『これでわかったビットコイン』誤りと議論のポイント

Kenji Saito @ks91020

拙著『これでわかったビットコイン』、西部さん『貨幣という謎』、吉本さん・西田さん『暗号が通貨になる「ビットコイン」のからくり』、野口さん「仮想通貨革命」 #ビットコイン に関する本が出揃いました。それぞれよいことも書いてあると思いますが誤りや議論したい点があるのでまとめてみます。

Kenji Saito @ks91020

まずは拙著「これでわかったビットコイン」から。入門書を意識した薄めの本ですが、利用者が注意すべき点や、そもそも論なども含めて網羅的に書いたつもりです。ただ、出版時期が早かったので、すでに社会の方が変化しているところもあります。 #ビットコイン

Kenji Saito @ks91020

『ビットコインは、私たちが知る円、ドル、ユーロなど従来の通貨の概念を360度変える新しい通貨なのです(ｷﾘｯ』 #斉藤賢爾 『これでわかったビットコイン』表紙→ここがいきなり間違っていると言われることがあるのですが(笑)、もちろん皮肉で、従来の通貨と何ら変わらないという意味です。

Kenji Saito @ks91020

#斉藤賢爾 『これでわかったビットコイン』表紙→ただ、これが皮肉だとパッと見、分かるためには、日銀券なども実体がないし売買で値がつくし違法な取引や資金洗浄にも使われるということを意識していなければなりません。表紙の裏にでもその旨説明しておいた方がよいのかも知れません。

集会の自由 @oskimura

まともに流通してないのに通貨といいはるの斬新 twitter.com/ks91020/status…

Kenji Saito @ks91020

『これを書いている2014年3月現在…アップル社が、iOS用の App Store にビットコインの《ウォレット》…を載せなくなっています』 #斉藤賢爾 『これでわかったビットコイン』p.17→アップル社のポリシーが変わり、載せられることに。米国内での法整備に依ると思います。

Kenji Saito @ks91020

『…外貨両替所を経営する会社が1社、民事再生手続きに入ったところで、通貨のシステム全体に影響がおよぶものではないのは…』 #斉藤賢爾 『これでわかったビットコイン』p.25→「破産手続き」の間違いです。これを書いたときには民事再生手続き開始の申立てが棄却されない前提でいました。

Kenji Saito @ks91020

『…あくまで物価の上昇に応じて賃金も上がるという前提に立ったらの話ですが、インフレは、貧者よりも、富める者たちにとっての脅威だということです』 #斉藤賢爾 『これでわかったビットコイン』p.66→利子率の上昇により、富める者の資産の目減りは相殺されるのでは、という議論があります。

Kenji Saito @ks91020

#斉藤賢爾 『これでわかったビットコイン』p.79 の en.bitcoin.it/wiki/Main_Page のURLが正しくありません( '_' 漏れ)。こういう細かなところを紙の本で正しく保つのは大変ですね。野口先生の「仮想通貨革命」はこの点スマートなやり方をしていると思いました。

Kenji Saito @ks91020

『「シビル」というのは、解離性人格障害により16の人格をもつにいたった患者の仮名であり…』 #斉藤賢爾 『これでわかったビットコイン』p.83→「解離性同一性障害」が正しい用語です。

Kenji Saito @ks91020

『トランザクション展性を突いた "受け取ってない詐欺"』 #斉藤賢爾 『これでわかったビットコイン』p.84→この部分、取引データを改竄すると TXID が変わることが暗黙になっていて、 読者に不親切かなと思っています。

Kenji Saito @ks91020

#斉藤賢爾 『これでわかったビットコイン』p.84→取引データの改ざんで TXID が変わることが暗黙になっていて不親切なので、「《マイニング》によりそちらが承認されると、」のあとに「ハッシュ値が変わってしまい、」を補った方がよいかな、と思っています。

Kenji Saito @ks91020

『…受信した複数の取引をまとめてデータの《ブロック》に格納し…』 #斉藤賢爾 『これでわかったビットコイン』p.90→《ブロック》という用語はここが初出なのですが、定義しないまま、なんとなくデータの集まりかな、くらいに読者に委ねていて、不親切な気がしています。

Kenji Saito @ks91020

と、拙著「これでわかったビットコイン」に関してはこのくらいなのですが、自分が誤っているところは自分ではなかなか探せないものですので、お気づきの点や、議論したいポイントなどがありましたら、どしどしお寄せ頂ければ幸いです。