甲状腺がんは増加しているか

・超音波機器の発達による見かけの増加はあるに違いない。 ・そのほかに真の増加があるだろうか。あるとすれば、その原因は医療被ばくに求められるだろうか。
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Masato Ida, PhD @miakiza20100906

総説論文(無料): 甲状腺がんの世界的な発症率増加 hindawi.com/journals/jce/2…  2013年、Pellegritiら。正確な原因はいまだ不明だが、診断技術の向上による見かけの増加と、医療被ばくの増大などによる真の増加が合わさったものではないか、という考察。

2013-05-11 10:44:45
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

甲状腺がんの自然発症率が真に上昇していると考えられる理由(p.5)  1.小さな腫瘍のみではなく、大きい腫瘍での発症も増えている。 2.発生率はそのままで、早期発見がなされているのであれば、大きい腫瘍や進んだステージでの発症は減るはずだが、そうはなっていない。

2014-06-14 16:23:09
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

3.乳頭がんタイプのものだけが増えている。 4.発症率の上昇の仕方が年齢や性別によって異なる。 5.がん登録の精度向上は、他のがんにも同様に影響するはず。

2014-06-14 16:23:40
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

6.死亡率に大きな変化が見られないのは、「早期発見・治療技術向上」の効果が「発症数の増加」と打ち消し合っているためかもしれない。 7.一般に甲状腺がんの進行は遅いため、発症率の上昇が死亡率に影響を与えるのは数十年後だろう。 8.近年のデータでは、特に男性で死亡率が上昇している。

2014-06-14 16:24:37
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

以上、Pellegriti らの総説論文(2013年、無料) twitter.com/miakiza2010090… より。 「発症」と「発生」が混ざってしまったけど気にしない。

2014-06-14 16:26:43
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

ちなみに、甲状腺検査評価部会で津金昌一郎さんが示した資料 pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanr… には、「真の発症率上昇ではない」と主張し、その後、多数の論文で否定された Davies & Welch(2006年)しか引用されていない。これはアンフェアだろう。

2014-06-14 16:39:08
早川由紀夫 @HayakawaYukio

科学に多数決を持ち込まれても、ね。

2014-06-14 21:23:41
早川由紀夫 @HayakawaYukio

科学は、内容です。中身です。 (Natureに2本出ても、世紀のインチキだったりするわけですから)

2014-06-14 21:24:27
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

この総説論文 twitter.com/miakiza2010090… でも使われている「true increase: 真の増加」、「apparent increase: 見かけの増加」という語句、私がたまに使う「見かけの」も、この apparent の訳。

2014-06-15 07:15:20
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

甲状腺がんの自然(?)発症率増加ひとつをとっても、とても一筋縄ではいかない。 twitter.com/miakiza2010090… twitter.com/miakiza2010090… twitter.com/miakiza2010090… twitter.com/miakiza2010090…

2014-06-15 08:42:56
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

甲状腺がんの自然発症率増加について、「診断技術の向上などだけでは説明がつかず、真に発症率が増加しているはず」とする論文は、もう何本出ただろう。多くなりすぎて整理がつかない。 @miakiza20100906

2014-06-15 08:47:54