都市伝説上のエアガイツ仮面

エアガイツ仮面【マスク】というよりは エアガイツ仮面【ペルソナ】 エアガイツ仮面という非現実的な存在が現実に存在することで、また現実のエアガイツ仮面が非現実へと侵食したのだろう。
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六代目 @6daime

たまりかねた常連プレイヤー達は、ある日店長にそのことを話した。 すると、店長は驚くでもなく、寂しそうな顔でぽつりぽつりと昔語りを始めた。 「うちの店には、伝説のプレイヤーがいたんだ」 「彼は来る日も来る日も一つのゲームをやり続けた」 「しかし、ある日突然消えた」

2014-09-10 23:50:38
六代目 @6daime

「死んだとも、引っ越したとも、就職して時間がなくなったんだとも、噂は『無かった』」 「なんせ、誰も座らないゲームをずっとやり続けていたんだ、近況を知るほどの友人がいないのさ」 「だが先日、こんなものが見つかった、あいつの座ってた筐体の上でな」 店長の手には『怖い』と書かれた紙。

2014-09-10 23:52:38
六代目 @6daime

「それからだ。お前らが、急に『いないはずの誰か』に負け始めたのは」 店長の言葉に常連は背筋をふるわせた。 「でも、怖い、っておかしいよな」 静寂を破るように常連の一人がつぶやいた。 「そういえばそうだ。怖いのはこっちだっての」 「霊、例えば霊だとして、何かのヒントを出してるとか」

2014-09-10 23:54:32
六代目 @6daime

「店長、それのあった筐体って」 「あれさ」 店長が指差した場所、店の隅のバラエティコーナーでひっそりと稼動するゲームは、エアガイツ、と書いてあった。 「誰も聞いちゃいねえのに、あいつは一人で『俺はエアガイツ仮面だ!』ってあれをやり続けてたのさ」

2014-09-10 23:55:49
六代目 @6daime

それから誰とも無く、常連たちがエアガイツを始めた。 「なるほど、フリーランのある鉄拳みたいなもんか」 「ああ、あったなぁ、FFのキャラが出る奴」 「必殺技がガー不とか読み合いすげーなこれ」 常連たちはたちまちそのゲームへの理解を深め始めた。 そのとき、筐体の端に突如、メモが現れた

2014-09-10 23:57:55
六代目 @6daime

『怖い』 店長が見つけたものと同じだろう、常連はおびえつつもそれをつまむと何とはなしに問いかける。 「結局、何が怖いんだ?」 すると、またメモが現れた 『私だけのエアガイツが広まるのが怖い』 なるほど、そういうことだったかと常連たちは色めきたった。

2014-09-10 23:59:29
六代目 @6daime

この怪現象を終わらせるには、このエアガイツ仮面とかいう霊を徹底的に怖がらせて追い出すしかない。そう結論付け、徹底的にエアガイツをやりこみ始めたのだ。 『そんなテクまで覚えるなんて怖い』 『情報交換までして怖い』 『みんなが楽しそうで怖い』 筐体の端には積みあがるほどのメモが現れた

2014-09-11 00:01:00
六代目 @6daime

ふと、常連の一人が気づいた。 「なあ、消える気配なくね?」 「たしかに、心なしかメモの文字が弾んできてね?」 そして、ようやく自分たちが騙されたことに気が付いたのだ。 「こいつ!負かした俺たちが悔しがってエアガイツするのを楽しんでるぞ!!」

2014-09-11 00:02:06
六代目 @6daime

そして、そのメモの束を掴んで、大声で叫ぶ。 「やいエアガイツ仮面!騙しやがったな!!お前が本当に怖いのは何だ!!」 そうすると、今までのメモより大きい紙が現れ、そこにはこう書かれていた。 『ここらで一回、フリープレイと対戦会が怖い』 fin

2014-09-11 00:03:29

乗っ取りガイツ仮面

六代目 @6daime

<<何してますか?忙しいですか?手伝ってもらってもいいですか?>> 「あれ、これって」 友人から来たLINEのメッセージに、たかしは違和感を覚えた。 「なんか最近よく聞く奴だよな、ったくまさおの奴…」 友人のアカウントからやってきたそれは、明らかに昨今話題の乗っ取りのアレである。

2014-09-23 23:04:57
六代目 @6daime

「でも…そうだな」 <<おう、どうした?>> たかしはそれに対し、面白そうだ、と思った。 ネットでちらほら見る、乗っ取り犯をおちょくって遊ぶ記事のように、自分も相手を手玉に取ってやろうと考えたのだ。 「で、アレだ、アイチューンカードがどうとか言ってくるんだよな」

2014-09-23 23:07:11
六代目 @6daime

<<近くの基板屋で、エアガイツの基板を買って来てもらっていいですか?>> 「え、はぁ?」 面食らったのも無理はない。だってもうどう考えてもおかしいし。 <<いや、カードとかじゃねえの?>> 面倒になって単刀直入に言ってみる。ひょっとしたらまさおの悪ふざけの可能性もある。

2014-09-23 23:09:38
六代目 @6daime

<<いや、エアガイツはカード対応ないし>> <<エアガイツってなんだよ……>> <<なるほど、そこから説明が必要なんだね、いいだろう、じゃあじっくりと>> --以下、濃厚なエアガイツ初心者講習 <<ということで、エアガイツの魅力がわかってもらえたと思う>> <<あ、うん>>

2014-09-23 23:11:17
六代目 @6daime

たかしの足はふらふらとゲーム基板屋へ向かう。手には持っていなかったはずの数万円もの金。 <<買ってきたよ、どうしたらいい?>> 焦点の定まらない目で、たかしはLINEにメッセージを打ち込む。 <<それでは君の行きつけのゲーセンで、それを稼働させてもらってもいいですか?>>

2014-09-23 23:13:18
六代目 @6daime

<<うん、わかった>> フラフラと、たかしの足は時折音ゲーをやりに行くゲームセンターへと向かう。 その途中である。 「おーい!たかしー!」 「ん?」 後ろから声をかけてきたのは誰あろう、今通話しているはずのまさおである。 「あ、あれ?俺、一体何を……」

2014-09-23 23:15:07
六代目 @6daime

ゲーセンまで数十メートル、たかしの足は止まった。 「何やってんだ、そんな荷物持って?」 まさおの問いかけに、たかしは不思議なLINE乗っ取り犯の話をする。 「それ、もしかしてエアガイツ仮面かも」 「エアガイツ仮面?」 まさおが言うには、そういう都市伝説があるのだという。

2014-09-23 23:16:27
六代目 @6daime

LINEで話しかけてきて、返事をしてしまうとエアガイツの基板を買わされ(費用は仮面持ち)、近所のゲーセンに設置させられる、と。 今全国のいろんなゲームセンターで、この古いゲームが同時多発的に稼働するようになったのは、そのせいなのだと。 「クソ!どうしたらいいんだ!」 たかしは叫ぶ

2014-09-23 23:18:11
六代目 @6daime

「エアガイツ仮面から逃げる方法は2つしかないらしい」 「教えてくれまさお!」 「一つは、もうその基板を言われたとおり近所のゲーセンに置くこと」 「もう一つは?」 「こうするのさ」 まさおはたかしのスマホをサッと手に取ると、その画面をパパパっと指で弾いて、何やら打ち込み、送信した

2014-09-23 23:19:54
六代目 @6daime

「ほら」 まさおの手から戻ってきたスマホには、昨日の夜まさおとダベっていたLINEの履歴。先ほどまでのエアガイツ仮面との会話はどこにもない。 「どう、やったんだ?」 「簡単さ<<今日、地方でエアガイツの大会があるらしいですよ>>そう打ったんだ。それだけだよ」

2014-09-23 23:22:07
六代目 @6daime

「さ、せっかくだからゲーセン、行くか」 「あ、でもこれ…」 たけしの手には先ほど無意識に買った基板。 「まあ、店長にあげちゃえばいいんじゃね?」 「そう、だな、気味悪いし」 笑い合う二人。 開くゲーセンのドア。 まさしの手の中には、着信を告げるスマートフォン。 fin

2014-09-23 23:25:42

エアガイツ仮面(怪)の思うエアガイツ仮面の在り方

六代目 @6daime

エアガイツ怪談は割と俺の思ってるエアガイツ仮面のイメージに近い それくらいのファンタジー

2014-06-10 16:58:25

本当のエアガイツ仮面の活躍はこの記事を参照
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ohtsukagichi/20140413-00034420/