【擬人化】 産業用ロボットの黎明と装置に名前を付けて慈しむ文化について 【見立て】

「未完成な状態で生まれてくる」 「期待されたことをうまくできない子」 「名付け手を掛け慈しんで成長を言祝ぐ」 「信頼に価する頼もしき相棒の地位を与える」 続きを読む
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井上リサ @JPN_LISA

@Dahlia874 @oohirakumiko 日本には八百万の神の信仰がありますから、物や道具や機械にも神や魂が宿るという感覚もあるかもしれない。それが自分の生活や命に関わっているものならば、役目を終えた物にも尚更そういった労う気持ちが生まれてくるのだと思います。

2014-06-09 00:01:59
きむあき@なにわ @soulgrow24

@JPN_LISA 確かに確かに、工学的な部分にも萌えますが、使用済み核燃料貯蔵庫の温もりや発電所の神棚、JPARCの各ユニットひとつひとつに名前が付けられていたりといった、原子力という極めて無機質なイメージとは対極の、どこか人間味のある温かい部分により強く惹かれますね。

2014-06-09 00:40:28
井上リサ @JPN_LISA

欧米の友人らが言うには物の「名前」は製品名、商標名の感覚で、日本人の場合はそれ以上の意味を持たせるから物に「人格」まで芽生えるのかな。RT @soulgrow24: JPARCの各ユニットひとつひとつに名前が付けられていたりといった、原子力という極めて無機質なイメージとは対極

2014-06-09 03:59:25
加藤AZUKI @azukiglg

日本の産業用ロボットの現場配備の黎明期、工員に混じって働く産業用ロボットに、「百恵ちゃん、淳子ちゃん、聖子ちゃん、小百合ちゃん」と名前を付けて手入れしていた話、など QT @JPN_LISA: 欧米の友人らが言うには物の「名前」は製品名、商標名の感覚で、日本人の場合はそれ以上の意

2014-06-09 04:15:25
加藤AZUKI @azukiglg

産業用ロボット技術発展の系統化調査 sts.kahaku.go.jp/diversity/docu… (PDF) 産業用ロボットの技術的、政治的、文化的な歴史をかいつまんでまとめたもの。技術的な話はともかく2章(P4-7)は門外漢の人が読んでも面白いので一読をオススメ。

2014-06-09 05:04:06
加藤AZUKI @azukiglg

産業用ロボットはアメリカが生みの親だが、初期のアメリカでは「職を奪われる単純労働者の反発と抵抗」があって市場が育たず、逆に日本はこれに飛びつき、なおかつ「道具に名前を付けて【擬人化して慈しむ】文化」と相性がよく、不具合の改良についてもユーザが協力的だった話、などが出てくる。

2014-06-09 05:05:52
加藤AZUKI @azukiglg

また、黎明期の「鉄腕アトム」、普及初期の「機動戦士ガンダム」を始めとするロボット作品は、ロボットを単純な「装置」ではなく「準人格を持ったもの」として認知させた。(アームだけの産業用ロボにすら、「百恵ちゃん」の写真を貼ってたそうです)

2014-06-09 05:07:51
加藤AZUKI @azukiglg

ここらへんの「装置/道具に人格を与える」っていうのは、欧米圏でも未来のイブ、メトロポリスとかにもそれらしいものは登場するんだけど、それらは「悪」として描かれており、「名前を付けて人格を与え、それを慈しむ」という方向に向かうのは、どうも日本のお家芸であるらしい。

2014-06-09 05:10:17
加藤AZUKI @azukiglg

最近だったら艦これにおける艦娘はまさにその集大成wだし、もはや「一時の流行」ではなくなってポジションを獲得しているボカロ=初音ミクなんかも、「擬人化された装置」の成功例な気がする。それを成立させているコミュニティ(ユーザ)と装置の距離の取り方も通底する。

2014-06-09 05:11:53
加藤AZUKI @azukiglg

「不十分な状態」で生まれてきた【完璧ではない装置】に、よちよちあるきのどじっこ属性を見出して「その【不手際】を慈しみ、改良・修正に伴って進化していく様を【成長】と喜ぶ」っていう日本のユーザー気質が、装置の品質向上を結果的に手助けしている。

2014-06-09 05:13:44
加藤AZUKI @azukiglg

産業用ロボットは1966年に日本にその原型をもたらし、1970年代に一気に花開いていったわけなんだけど、その頃に産業用ロボットを「百恵ちゃーん☆」とやってた世代と、2007年くらいからボーカロイドを「初音ミク」と呼び習わしていた世代は、明らかに隔たりがある。

2014-06-09 05:15:09
加藤AZUKI @azukiglg

隔たりはあるけど、やってることは同じw つまりこれは、「特定世代のみがもつ個性・特徴」ではなくて、「日本列島に暮らす人々が、世代を超えて持っている共有の性質」と考えてよい気がする。遡ればもっと昔から類似の「擬人化」例は枚挙に暇が無いし。

2014-06-09 05:16:09
加藤AZUKI @azukiglg

「人形・仏像でも熱心に拝んで扱えば命が入る」というのは怪談の世界では珍しくない話なんだけど、「不手際のある装置を【幼い子供】に見立てる」「改良によって進化する樣を【子供の成長】に準える」ていう形で、黎明から普及までの間にある装置を「擬人化=子供」に見立てるのは、意味がありそう。

2014-06-09 05:18:25
加藤AZUKI @azukiglg

艦これにおける「艦娘」は、子育て、試練、運命、失われたら二度と取り戻せない命の儚さ、という要素を持っているあたり、この「装置を擬人化すること」にぴったり当てはまるんだろなあ。ボカロは死なないけど、「儚さ、虚しさ、切なさ」を托した曲は割といっぱいあったな。

2014-06-09 05:20:35
加藤AZUKI @azukiglg

職人の道具は「職人一代で使い切るもの」もあれば、非常にバランス良く仕上がった使い込まれた道具を、弟子や子孫に托して引き継いでいくという性質のものもある。むしろ、その道具に見合う職人になるよう、後塵を「育てる」なんてのもあるなあ。

2014-06-09 05:22:04
加藤AZUKI @azukiglg

産業用ロボットに「名人の仕事を覚えさせる」ってのが一時流行ったことがあって、書道とか絵とか職人仕事の粋をロボットにトレースさせてた。装置だから一度覚えれば同じ事が何度もできるようになるんだけど、微調整をしていかないと期待通りにはならなかったりとか。

2014-06-09 05:23:17
加藤AZUKI @azukiglg

もちろん、「同じことしかできない」ことが否定される仕事もあるし、「いつでも同じ仕事をきちっと仕上げられる」ことが期待される仕事もある。工業製品なんかの製造現場は後者なんだけど、ベテラン工員がそれを仕込む樣はまるで「弟子を育てる」かのようだった。

2014-06-09 05:24:11
加藤AZUKI @azukiglg

なので将来、「人間を支え、人間の友となり、人間が廃れた後も人間の思い出を忘れずにいてくれるロボット」を作り出す国があるとしたら、それはたぶん日本だろなあ、【文化】的な意味で。と、「ヨコハマ買い出し紀行」を思い出しつつ考える、月曜の朝です。

2014-06-09 05:25:27
井上リサ @JPN_LISA

日本が市民社会レベルでロボットを受け入れられた文化的土壌の一端を感じます。RT @azukiglg 日本の産業用ロボットの現場配備の黎明期、工員に混じって働く産業用ロボットに、「百恵ちゃん、淳子ちゃん、聖子ちゃん、小百合ちゃん」と名前を付けて手入れしていた話、など

2014-06-09 07:52:55