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f_zebraさんの解説「改正電気事業者法と再稼働問題…夢物語に逃避している限り、将来の世代から確実に社会資本と生存権を毟り取り続けているということは忘れないようにしたい」

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「電力小売りを完全自由化 改正電気事業法が成立」(日経新聞)

 家庭向けを含めた電力小売りを2016年に完全自由化する改正電気事業法が11日午前の参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、電力10社が地域ごとに販売を独占してきた体制を改める。家庭などの消費者は契約する業者を選択できるようになる。  電力会社は各地域への供給義務を負う前提で、家庭向けの販売を独占してきたが、法改正により供給義務を外..

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@f_zebraさんの解説!

Flying Zebra @f_zebra

改正電気事業者法について、報道でも通り一遍の説明はされているが、具体的な内容は報道しているメディア自身が深く理解してるとは思えず、何となく自由化されて電気料金が下がる、くらいのイメージしか持っていない人も多いのではないだろうか。少し掘り下げて考えてみたい。

2014-06-17 20:33:32
Flying Zebra @f_zebra

大きく3つの段階に分かれている電力システム改革において、今回決まった2016年からの小売の自由化は第2段階に当たる。第1段階は来年に予定されている広域系統運用機関の創設だ。この機関が、現在は電力会社同士の話し合いで行われている電力融通などを統一的に調整することになる。

2014-06-17 20:34:11
Flying Zebra @f_zebra

2016年に小売が自由化されてもいきなり料金規制が全廃されるのではなく、経過措置として一部に規制料金が残る。この経過措置期間は、改革の第3段階、送配電部門の法的分離のタイミングで終了することになっている。具体的な時期としては2018年~2020年が目処だ。

2014-06-17 20:34:52
Flying Zebra @f_zebra

ありがちな誤解は、規制は「悪」であり、撤廃して自由化すれば世の中は必ず良くなる、というものではないだろうか。過剰な規制が健全な競争を阻害するのはもちろんだが、電力については現在の規制が「過剰」かどうかは一概には言えない。そもそも、なぜ規制が行われてきたのだろうか。

2014-06-17 20:35:51
Flying Zebra @f_zebra

戦前の電気事業は数十社がひしめき、熾烈な競争が行われていた。発電設備や送配電網などに莫大な固定費がかかる電気事業では規模の経済が働くため、各社は拡大を目指して競争を繰り返す。その間は価格が下がって消費者にメリットがあるが、やがて勝ち残った会社による寡占が進む。

2014-06-17 20:36:52
Flying Zebra @f_zebra

競争の過程では送電網の二重投資など無駄も多く、寡占が進んだ後には損失を取り戻すために値上げされることになる。結果的に、ライフラインである電気の料金が急激に変動することになる。戦後復興に伴い電力需要が増加する中、効率的に供給体制を確立するために規制が導入されたのだ。

2014-06-17 20:38:00
Flying Zebra @f_zebra

大きな固定費や規模の経済という電気事業の特性は現在も同じだし、参入規制によってインフラの二重投資が防止されているのも変わらない。ところが、発電技術の進歩にともなって比較的少ない費用負担で発電設備を建設できるようになり、1980年代頃から自由化の機運が高まってきた。

2014-06-17 20:39:07
Flying Zebra @f_zebra

電気事業者法は今回の前にも1995年以降4回改正され、段階的に自由化が進められてきた。小売部門については契約電力規模が一定以上の利用者を対象とした部分自由化で、段階的に規模を引き下げてきた。全面自由化は震災以降に本格的に議論されるようになった。

2014-06-17 20:40:31
Flying Zebra @f_zebra

全面自由化が実現し、料金規制も撤廃された後に料金がどうなるかは分からない。完全に自由な競争に任せてしまえば大規模契約の料金は下がり、小規模な家庭や高コストな離島などの料金は上がるのが自然な流れだ。自由化で料金が極端に高くならないよう、別途何らかの制度が検討されている。

2014-06-17 20:41:28
Flying Zebra @f_zebra

アメリカや欧州の先行例を見ても、自由化と料金の関係ははっきりしない。燃料コストなど他の要因に比べて効果が小さいためにデータに表れにくいのだ。ただし、アメリカも欧州も発電容量、送電容量ともにどちらかと言えば過剰気味だ。供給が不足している状態で料金が下がることは、普通はない。

2014-06-17 20:43:05
Flying Zebra @f_zebra

送配電部門が発電部門から分離される電力システム改革の最終段階までは送配電については既存の電力会社が運営し、新規に参入する電源が自然エネルギーなど不安定なものであってもその調整にも責任を持つ。料金規制の経過措置もあるため、あまり大きな変化はないだろう。

2014-06-17 20:45:17
Flying Zebra @f_zebra

良くも悪くも大きく変わるとすれば、送配電部門が分離された後だろう。消費者に対して一貫した責任を負う者がいなくなった後、どのように送配電網を整備、維持し、最終的な品質を保つのか。海外でも様々な仕組みが工夫されているが、完璧なお手本は未だ存在しない。

2014-06-17 20:46:10
Flying Zebra @f_zebra

私たちの社会の繁栄と安全は様々な社会インフラに大きく依存していて、電力というのはその中でも大きな役割を担っている。その仕組みを大きく変えようとしている今、私たち一人一人があるべき姿について真剣に考える必要がある。考える以前に制度の理解さえあやふやな現状は、何とも心許ない。

2014-06-17 20:47:46
Flying Zebra @f_zebra

もう一つ、多くの人が忘れているであろう事実を指摘しておきたい。今考えられている電力システム改革は、あくまでも十分な電力供給余力を前提としている。一定数の原子力発電所が再稼働するのは当然の大前提なのだ。

2014-06-17 20:49:59
Flying Zebra @f_zebra

このまま既存の原子力発電所を全く活用することなく日本という国が立ち行く具体的な方法など、まともに検討されたことすらない。その事実から目を逸らして夢物語に逃避している限り、将来の世代から確実に社会資本と生存権を毟り取り続けているということは忘れないようにしたい。

2014-06-17 20:51:41

関連・まとめ

酋長仮免厨 @kazooooya

『ドイツ:脱原発…前世紀の燃料採掘で光発電施設立ち退きも』(毎日新聞) mainichi.jp/select/news/20… 「急速な再生エネへの転換は難しく、当面は旧来のエネルギー源に頼らざるを得ないためで、褐炭の採掘場拡張のため住人が立ち退きを迫られるなど矛盾も表面化している。」

2014-06-17 22:51:09
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コメント

酋長仮免厨 @kazooooya 2014年6月17日
まとめタイトルがヘンだったので修正しました。
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伊都之尾羽張【刀】 @itunowohabari 2014年6月21日
新規参入各社が申請した発電力に担わせる供給責任の割合と、それに伴う多重コストの比率を如何に整合させるのかなど課題は多い。文字通り『自由化』とは、歯止めがなければ弱肉強食の社会に他ならず、結局は弱い会社が淘汰される点に着目された良いまとめです。FITを残したままの自由化などあり得るのかのぅ…。
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70kite @70kite 2014年6月21日
結局電気を作るコストでシェアが一番大きいのは燃料費。燃料を安く調達できるプレイヤーが出てこない限り電気料金は下がらない。でもそんなプレイヤーはいない。今でも大口電力需要向けの供給は自由化されているので、いるならとっくに参入している筈だから。
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