ただ、この時期の黒いシーンは“メリハリをつける“という意味もあるかとも。オリファーの戦死した直後の第32話「ドッゴーラ発進」は”Vガンでもこういう笑えてはっちゃけてしんみりするエピソードが出来るのか!”と思わせてくれる1本だ。
2014-11-06 14:56:15実は私、この第32話が一番好きかもしれない。3クール前半で暗さに包まれた展開がこの1話で弾け飛んで、ほっとさせてもくれる。
2014-11-06 14:57:15その一方で3クール後半の地上編は短い期間ながらバラエティ性に富んだメリハリが顕著だ。巨大ローラー作戦で見られるハードな展開、第37話で綺麗に生きる為の戦いと環境汚染の矛盾についてのシニカルな描写、マチス・ワーカー編の正攻法の優しさと寂しさなどなど。
2014-11-06 14:59:28メカニック、バトル面でもドッゴーラに続いて巨大バイク戦艦アドラステアの狂気とタイヤパーツの進化、そして1stガンダムの戦略性を彷彿させるマチス・ワーカーら残存部隊の戦いと正攻法からはっちゃけまで幅広い。
2014-11-06 15:00:404クール目のエンジェル・ハイロゥ 攻略戦では、ウッソとハンゲルグのズレた親子の対面が、ミューラの死別と共にウッソから親離れを意識させる展開へと突入していく。
2014-11-06 15:01:32そして、ファラやルペ・シノといった女性たちが生命の営みから外れて女として強くい生き過ぎたり、ウッソの母親代わりになろうとするなど女性の狂気も顕著な時期であり、ウッソが男として自立する際にも影響をあたえているのではないかとも。
2014-11-06 15:02:55かといって、終盤でハードな要素を強めつつもホッと箸休めが出来る日常の描写も見逃せない。第44話では悲恋に終わるもキスハールとカリンガといった模範的なカップルでもあり人でもあったザンスカール兵のドラマ、第48話では子を身籠ったマーベットを取り巻く調和した環境などが良い例か。
2014-11-06 15:04:17またマーベットについてはVガンの主要人物の中で数少ない足を踏み外すことなく最期まで生き延びた人物だったが、彼女はパイロットでありながら母性的な人間として振る舞いつつ、本当の母親にたどりついたドラマも大きいかもしれない。Vガンのドラマにおける影の功労者
2014-11-06 15:05:34そして第49~51話ではカテジナがクロノクルの立ち位置を奪うように登場し、クロオクルについていき尽くそうとした彼女と、苦難を乗り越えて自立したウッソの対決に焦点が絞られていく。
2014-11-06 15:06:48大がかりなスケールではなく個人の対決として描かれているが、それは同じ地球の平凡な人から始まって戦乱で変えたそれぞれの対照的な生き方を対等に描く意味もあったかとも。
2014-11-06 15:07:45戦いが終わりV2ガンダムのたたずむカサレリアで、平凡な日常の中で少し成長したウッソと、全てを失いながら生きるカテジナの姿が対等に描かれていた。この白と黒を併せ持った結末も「Vガンダム」の作品では”らしい”のではないかとも。最も残酷かつ優しいガンダム。
2014-11-06 15:09:14そんな形でVガンダムについて総評は終わり。惜しい所としてはゴッドワルドやドゥカー辺りのキャラをもう少し掘り下げても良かったかな―とか、シュラク隊の動かし方(中盤のペギーやユカが当てはまる)とかになるが、特別大きい不満と言う訳ではない。
2014-11-06 15:10:29元々Vガンダムは私が最初に見たガンダム……3,4歳のころにガノタだった母にリアルタイムでみせられていた(というよりも何も知らないで私が見ていた)とある意味「母のガンダム」……いやいや、12年ほど前に見た際もかなり好きな作品だった
2014-11-06 15:11:39今回改めて見直したが、黒一辺倒ではない味わいについて認識する事が出来た。富野作品は黒がいいよね!という好みについてもGレコともども必ずしもそうではないなーと気づけたので見て正解だった。
2014-11-06 15:12:37Vガンが富野作品の集大成という面もあるが、それとは別にGレコ以降の方も何だか期待できるきっかけになったので見て正解だった。幾つもの朝を迎えた気分だ。
2014-11-06 15:13:31そんな訳で「機動戦士Vガンダム」を持って233番目の視聴作品について心に刻む事にする。Vガンダムの後は「宇宙の騎士テッカマン」の視聴に挑む予定。無論ブレード、ブレードⅡの視聴もその後にでも。
2014-11-06 15:14:17