#お好み焼き屋浜風 まとめ３【艦これSS】

紅吏珠名 @chrishna_c2

艦隊もとうに半数以上が大破。もはや、ここまでですか……。 金剛、大和、武蔵、そして信濃。 かつて私が護衛を命じられながら護りきれなかった仲間。 彼女たちが沈みゆく最期を走馬灯のように思いだしていきます。#お好み焼き屋浜風

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慈悲もなく敵艦から砲塔を向けられ、ああ、再び沈んでしまうのね……と死を覚悟したその時でした。 新作のお好み焼きのアイデアが閃いたのです。 「――あの状況を覆したのみならず、拠点制圧まで成功するとは、いったいどんな奇跡を起こしたんだい」 お好み焼きの力は偉大です。#お好み焼き屋浜風

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今日はお店はお休みですので、お好み焼き屋めぐりです。 「はむはむもぐもぐ」 「浜やん、ほんまお好み焼き好きやなあ」 「えっへん。それほどでも」 「……？　どこで習ろたんそないな喋り方」 #お好み焼き屋浜風

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「にしても浜やん。いっぺんに何枚食うとるんや。ひぃ、ふぅ、みぃ、４枚てアンタ」 「かけつけ３枚という言葉があるじゃないですか」 「それは酒飲みの話や」 「締めの１枚とも」 「それはラーメンや」 #お好み焼き屋浜風

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「それに、お好み焼きの締めにお好み焼き食うって、どない神経しとんねん」 「関西では、お好み焼きをおかずにごはんを食べると聞きますが」 「そらそうや。お好み焼きとごはんは別腹やで」 #お好み焼き屋浜風

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「それと同じです。私にとって、こっちのお好み焼きとこっちのお好み焼きは別腹なんです」 「はぁ……ウチは胃袋小さい身体しとるさかい。とても真似でけへんわ」 「あと2軒ほどお店を回ったあと、美味しいスイーツを食べにいきましょう」 「まだ食うんかい！」 #お好み焼き屋浜風

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「つか。そないモリモリ食うとったら、あっと言う間に太ってまうで」 「そこは大丈夫です。いくら食べても太らない体質ですから」 「そら、えらい便利な体質しとるのう」 「食べた分の栄養は胸にいくみたいですから」 「ほぉぉう……喧嘩売っとるんなら高ぉ買うたるで浜やん」 #お好み焼き屋浜風

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「ええか。おっぱいはなぁ、宝や。女は生まれながらに平等ではないんや。ウチかて好きで貧乳に生まれてきたんちゃう。持つ者には分からんこの境地。浜やんの胸、ちょっち分けてほしいくらいやわ」 「うん。この味つけはアリですね。勉強になります」 「ウチの話きいてや！？」 #お好み焼き屋浜風

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「艦隊を護衛することが護衛艦である私の任務です」 「せやな」 「お好み焼きを焼くことも私の任務です」 「せやな」 「じゃあ鎮守府の護衛とお好み焼きと、どっちが大事なん？」 「そんなの決まってるじゃないですか」 「あー、上官の前でその続きを言わないでほしいな」 #お好み焼き屋浜風

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おかげさまで有事は艦隊の護衛艦、平時はお好み焼き屋の店主という二重生活にも慣れました。 軽空母である龍驤さんとの連携で、敵水雷程度が相手ならへっちゃらです。 「敵艦隊発見。これより迎撃を開始します」 「浜やん浜やん。両手に艦砲やのうてお好み焼きのヘラ持っとる」 #お好み焼き屋浜風

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お好み焼き屋浜風で、スタンプカード制度を導入してみました。 お好み焼き一枚のお食事につきスタンプ一個が捺印され、１０個集めると、お好み焼きが１枚無料になるサービスです。 #お好み焼き屋浜風

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さっそくサービスを利用されるお客さんがいました。 カードにポンとハンコをして、両手で二つ折りをして、そっと口もとで閉じます。 その様子を見ていらしたお客さんが幸せそうな表情でカードを受け取ると、そっと胸元にしまいこむのです。 なんだか和んでしまいますね。 #お好み焼き屋浜風

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スタンプを溜めると、お好み焼きが一枚無料で食べられて、その上お店のお得意様として裏メニューを注文できるようになったりします。 割とお得なサービスですので、ぜひご活用くださいね。 #お好み焼き屋浜風

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■裏メニューの一覧： ・なのです焼き（マヨで「！すでのな」と書いたもの） ・ニイタカヤマノボレ級こと、お好み焼き二級（キャベツマシマシ） ・ロイガー級こと、お好み焼きロ級（うねうねしている） ・レクイエム級こと、お好み焼きレ級（胃腸の弱い方はご遠慮ください） #お好み焼き屋浜風

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レーションとしてお馴染みの戦闘糧食Ⅱ型のバリエーションに、お好み焼きを加えてほしいと提督に提案したところ、素気なく却下されました。 #お好み焼き屋浜風

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お好み焼きが喉を通りません。代わりに谷風が全部食べてました。 何も気力がわきません。さっきから私にイタズラしている谷風のことも気にならないくらい。 お客さんたちが心配して声をかけてくださいますが、「大丈夫です」とから元気に微笑み返します。 #お好み焼き屋浜風

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お好み焼きを返す手を休めてしまったら、そのまま泣き出してしまうことでしょう。 今日のお好み焼きは、いつもよりちょっぴり塩辛かったそうです。 #お好み焼き屋浜風

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お仕事が終わったら、枕を静かに濡らそうと思いました。 この哀しみは、私一人で乗り越えなくちゃいけないことですから。 #お好み焼き屋浜風

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「まぁまぁの店ね。妙高姉さんの目に叶うかどうかは怪しいけど」 陽炎型駆逐艦7番艦・初風。 お昼時の忙しい時間帯を過ぎた頃。ほとんど貸切に近い状態の店内のカウンターの席に、彼女はひとり座っていました。 #お好み焼き屋浜風

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「じー……」 なんでしょう。私の顔になにかついているんでしょうか。 「見てるだけよ、いけないの？」 さっきからずっとこんな調子です。 #お好み焼き屋浜風

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「浜風」 重い沈黙をやぶるように、 「私の質問に、よく考えて答えて」 唐突ですね。けれど彼女の目は真剣。答え方を間違えてはいけないと思いました。彼女にとってこれは、とても大切な意味を持つ質問のはずなのですから。 「あなたにとって、私は何人目の私かしら？」 #お好み焼き屋浜風

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質問に対する答えは、最初から決まっていたようなものでした。 「７人目ですね」 「……どういうこと？」 訊ねかえす初風姉さん。 「貴女は陽炎型７番艦で７番目の姉さん。それ以上でもそれ以下でもありません」 ……。重く、静かで、けれど穏やかな沈黙が辺りを包みました。 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「いままで妙高姐さんにごめんなさいと言うことだけが私のやり残したことだった。でも今日、新たにやりたいことができた」 彼女は、さっきまでの影を落としていたどの初風姉さんよりも、綺麗で、素敵な初風姉さんでした。 「おかえりなさい。初風姉さん」 「ただいま。浜風」 #お好み焼き屋浜風

紅吏珠名 @chrishna_c2

「せっかくだから、姉としてなんでも妹の相談に乗ってあげるわ」 「ではメニューの新作の味を試していただきたいです」 ……。 「何でも安請け合いするものじゃないわね……」 3枚目あたりで初風姉さんは胸焼けを起こしてダウンしていました。 胃薬の常備はありましたかね。 #お好み焼き屋浜風