暗礁艦隊その5

その5完結。次はその6になります
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CF型マシニーカhir @hir_CF

「あー」 頭が痛い。 朝になって改めて被害を確認したが、酷いとしか言いようがない。 神通、五十鈴、熊野、長良が全損。熊野は先日鈴谷に株分けしたばかりの妖精さんを適当な体に移せばまだパーソナリティだけは助かるのが不幸中の幸いか。 中大破多数、施設は九割が破壊。資源全滅。 #暗礁艦隊

2014-06-14 14:14:30
CF型マシニーカhir @hir_CF

「仕方ない」 提督は携帯を取り出した。 つるるるるる… 「私だ。ああ。久しぶりだな。こちらは今ひどい状況だ。戻ってこられるか?そうか。ではありったけの資源も頼む。急いでくれ。ああ。会いたかったよ。戻ってきたら一緒に風呂でも入るか?じゃあ頼む、相棒」 つーつー #暗礁艦隊

2014-06-14 23:24:13
CF型マシニーカhir @hir_CF

未成熟な肉体。幼女と少女のちょうど境目を行き来する年頃に特有の儚さを秘めたそれは、無感動に欲望を受け止めていた。 「それでおしまいっぽい?」 つまらなさそうな口調。 答える事もなく、彼女に跨がり腰を振っていた男は精も根も尽き果て、崩れ落ちた。 そこで携帯が震える。 #暗礁艦隊

2014-06-14 23:32:21
CF型マシニーカhir @hir_CF

「どなたっぽい?…てーとくさん、お久しぶりっ!うん!今へーき!お話終わったとこ!こんな時間にどうしたの?大変っぽい?戻った方がいい?ぽい!わかった!一緒に遊んでほしいっぽい!わあい、すぐ戻る!」 通話が切れる。 彼女は一糸纏わぬまま、カーテンを開けた。太陽が眩しい #暗礁艦隊

2014-06-14 23:37:25
CF型マシニーカhir @hir_CF

「みんなっ、おはようっぽい!」「おはよー」「おはようございます!」「ぐーてんもるげん」 すっかり身支度を終えて集合場所へとやってきた少女と仲間たち。 「しかし朝帰りとは珍しいですね」 「うん!夕立、赤いタマタマが転がり落ちるの見てみたかったんだけど、出なかったぽい!」 #暗礁艦隊

2014-06-15 08:12:44
CF型マシニーカhir @hir_CF

「ヒェー」「いやいや出ませんって!」 「そうっぽい?」 「ていうか何してんですかあんた」 「赤玉出るまで頑張ったら皆殺しはやめてあげるって言っただけっぽい?」 「あー。で、どうしたんですか」 「約束通りにしようとしたら警察来たから逃げたっぽい!」 「ヒェー」「ほっ」 #暗礁艦隊

2014-06-15 08:18:02
CF型マシニーカhir @hir_CF

「全く、困ったもんですねこの狂犬」 「わあい褒められた!」 「褒めてませんってば。大体なんで交渉こじれたからってマフィア壊滅させるんです?」 「喧嘩はビビらせたら勝ちっぽい!」 駄目だこいつという生暖かい視線。これでIQ180の天才だったりするから油断がならない。 #暗礁艦隊

2014-06-15 08:24:18
CF型マシニーカhir @hir_CF

「よお!派手に暴れたみたいだな」 艦娘一同に声がかけられる。若い男の声た。 「あっ。おじさん、お世話になりました!」 「おいおい、ポ…じゃなかった夕立、俺はお前さんの提督と同い年だぜ?」 「そーだった!おじいちゃん!」 その言葉におじさんもといおじいちゃんは苦笑。 #暗礁艦隊

2014-06-15 08:51:35
CF型マシニーカhir @hir_CF

「預かってた資源、詰められるだけは詰め込んだ。途中で落っことすなよ?」 「わかったっぽい!」 「死ぬなよ」 「うんっ」 「じゃあな。行くわ。これでも忙しいんでな」 そういい残し、男は立ち去った。 「何者です?提督や夕立さんと馴染みなのは分かりますが」 「仲間っ!」 #暗礁艦隊

2014-06-15 09:05:57
CF型マシニーカhir @hir_CF

「提督、サッカー負けたそうですが」 「厄落とししたと思っとけ!」 #暗礁艦隊

2014-06-15 12:06:58
CF型マシニーカhir @hir_CF

#暗礁艦隊 もそろそろ実況用タグ作ろう。需要なさそうだけど一応 #暗礁 でよろしくお願いします。

2014-06-15 23:35:42
CF型マシニーカhir @hir_CF

「何はともあれ腹が減っては戦はできぬ、だ。手配はしたがそれだけじゃ心許ない。名取。傷はどうだ?」 「は、はい。殆どないです」 「そうか。昨日は大変だったが、一仕事頼んでいいか?」 「わかり…ました」 「では周辺の海上護衛を頼む。次は─」 テキパキと仕事を割り振る提督 #暗礁艦隊

2014-06-16 10:58:19
CF型マシニーカhir @hir_CF

「で。最大の問題はこれだ」 最後まで指示を与えず残しておいた数名にいう提督。 まだ中破したままの時雨と榛名。隼鷹。ヘドロまみれの山城。 「二人とも済まないな。ドッグが開くまでそのままだ」 「うん」「はい、榛名は大丈夫です」 「では作戦会議を始めようか」 #暗礁艦隊

2014-06-16 11:06:33
CF型マシニーカhir @hir_CF

「昨日、地下を音波探索した時に霞が気付いてな」 提督が取り出したのは周辺の地図。 「この辺りから地層が変わる。人家もなく配管もないが、そちらの方にトンネルが延びてるようだ。が、ここで突然途切れる」 提督は地図を指でなぞった。 「地上に穴もない。ならばどこから?」 #暗礁艦隊

2014-06-16 11:18:42
CF型マシニーカhir @hir_CF

「埋め戻されたんじゃねーの?」 隼鷹の疑問。 「かもしれない。が、もうすぐ分かる」 その時、作戦会議室に駆け寄ってくる姿が。と言ってもシートを上に張っただけだが 「提督!分かったわ」 「そうか。奴らどこから来たんだ」 「地下に延びてたのよあれ!でっかい空洞があるわ!」 #暗礁艦隊

2014-06-16 11:23:22
CF型マシニーカhir @hir_CF

暗礁艦隊鎮守府のあるK市T区は海に山が面した地形に洞窟の多さが特徴の地域である。道を歩いているだけでも洞窟と立ち入り禁止の看板を見かける。 「巨大地底湖…だと」 資料を調べて判明したのは驚くべき事実であった。 ㎞単位の巨大な地下空間が忘れ去られていたというのだ。 #暗礁艦隊

2014-06-16 11:35:40
CF型マシニーカhir @hir_CF

「試みに問う。艦娘の品質にばらつきはない。同じ型の艦娘は全く同じだ。 ならば何を持って区別する?わたしには区別できない。故に、轟沈した筑摩と今の筑摩は別人なのか?と聞かれれば、Noと答えよう。君はどうだ?」 他の提督にこの問いを投げかけたい(人造系に限る #暗礁艦隊 #魔法使い

2014-06-16 18:15:02
CF型マシニーカhir @hir_CF

「調査の人選だがどうするべきかな。場所柄火力はさほど意味がない。軽快さと出来れば低燃費、近接戦闘能力もか」 半ば頭の中では決まりつつあるが、敢えて提督は問う 「叢雲はアンテナが槍になるね。あとは僕もかな。文月は…まだ修理中か」 尚、その場にいた宮司はミンチになっていた #暗礁艦隊

2014-06-17 17:40:05
CF型マシニーカhir @hir_CF

「後は天龍と龍田もか。そう言えば軽巡は混焼缶が多かったな。…重油も足りんし、ホームセンターから木炭買ってきたらなんとかならんか?」 実は何とかなる。 艦むすにとっては味が不味いだけだ。 「とりあえずその辺でいいか。後は海だ」 あれだけの地底湖なら海と繋がっているはずだ #暗礁艦隊

2014-06-17 18:42:15
CF型マシニーカhir @hir_CF

「む?木炭?燃料??」 なにか大事な事のような気がする。気のせいか? それはまあいい。問題はまだある。そろそろくる頃か。 「いやー。すごいことになってますな。提督さん」 町長、警察署長も。政府が崩壊している今、彼らは町内では権力者だ。実行力を持つ提督には及ばないが。 #暗礁艦隊

2014-06-17 21:10:48
CF型マシニーカhir @hir_CF

深海棲艦が現れてからと言うもの、この町の住人は避難生活を強いられていた。それが変わったのは魔法使い提督と暗礁艦隊の活躍により曲がりなりにも海の安全が確保されたからだ。同時に彼らは暗礁艦隊にとっては資金源の一つでもある。 「ようやく安全が確保できたと聞いてね」 #暗礁艦隊

2014-06-17 21:15:53
CF型マシニーカhir @hir_CF

「状況はどうですか」 町長の質問。提督はどうも彼が苦手だ。 「ええ。どうも近場に奴らの巣があるようでして」 「近場…ですか?」 「地下の可能性が。現在偵察部隊を編制中です」 「ほう。……険しい顔をしておられる」 「そうですか?」 思わず考え込む魔法使い提督。 #暗礁艦隊

2014-06-18 08:47:21
CF型マシニーカhir @hir_CF

「亡くなられた方がおられると聞きました」 「ええ。宮司さんを守れなかったのは我々の責任です」 「いえ、貴方のところのお嬢さんも何名か亡くなったのでしょう?」 「ええ」 てっきり批難でもされるかと思ったのだが。 「我々を守って奮闘されていることは皆知っていますよ」 #暗礁艦隊

2014-06-18 08:49:35
CF型マシニーカhir @hir_CF

「ですから、落ち着いたら亡くなった方へのお弔いをさせてください」 「ありがとうございます。皆も喜ぶかと」 双方深々と礼。 「さて。お忙しいだろうとは思うのですが、確認したい事がありまして」 さあ来たぞ。提督も気を引き締める。 「どれほど危険が差し迫っていますか?」 #暗礁艦隊

2014-06-18 08:55:16
CF型マシニーカhir @hir_CF

正直難しい質問だ。 危険度は極めて高い。だがそれを言ったところで町の人間にはどうしようもないし、パニックを巻き起こすかもしれない。更に言えば、仮に彼らを疎開させるにしてもそれが安全かどうかすら判然としない。そもそも戦力が絶対的に足りない。なので疎開という選択肢はない。 #暗礁艦隊

2014-06-18 09:00:44
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