重文の版木から刷る! 稲本義彦さんの鉄眼一切経見学記

黄檗山寶蔵院が所蔵する重要文化財の『鉄眼一切経』の版木と、その摺り、丁合、製本の手順を、稲本義彦さんが見学&レポートされての連投を収録。
人文 印刷 黄檗 一切経 大般若
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稻本義彦 @zinofrancescatt
塙保己一記念館の『群書類従』の版木には度肝を抜かれたが、黄檗山寶蔵院の『鉄眼一切経』の版木はそれを軽く凌駕していた。6万枚の版木が小さな体育館ほどの収蔵庫の2・3階を埋め尽くしている。しかもこの版木からいまもお経が刷られている。 pic.twitter.com/nVRnXo7XJ8
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鉄眼一切経の版木のうち、『大般若経』のさいごの頁。韋駄天の図像が付されている。 pic.twitter.com/XWWFyHGKKS
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鉄眼一切経の版木は現役ながら、重文に指定されているために収蔵庫から持ち出せない。このため、摺師が収蔵庫に常駐してお経を刷り出している。摺師の職人さんは話し好きで、おもしろい話をいっぱい聞いた。 pic.twitter.com/P7ZhbLSWwe
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刷っているところを動画で撮らせてもらったので、あとでfacebookにアップする。
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刷り上がったら、縄にかけて一昼夜干して墨を乾かす。このような干し方を鎧干しというそうだ。 pic.twitter.com/TPnGFRW9GE
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鉄眼一切経の字体が、現在つかわれている「明朝体」のもとになった。 pic.twitter.com/YJE05F9TZs
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刷り上がって丁ごとにまとめられた大般若経。出版社でよくみる光景。 刷り→丁合い→製本→販売と、現在の出版となんら手順はかわらない。出版関係者にはぜひともいちどは見学することをおすすめする。 pic.twitter.com/86rPS2Cqlg
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稻本義彦 @zinofrancescatt
寶蔵院の収蔵庫で刷られた大般若経を、奈良の御所市の職人が製本して、京都の貝葉書院が販売。大般若経600巻、お値段は318万〜620万円也。 baiyoushoin.com/price.html
稻本義彦 @zinofrancescatt
一切経とは「すべてのお経」という意味で大蔵経ともいう。鉄眼一切経もすべての仏教経典が含まれているのだが、じっさいに現在も注文を受けて刷られているのはほぼ「大般若経」600巻のみ。これは密教系や禅宗系の宗派で「大般若経転読」という儀式が行われているためだろう。
稻本義彦 @zinofrancescatt
摺師の職人さんによると、各種版木はいろんなところが蔵している由。差し障りがあるといけないのでどこがなんの版木をもっているかは書かないが、摺師さんたまに刷ってほしいとの依頼があるそうだ。版木による出版文化がいまも辛うじて命脈を保っていることに、ちょっと励まされる。
稻本義彦 @zinofrancescatt
そういえば鉄眼一切経の収蔵庫の壁に「寶蔵」とたいへんりっぱな楷書で大書した、表装がぼろぼろの軸がかかっていて、落款に「書學博士 米芾書」と書かれていた。米芾の書がそうそう転がっているとも思えないが、由緒ある寺で贋作をでかでかと掲げるとも思えず、あれはいったいどういうものだろう。
稻本義彦 @zinofrancescatt
われわれ編集者は本をつくるときにページの割り振りを一覧にした「台割表」をつくる。お経は片面刷りと両面刷りがあるが、両面刷りの場合、表裏にどの版を刷るかをまちがえる(いわゆる乱丁)とたいへんなことになる。摺師さんも台割表をつくっていた。 pic.twitter.com/A6cTpukCMk
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Kiyonori Nagasaki @knagasaki
鉄眼一切経も含めた日本の近代あたりの大蔵経の話はまだ書きかけだがこちらにまとめている。→ d.hatena.ne.jp/digitalnagasak…

誤記訂正。

稻本義彦 @zinofrancescatt
@hashimoto_tokyo @knagasaki  問題はないんですが、まちがいがあって恥ずかしい。『群書類従』の版木があるのは塙保己一記念館じゃなくて塙保己一史料館ですね。

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