする東京電力と政府の動きにも注目。
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木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

【東電会見1】昨日の東電の会見が長かった。久しぶりの二時間半。汚染されてる水を雨水だと強弁したり、つい二日前は堰外に漏れてないと説明してたのが実は確認すらしてなくて「堰の排水弁が開いていた」ので漏れていたと発表したり、いい加減な話が多いから長くならざるをえない。

2014-06-05 09:54:41
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

【東電会見2】こんなことをしていると記者からは反発買うし、世の中の信頼は失うしで最悪の広報例だけども、今までこれでのらりくらりと乗り切ってきたことの繰り返しをしてるように見える。政府はいま、原子力損害賠償法(原賠法)の見直しをしようと関係総長会議を立ち上げようとしている。

2014-06-05 09:59:08
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

【東電会見3】原賠法の改変は事故を起こした事業者の責任の軽減につながる可能性がある。併せて政府は東電への資金援助を担っている原子力損害賠償支援機構を規定している支援機構法の改定も進めている。成立すれば、事故処理の責任主体と説明責任が、東電なのか政府なのか曖昧になる部分が出てくる。

2014-06-05 10:04:02
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

【東電会見4】こうした動きが確定すれば、東電の説明責任が薄れたりして、東電にとっては負担軽減になる部分が出てきそう。こうした動きを見越しての後ろ向きな広報姿勢ではないかと思えてならない。加えて現場と本店の連携不足も見え隠れしていて、組織として破綻してる部分があるとも感じる。

2014-06-05 10:07:54
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

【東電会見5】先日は、福島第一の事故処理に係る随意契約の割合を会見で聞くと、廃炉推進カンパニーの増田代表は「答えられない」と回答。ところが会見終了後、中継も終わった後になって広報が「先ほどの答えは違う。随意契約は94%」と発表した。情報公開の連携ができていないことが明らかだった。

2014-06-05 10:10:30
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

【東電会見6】そんな中での、今回の発表遅れ。ほんとうに確認不足だったのか、どこかで意図的に情報操作をして、ダメージが小さくなるような発表をしたのか(堰外への漏洩発表を遅らせれば記事は小さくなる)。いずれだったにしても、事実が適時的確に伝わらないという事故直後の状況に回帰している。

2014-06-05 10:13:57
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

【東電会見7】これで事故処理がきちんと進むのか、不安が尽きない。政府は、金融機関保護のために電力債を発行してる東電を維持してるけども、このままだと東電、金融機関のために国が滅びかねない。政府、官僚はまだまだ、原発事故を甘くみてると思う。オンサイトだけでなく、オフサイトの問題も。

2014-06-05 10:15:11
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

【東電会見8】オフサイトのでは、先日の鼻血問題もそうだけど、甲状腺がんの問題も、政府は懸命に、事故の影響を否定している。影響があるというなら証明せよという声もあるが、情報が揃っていないうちに関係性を否定するするのは結論ありきと思われても仕方ない。福島県立医大の情報公開も不十分。

2014-06-05 10:17:22
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

【東電会見9】まだまだ精査しないといけないことは多い。政府や行政などが保有していて公になっていない重要な情報も残る。事故の全容解明も進んでいない。被害者への支援、補償もなんかなか進まない。福島第一原発の事故を収束させるために必要なのは、東電と政府が現実に向き合うことではないか。

2014-06-05 10:21:29