竹野内真理さんの翻訳した3冊の本に関する覚え書き

竹野内真理さん(@ mariscontact)が翻訳したとされる3冊の訳書について、ざっと調べてみた感じのメモです。 いろいろと気になるところはあるのですが、補足があればコメント欄からでもお知らせ下さい。
ログ 竹野内真理 デマリン
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@rafcocc
この「人間と環境への低レベル放射能の脅威―福島原発放射能汚染を考えるために」 amazon.co.jp/dp/4871541002 の原書って何なんでしょうね?アーネスト・スターングラス氏の方は80年代と90年代に1冊ずつ著書があるみたいですけど、お二人とも1920年代生まれのご老人。
Amazon.co.jp:人間と環境への低レベル放射能の脅威―福島原発放射能汚染を考えるために [単行本]

ラルフ・グロイブ (著), アーネスト・スターングラス (著), 肥田 舜太郎 (翻訳), 竹野内真理 (翻訳)

登録情報
  • 単行本: 337ページ
  • 出版社: あけび書房 (2011/7/8)
  • ISBN-10: 4871541002
  • ISBN-13: 978-4871541008
  • 発売日: 2011/7/8
商品の説明
  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ノーベル賞に匹敵するといわれる「ペトカウ効果」をつぶさに紹介、原発・核実験の放射能汚染を徹底検証した世界的労作の初邦訳。

  • 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    グロイブ,ラルフ
    1921年にスイスのリースタールで生まれる。チューリッヒ工科大学で化学工学を学んだ後、開発エンジニアとして働きながら、多くの国際的な環境保護委員会で活躍。40年近く、原子力のリスクについてのコメンテーター、著者、専門家として活動し、地位を確立した。社会的責任を考える医師の会、核戦争防止国際医師会議/社会的責任を考える医師の会(IPPNW/PSR)のスイス支局のメンバー。2008年1月死去

スターングラス,アーネスト・J.
1923年ドイツのベルリンで生まれる。ピッツバーグ大学医学部放射線科名誉教授。専門は放射線物理。米国議会、米国科学アカデミー、州議会、政府の規制当局での公聴会の証人として、核実験による死の灰と原子炉からの放射性放出物による人体の健康、特に発達中の胎児や幼児への影響について広範な疫学調査を行なった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

--ツイでも触れていますが、著者のお二人がずいぶんとご高齢なのが気になります。

ちなみに翻訳版の出版元はこちら。

リンク www.akebi.co.jp あけび書房 福祉・医療、平和、社会問題・ルポ、教育、ヒューマンドキュメントなどを中心とする出版社。『沢内村奮戦記」『福祉が人を殺すとき』『平和への伝言』などが高評。
リンク www.amazon.co.jp Amazon.co.jp: The Petkau Effect: The Devastating Effect of Nuclear Radiation on Human Health and the Environment: Ralph Graeub: Amazon.co.jp: The Petkau Effect: The Devastating Effect of Nuclear Radiation on Human Health and the Environment: Ralph Graeub: 洋書
登録情報
  • ペーパーバック: 242ページ
  • 出版社: Thunder's Mouth Pr; 2版 (1994/09)
  • 言語: 英語, 英語, 英語
  • ISBN-10: 1568580193
  • ISBN-13: 978-1568580197
  • 発売日: 1994/09

アーネスト・スターングラス氏の著作の方はいくら探しても見つからないのですが、ラルフ・グロイブ氏の方はアメリカのAmazonにありました。これまでに2冊の著作があるようです。

リンク www.amazon.com Amazon.com: Ralph Graeub: Books, Biography, Blog, Audiobooks, Kindle Online shopping from a great selection at Books Store.

で、「人間と環境への低レベル放射能の脅威―福島原発放射能汚染を考えるために」の原書と思われるものがこちら。

リンク www.amazon.com The Petkau Effect: Nuclear Radiation, People and Trees: Ralph Graeub: 9780941423724: Amazon.com: Books The Petkau Effect: Nuclear Radiation, People and Trees [Ralph Graeub] on Amazon.com. *FREE* shipping on qualifying offers. A look at the dangers of radiation exposure argues that small doses could be up to one thousand times more dangerous than previously
Product Details
  • Hardcover: 250 pages
  • Publisher: Thunder's Mouth Pr; 1 edition (June 1992)
  • Language: English
  • ISBN-10: 0941423727
  • ISBN-13: 978-0941423724

発売が1992年とありますが、竹野内真理さんが翻訳されたのは1994年に発売された第2版のようです。

--さてこの本の著者ラルフ・グロイブとはどういう人物なのか。そして原書(らしきもの)にはない著者のアーネスト・スターングラスという人物が翻訳版にのみクレジットされているのは何故なのか。を調べてみましたところ、Wikipediaに興味深い記述がありました。

リンク Wikipedia ペトカウ効果 ペトカウ効果(ペトカウこうか、英語: Petkau effect)は、「液体の中に置かれた細胞は、高線量放射線による頻回の反復照射よりも、低線量放射線を長時間、照射することによって容易に細胞膜を破壊することができる」という現象である。「長時間の低線量放射線被曝の方が短時間の高線量放射線被曝に比べ、はるかに生体組織を破壊する」等とも表現され、また、文脈によりペトカウ理論、..

ラルフ・グロイブによる紹介
スイスの科学者ラルフ・グロイブ(Ralph Graeub , 1921-2008)は、1985年ドイツ語で Der Petkau-Effekt und unsere strahlende Zukunft (『ペトカウ効果と我らの晴れやかなる未来』)を著し、この理論を詳細に紹介すると共に、原子爆弾・核実験・原子力発電所がもたらす様々な放射線被害や政府当局による放射線防護基準の欠陥について記した。同書は1994年、アーネスト・スターングラスの序文が付された英訳版が出版され、2011年には日本語訳が刊行された。

--Wikipediaの英語版にはない記述なので、さらに検証が必要ですが、この記述が正しいとするならばこの本は1985年にドイツで出版された本の英訳版の翻訳書です。原書が出版されたのは今から30年近く前のドイツです。繰り返しますが、30年近く前の本です

@rafcocc
「低線量内部被曝の脅威―原子炉周辺の健康破壊と疫学的立証の記録」 amazon.co.jp/dp/4846111059 の原書はたぶんこれ amazon.com/dp/1568580665 ですけど、この方は1996年の本書以外1冊も著作なし。出版社は2007年に潰れてる。(´・ω・`)
Amazon.co.jp:低線量内部被曝の脅威―原子炉周辺の健康破壊と疫学的立証の記録 [単行本]

ジェイ・マーティン グールド (著), Jay Martin Gould (原著), 肥田 舜太郎 (翻訳), 齋藤 紀 (翻訳), 戸田 清 (翻訳), 竹野内 真理 (翻訳)

登録情報
  • 単行本: 384ページ
  • 出版社: 緑風出版 (2011/04)
  • ISBN-10: 4846111059
  • ISBN-13: 978-4846111052
  • 発売日: 2011/04
Product Details
  • Paperback: 346 pages
  • Publisher: Four Walls Eight Windows (January 1996)
  • Language: English
  • ISBN-10: 1568580665
  • ISBN-13: 978-1568580661

この方もあまり情報がないのですが、英語版Wikipediaによれば1966年、1990年、1996年にそれぞれ1冊ずつの著作があって、この「The Enemy Within: The High Cost of Living Near Nuclear Reactors」(1996)が最後の著作になるようです。2005年に亡くなっています。

リンク Wikipedia Jay M. Gould Jay Martin Gould (August 19, 1915 – September 16, 2005), was a statistician and epidemiologist who cofounded the Radiation and Public Health Project in 1989. It was Gould's contention that radiation from nuclear power plants was causing high rates of can

英語版Wikipediaによればエイズも原発の影響にされていそうな感じです。

The enemy within: the high cost of living near nuclear reactors : breast cancer, AIDS, low birthweights, and other radiation-induced immune deficiency effects

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コメント

@rafcocc 2014年6月14日
どうしようかな、と思っていたけど興味のある方がいらっしゃるかも知れないので一応公開しました。
猫轍守衛(RTばっかり) @nekotetumamori 2014年6月14日
『低線量内部被曝の脅威―原子炉周辺の健康破壊と疫学的立証の記録』が英訳されたのは、時期的にスリーマイル事故を受けての事なんだろうか?
neologcutter @neologcut_er 2014年6月14日
ジョセフ・マンガーノって1Fの事故後「アメリカ西海岸で幼児死亡率が上がった」とかヌカしていた科学者の風上にも置けないヤツですよ。
@rafcocc 2014年6月15日
.nekotetumamori TMIは79年なので原書より前ですね。何故92年というタイミングで英訳されたかはわかりません。タイミング的には、92年のソ連崩壊までは反核運動のメインターゲットが核兵器だったものが、平和利用の方にシフトして来た頃の話かな、と思います。
@rafcocc 2014年6月15日
.neologcut_er ありがとうございます!ちょっと調べてみます。
猫轍守衛(RTばっかり) @nekotetumamori 2014年6月15日
rafcoccスリーマイルの方が原書より先でしたか……というより1985年にドイツで出版、1992年に英語版(竹野内氏が翻訳されたのがそれの第2版)とキチンと書いてあるのにどうやら混同してしまいました、スミマセン。
@rafcocc 2014年6月15日
.neologcut_er この人ですね!→ 『福島原発事故で全米で14000人死亡?論文を一緒に読んでみましょう』 http://togetter.com/li/236051
猫轍守衛(RTばっかり) @nekotetumamori 2014年6月15日
それはそうと、『低線量被曝の脅威~』の翻訳者の一人に齋藤紀とあって、もしや福島のわたり病院の斉藤紀医師ではと思ってAmazonのこの本の著者紹介欄を見ると、やはりそうだった。
縄文柴顔の冷泉さん @JosephYoiko 2014年6月15日
ペトカウ効果の本については、Amazonの原著の中身検索でTable of Contentsをご覧頂くと分かりますが、スターングラスを著者扱いしているのは、翻訳者の無理解に起因しております。
縄文柴顔の冷泉さん @JosephYoiko 2014年6月15日
Joseph・まがい物は死んでくれんかな?w
@rafcocc 2014年6月16日
まとめを更新しました。
詐欺師撲滅(10%割引券配布中) @scg_asami 2014年6月16日
出版時期からみて「今なら売れる」と、出版社はろくな検討もしなかったんでしょうね。でもそれは、竹野内さんの翻訳家としての実力がこの程度と言うことを知らしめる効果しかなかったという皮肉。
@rafcocc 2014年6月16日
scg_asami 実力っていうか下訳だけなら普通名前なんかクレジットされない。
詐欺師撲滅(10%割引券配布中) @scg_asami 2014年6月16日
そういうものなんですか。どさくさにまぎれて「わてくしも翻訳者なのよ」名前入れないと国へ質問しますよと出版社脅したんでしょうか。
脳の病気だから頭脳明晰なキュッコちゃん @yoshiyuki_5116 2014年6月16日
翻訳業はわからないけど数時間の手伝いでクレジット入れられたこともあります。
新居元治 @Nii_MotoharuNX 2014年6月16日
\お家で寄付くれくれ活動家/竹野内真理 #デマリン タソが何やらご立腹でつよψ(`∇´)ψ! ☞ https://twitter.com/mariscontact/status/478375397940154368
かすかわ @kskw 2014年6月16日
『人間と環境への低レベル放射能の脅威』ですが、書店データから類推すると、初版部数はたぶん1000部前後じゃないかと。返品が66%くらいなのでw まぁせいぜい400部の実売といったところ。売れ行きと内容は関係ないという反論はむろん可能ですが、出版社からしたら「次の依頼」はないかな、と。
かすかわ @kskw 2014年6月16日
あ、間違えました。上記は『原発閉鎖が子どもを救う』のデータでした。申し訳ありません。
@rafcocc 2014年6月16日
まとめを更新しました。(*´∇`*) @mariscontact
今田家の猟犬、ysd @ysdnrhr 2014年6月16日
その緑風出版って割引セールをやるAmazonは再販制度違反なので今後本を下ろさないって息巻いてた出版社じゃありませんでしたっけ?
@rafcocc 2014年6月16日
.kskw 書店から放射能関連本コーナーが撤去され始めた後の発売なので、ちょっと時期を逃した感は否めないですね。
@rafcocc 2014年6月16日
ジョセフ・J・マンガーノ氏の学位や経歴について、翻訳者である竹野内真理(@mariscontact)さんから、もう少し詳しい情報が戴けるのではないかと期待しています。(*´∇`*)
@rafcocc 2014年6月16日
.ysdnrhr 出版社のサイトにはそのような宣言が出てますね。http://www.ryokufu.com/top.html おそらく出荷を停止した5/1から1冊も売れていないということなんじゃないでしょうか。(*´∇`*)
かすかわ @kskw 2014年6月16日
『原発閉鎖が子どもを救う』が最大見積もって印刷1500部といったところでしょうから、印税折半で19.5万円がせいぜい。原作者への支払いとか考えるともっと低いでしょうから、源泉徴収されないカンパの方がいかに美味しいか、と。
かすかわ @kskw 2014年11月8日
こちらの書籍は未見ですが、バンダ氏の論文の抄訳と称するモノを見ると、このひと化学(もちろん化学も)の知識がほとんどないみたいです。単純に単語を訳しているだけなので、そこで何が起こっているのかを全く理解していない印象です。だからクレイ土みたいなみっともない間違いを起こすんでしょうが。
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