140618 岩上安身による内藤正典・同志社大教授インタビュー 実況ツイート

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岩上安身 @iwakamiyasumi

1.本日15時より行った内藤正典・同志社大学大学院教授インタビューの @IWJ_ch1 による実況ツイートを、加筆修正し連投します。 イラク、イラン、シリア、サウジアラビア、トルコ…ここ数日で急変した中東情勢について、そして集団的自衛権について、幅広く聞きました。

2014-06-18 21:11:49
岩上安身 @iwakamiyasumi

2.岩上安身「現在イラク北部では、ISISまたはISILと呼ばれるスンニ派の武装組織ISISが急速に台頭しています。これまでテロ組織というと、陰に隠れて攻撃をするというイメージでしたが、このISISは都市や国家を面的に掌握し、統治まで行ってしまうものではないのか…(続く)」

2014-06-18 21:21:18
岩上安身 @iwakamiyasumi

3.岩上「(続き)…またISISの動きを受けた国際社会、とくにこれまで敵対関係にあったイランと米国が接近するそぶりを見せているとも報道されています。 いったいこの地域で何が起こっているのか」

2014-06-18 21:22:19
岩上安身 @iwakamiyasumi

4.内藤正典教授「内藤正典教授(以下内藤教授)「米国は『テロ組織』と喧伝しているが、本当にテロ組織と呼んでいいのかという疑問があります。確かにISISはアルカイダとのつながりが指摘され、そのことから『テロ組織』ということになっている」

2014-06-18 21:22:57
岩上安身 @iwakamiyasumi

5.内藤氏「実は、アルカイダがテロを行うようになったのは2003年のイラク戦争開戦後。また、米国のイラク戦争は、フセイン政権がアルカイダとつながっているという理由のもとに始められたが、これは後に出鱈目だと判明します。実は、その後に現在のISISの母体となる組織がイラクに入る 」

2014-06-18 21:24:46
岩上安身 @iwakamiyasumi

6.岩上「ISISを率いるアブ・バクル・アル・バグダディという人物が、もともとビンラディンの配下にいて、その死後の後継者となったザワヒリと仲違いとしたと伝え聞きますが?」。内藤氏「そう言われていますが、そこのところは、はっきりとは分かりません」。

2014-06-18 21:26:04
岩上安身 @iwakamiyasumi

7.内藤氏「『バグダディ』というのは、たんに『バグダッドの人』を意味するに過ぎません。特定の個人をアイデンティファイする材料とはなりません。ISISは、アルカイダと主従の誓のようなものを結んでいると言われてはいます」

2014-06-18 21:27:00
岩上安身 @iwakamiyasumi

8.内藤氏「そして2009年ごろから、イラクにイスラム主義国家を作るという主張のもとに活動を始めた。国際社会で注目されたのは今年6月に入ってから。6月6日にイラク北部の都市モスルを陥落させ、南下しティクリート、ファルージャを陥落させ、首都バグダッドに迫っている、と伝えられている」

2014-06-18 21:28:06
岩上安身 @iwakamiyasumi

9.内藤氏「しかし、モスルにしても、ティクリートにしても、役にたたないイラク国軍を蹴散らしただけで、強力な民兵組織を持つクルド人と全面衝突したわけではないし、現地住民と戦闘したわけではない。ただ、スンニ派の過激派ISISの攻撃は、シーア派のマリキ政権にとっては脅威」

2014-06-18 21:28:49
岩上安身 @iwakamiyasumi

10.内藤氏「イラク戦争の後に選挙を行えば、多数派のシーア派が権力を握る。その次に力を持つのが、戦争協力をしたクルド人」。岩上「スンニ派の一般の人々は、ISISをどう見ているのでしょうか?」。内藤氏「スンニ派の一般の人は、ISISに支配されたいとは考えていないと思います」。

2014-06-18 21:29:52
岩上安身 @iwakamiyasumi

11.内藤氏「ただ、現在はフセイン時代ほどの力がない。したがってISISがシーア派に対抗するなら、やらせよう、というほどの態度ではないか。イラク戦争後は、シーア派が、フセイン時代には力を握っていたスンニ派への復讐として権益を与えなかった」

2014-06-18 21:31:13
岩上安身 @iwakamiyasumi

12.内藤氏「こうしたマリキ政権の姿勢に対するスンニ派の間で不満が高まっているという事を分からせるまでが、ISISの目的ではないか。全面的にシーア派勢力やクルド人と戦うということは考えられない。数が違いますから」

2014-06-18 21:32:11
岩上安身 @iwakamiyasumi

13.内藤氏「ISISは米軍が『根拠のない戦争』で現地住民に多大な被害を与えた後、武器を置いていった。それをイラク国軍が放棄して逃げていってしまったので、ISISに武器が渡ってしまった。これは完全に米国の自業自得。高価なおもちゃを与えてしまった。実に愚かなこと」

2014-06-18 21:32:44
岩上安身 @iwakamiyasumi

14.内藤氏「米国は常に陰謀論の中心として語られがちだが、決定的な部分では間違い続けているのだろうと思う。屍の山を築きながら、少しは学ぶというところ。集団的自衛権について私が否定的なのは、ビッグ・ブラザーは世界を見るときに判断を間違える。その時についていくのか、ということ」

2014-06-18 21:35:39
岩上安身 @iwakamiyasumi

15.内藤氏「政府に、あるいは官邸にこの地域に関する専門家が何人いるのか。また、政府の誘導に対するセカンド・オピニオンを形成するときに重要な、ジャーナリズムも機能しているとは言い難い」

2014-06-18 21:36:07
岩上安身 @iwakamiyasumi

16.岩上「ISISの残虐性が報道されているが、実態は?」。内藤氏「ある組織がイスラム過激派だと言われる時には、慎重に裏をとらなければならない。タリバンもテロ組織とされたが、実際はタリバン以前が非常に強権的であり、アフガンの現地住民に統治を認められたのがタリバンだった」。

2014-06-18 21:37:50
岩上安身 @iwakamiyasumi

17.内藤氏「しかしアルカイダをかくまったとされ、タリバンはテロリストのレッテルを貼られた。米国側の反イスラム的な前提の立て方に、我々は踊らされてしまっている」

2014-06-18 21:38:21
岩上安身 @iwakamiyasumi

18.岩上「ここで問題となってくるのがサウジアラビアの存在。この中東の盟主は、世界中のスンニ派のアルカイダやアルカイダ系とされる過激派を支援していると取り沙汰されている。ISISにもサウジからお金が流れているという話もありますがどうなのでしょうか?」

2014-06-18 21:38:58
岩上安身 @iwakamiyasumi

19.内藤氏「サウジには二面性がある。王家と敵対したビンラディンは、サウジから国籍を剥奪されます。このように、サウジという国は過激派に対しては敵対的な国という一面がある」

2014-06-18 21:39:37
岩上安身 @iwakamiyasumi

20.内藤氏「しかし、ISISがイランというシーア派国家と戦ってくれるなら、支援を行うことはありえる。つまり、国として表立ってISISを支援はできない、しかしシーア派のイランに対抗してくれるなら、と考えるサウジの豪族がISISに対し、裏から裏へ支援をしていても何ら不思議ではない」

2014-06-18 21:40:26
岩上安身 @iwakamiyasumi

21.内藤氏「もう一つ、エジプトへの対応がある。サウジは昨年7月に発足したエジプトのクーデター政権を支援した。本来なら前政権がスンニ派の『ムスリム同胞団』なので、サウジとしては歓迎するものだったはずでした」

2014-06-18 21:42:34
岩上安身 @iwakamiyasumi

22.内藤氏「サウジの王政にとっては、こういうタイプの運動はたいへん都合が悪い。自分たちを脅かすおそれがある。サウジアラビアも、ご都合主義の国ということです」

2014-06-18 21:43:04
岩上安身 @iwakamiyasumi

23.内藤氏「ISISは、当初シリアで知られていた。アサド政権の独裁下にあるシリアでは起きないだろうとされていた、民主化運動が2011年に起き、当初、自由シリア軍と呼ばれていたが、この人たちもまた、ご都合主義的なのです」

2014-06-18 21:43:40
岩上安身 @iwakamiyasumi

24.内藤氏「彼らは本来、アサド体制の軍隊から寝返った人たち。イデオロギーがあったわけでも、リーダーがいたわけでもなかった。権力を取るかに思われた自由シリア軍は、盤石なアサド政権や、背後にいるイランとロシアに対し、苦戦を強いられた。そこにISISIが入っていった」

2014-06-18 21:44:49
岩上安身 @iwakamiyasumi

25.内藤氏「ISISは、スンニ派組織の中では唯一、一本筋が通っているとも言える。他の全てがご都合主義に走る中で、『スンニ派のイスラムによる国を造ろう』と言っているわけだから」

2014-06-18 21:45:25