モーニング編集長島田英二郎@asashima1氏は語る;「編集者はせっかちなんだ」

モーニング編集長島田英二郎@asashima1氏は語る;「ベテラン漫画家は、ちゃんと編集者と話し合うものだ」 http://togetter.com/li/67076 のつづきです。
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島田英二郎 @asashima1

きのうの続き。そのベテラン作家さんに「同時代性」についてもお聞きしたのですが「同時代性は確かに必要だけど、意識して手に入れるものじゃないよ」という意味のことを言われました。確かに意識してやっても「今××が流行ってるから、××モノをやろう!」みたいな浅薄な話になるかもしれません。

2010-11-09 18:42:15
島田英二郎 @asashima1

確かに同時代性ってのはもっと深いものでしょう。でも、意識して手に入れられないものではないと思う。ていうか意識してすぐ手にはないらないからこそ、そういうことをいつも意識してたほうがいいと思うんです、としつこく食いさがったら「お前はいろんなことを急ぎすぎだよ」とあきれられました。

2010-11-09 18:44:39
島田英二郎 @asashima1

確かに編集者って基本せっかちかも。あと、雑誌ってどんなに調子いい編集部でも「2年後はどうなってるかわからん」ってのが本音だとも思う。そもそも「当分安泰だ」なんて思ってつくってたらつまんないだろうし。考えてみれば出版業ってうんと昔からそういう商売だったんだよな。

2010-11-09 18:44:51
島田英二郎 @asashima1

以前、新人さんが漫画を描く場合「その作品の中身を20字くらいでまとめられないとダメ」みたいな話をしました。だからといって「コトバで言えること以上のものは何もない」みたいな漫画じゃもちろん仕方ない。

2010-11-10 20:24:32
島田英二郎 @asashima1

お話に絵をつけてコマでわっただけ、みたいな応募作もよくあります。書くまえに作品を言葉で表すと、どうしてもそういう「無味乾燥」な作品になりやすいんじゃないか、みたいなことを言われたことがあります。

2010-11-10 20:24:42
島田英二郎 @asashima1

そう言われりゃそんな気もしますが、書くまえに言葉にしておいて、しかも面白いってことだってできるはず。どうやって? って聞かれると、むつかしくてよくわからないけど、こないだ話したベテランの先生はこんなこともおっしゃってました。

2010-11-10 20:24:52
島田英二郎 @asashima1

「漫画の絵って単なる記号のままじゃ通用しないけど、ずっと写実ばかりやっててもダメ。人間の表情でもなんでも、一回“漫画的、記号的”な絵の段階を通って、それからまたそこを離れてリアリティを獲得しないと漫画としては成立しない」。

2010-11-10 20:25:02
島田英二郎 @asashima1

「絵」の話と「ストーリー」の話だけど、なんか通じるものがある気がしました。どっちも一回「記号化」「言語化」の段階をへると「何を書こうとしているか、何が描けるか」が自分に対してはっきりするってこと? そこを通過して言葉や記号を超えたものになっていくらしい。

2010-11-10 20:25:12
島田英二郎 @asashima1

もちろん言語化なんて過程を経ないで生まれるものすごい作品もあるんでしょうけど。アインシュタインは相対性理論もヴィジュアルイメージだけで発想して、最後に理論化したって話を聞いたことがあるけど、行き着く先が数式みたいな100%明快なものだからなあ。

2010-11-10 20:25:23
島田英二郎 @asashima1

いい意味で「わかる人にだけわかる作品」ももちろんいいと思います。でも、週刊誌ってのはやっぱり、不特定多数のいろんなお客さんを相手にするもので、そこには基本的には「単純明快さ」が必要不可欠だと思う。

2010-11-10 20:25:32