東京藝術学舎《ミヅマアートギャラリーのアーティスト》第五回 O JUN

O JUN さんのレクチャーをkmngrさんがツイートしてくれました
2
生物群 @kmngr

東京藝術学舎第五回 O JUNさん 始まりました!一番楽しみだった講義です

2014-06-17 19:35:36
生物群 @kmngr

【“イメージという言い訳”ー『リアル』について】というハンドアウトが配られました

2014-06-17 19:36:44
生物群 @kmngr

「皆さんは私の事をまだ殆どご存知ないかと思いますが、一人の作家がどうやって絵を描いたり、描けなくて苦しんだりしていたか、この講義の最後を締めるのには不適かもしれませんが、聴いていただければと思います」

2014-06-17 19:38:20
生物群 @kmngr

「柳田国男『山の人生』“山に埋もれたる人生ある事”、『奥美濃よもやま話 三』“新三郎さ”、そして岐阜日日新聞明治37年4月9日のとある記事から抜粋した文章の三つを印刷したプリントです。父親が生活を苦に子殺しをしたという内容のものです。」

2014-06-17 19:42:18
生物群 @kmngr

「なぜ絵描きの私がこのテキストを使ったか話します。気になる出来事を少ししまっておいて、後で取り出して絵にするという事をしています。その一つがこの柳田国男の文章でした」

2014-06-17 19:43:55
生物群 @kmngr

「柳田国男は今で言う東京大学を卒業して官僚になり、20代の頃にこの裁判記録を見て、釈然としなかった。そのあと何十年も経って、日本の地方の色々な村のフィールドワークを始め、それから民俗学的な研究に取り組んでいきます。日本は海に囲まれた国ですが、彼は山の調査から始めました」

2014-06-17 19:46:35
生物群 @kmngr

「それが『山の人生』です。調査をしている間に子供の神隠しなどの事例が色々出てきて、その時に官僚時代の、義父の父親による二人の子殺しを思い出して、そして『山の人生』の序文に持ってきたそうです」

2014-06-17 19:48:41
生物群 @kmngr

「『山の人生』と、『奥美濃よもやま話』、『岐阜日日新聞の記事』この三つは同じ事件について文章にしているのですが、これを並べて見ると、それぞれの言葉や文章の質感で風景がリアルに立ち上がってきます」

2014-06-17 19:50:38
生物群 @kmngr

スライド供覧「昭和29年の初代ゴジラの登場シーンです。ゴジラが登場するまでに盛り上げのエピソードが一時間近く続くのですが…いま見ると技術的には非常に映像的にもカワイイところがありますね。私はこれは8歳くらいにテレビの再放送でみました。異様に興奮したのを覚えています」

2014-06-17 19:55:11
生物群 @kmngr

「これは山越しの阿弥陀像の仏画です。臨終のときに、阿弥陀様が菩薩を引き連れて迎えにきてくれる、安らかに成仏しなさいという当時の信仰を絵にしたものですね。文久年間に描かれた来迎図です。来迎図は鎌倉時代に盛んに描かれましたが、これはずっと後のもの。」

2014-06-17 19:58:02
生物群 @kmngr

「この絵はファンキーな印象で、色もアッパラパーな配色なんですが、これはこれで面白い来迎図ですね。折口信夫さんが、この山越しの阿弥陀像について、画因といいましょうか、エッセイを書いています。この後あの有名な死者の書というのが書かれます」

2014-06-17 20:00:41
生物群 @kmngr

「私は過去のある時期にドイツに住んでいて、その時にジムでフィレンツェ出身のイタリア人アレクサンドロと仲良くなりました。彼の実家にお邪魔したら、彼のお父さんが写真好きで、倉庫にたくさん昔からの家族写真のフィルムがありました。彼にフィルムをもらって、ドイツに帰ってから焼いた写真です」

2014-06-17 20:03:08
生物群 @kmngr

「これはテレビで写ったあるシーンです。お母さんと子供が映っていますこれはカウンターテナーの米良美一さんの子供の時の写真です。ヨイトマケの歌をバックに、この写真が流れてきました。不思議なものを見たような強い印象を持ちました。」

2014-06-17 20:05:35
生物群 @kmngr

「この四つは時期も場所も関係なく自分の中に強い印象を残しました。その後描いたのがこの『来迎図』という、少年が山の向こうからヌッと現れる一つの絵です。僕の絵は一つの絵に対して脈絡のない幾つものイメージが寄り集まって一枚の絵になっていくものなのです。」

2014-06-17 20:07:20
生物群 @kmngr

「強烈なイメージはいつも頭の中で明滅していて、出ては消えているのですが 、何かのきっかけで絵にしてしまうのです。そのきっかけというのは、自分の場合画材です。理想とか理念で絵を描くのでなく、画材、鉛筆、油絵の具、水彩、紙、キャンバスが自分に絵を描かせます」

2014-06-17 20:09:33
生物群 @kmngr

「一つの絵の中で描きたい事はたった一つだけ」「描いた絵の隣には描かれなかった絵があります。描きあがった絵を見ると、描けなかった絵のことを考えてしまいます」

2014-06-17 20:11:48
生物群 @kmngr

「昨年、富山県の発電所美術館という面白い場所に行きました。発電所なもんですから展示スペースがあまりありません。二人展だったのですが、もう一人の方も画家で、絵画には不向きなスペースでした。昔水を貯めてタービンを回していただだっ広い空間、床が広いのです」

2014-06-17 20:14:55
生物群 @kmngr

鈴木さん「発電所美術館は面白くて、頑張ってるキュレーターの方がヤノベケンジさんや内藤礼さんとか世界レベルのアーティストを連れてきてた。水がタダで、みんな水汲みにきたりして…夏に行って、暑いですねなんて言ってたら職員の方が水道の蛇口をいくつも開けて冷やしたりして」

2014-06-17 20:17:32
生物群 @kmngr

鈴木さん「関係ないですけどテートモダンももともとテムズ川沿いの火力発電所ですね」

2014-06-17 20:18:15
生物群 @kmngr

「自分は子供の頃から寝転んで絵に接近して描くという方法をとっていて、描いてる方法そのままに、ということで9歳とかもっと子供の頃からの50年分のドローイングを大きな床面を使って展示しました。中二階のようなバルコニーから見下ろす事ができます」

2014-06-17 20:20:16
生物群 @kmngr

「考えてみたら物を真正面から、見やすい位置から観る機会って少なくて、斜めからみたり、目の端で見たり、ぼんやり見たり…絵が見えたり見えなかったり、見えにくかったりするような感覚を展示で現しました。」

2014-06-17 20:22:53
生物群 @kmngr

「絵はレイヤー、層になっている、と絵描きはよく言うのですがきっちりとした層ではなく『多少重なっている』あるいはジグソーパズルのうまくハマらない状態、群島、ぼんやりとなんとなく集まる状態から、一枚絵を描く時に新しいイメージとして立ち上げます」

2014-06-17 20:24:34
生物群 @kmngr

「府中市美術館の《描く児》という展示の話です。公開制作を山越しではなく…ガラス越しにしました。作家にとっては地獄ような…自分はガラスもとっちゃって、近くまで来て良いことにしてしまい、この試みで大変な目に遭いました」

2014-06-17 20:35:16
生物群 @kmngr

「何十年も、モデルを前にして絵を描いていないなと思って、近所の女の子と男の子に来てもらって、顔料の中に岩絵の具や膠やその他のものを自分で混ぜて作った画材を使って描きました。モデルの子達は二人とも今は立派な高校生です」

2014-06-17 20:38:31
生物群 @kmngr

「『花・TV・コップ』94〜04年まで描いた作品。94年はドイツにいた頃だったのですが、これらの絵は全部日本で描いたもの。では製作年が94年なのは何故か。ドイツでは日本語で小説を書いていたんです。作品にするつもりはなかったのに、何となく書き出したら、止まらなくなりました」

2014-06-17 20:41:56