(ワタシはいま、茫洋とした海を漂っている。ただ、それだけ)(つめたくはない。あつくもない。耳がいたいほどの静寂が立ち込めているようだ)(カレのコエはもう、きこえなくなってしまった) #tea_pr
2014-06-20 01:17:22(ぱち、)(濡れた瞼を開く。そこに見慣れた森の姿はない)━━━ここは(ワタシの知らないセカイ。与えられた知識は、そこがガッコウであると主張してくる)(それでも、ワタシにとっては知らないセカイであることにはかわりなく) #tea_pr
2014-06-20 01:21:20(傍に寄り添っていたカレを探す。ワタシに、カレが探せない理由はない)(だからこそ、ここにカレが存在しないコトにも気付けた)(それなら。なぜ、ワタシはここにいるのか。それを探さなくてはならなかった)(ワタシは、道具だから) #tea_pr
2014-06-20 01:22:38(道具はつかわれなければ、意味はなく。つかわれるからこそ、そこにある)(躰をセカイへと融かす。感じる。ワタシへ語りかけてくるコエへ、耳を澄ます)(強い意志。波動。それは、ワタシのナカから感じるモノ) #tea_pr
2014-06-20 01:24:10あぁ、(わかった。よばれた意味。理由。なら、ワタシはそれをなさなければならない)(撫でた掌には、赤く脈打つ赤の数条)(それだけで、十分だった) #tea_pr
2014-06-20 01:25:18(━━━喉の奥から、唄を紡ぐ)(それはコエではなかった。しかし、唄としか形容のできないモノ)(セカイが震える。応える。鳴動は遥か彼方、電子のソラをも揺るがす) #tea_pr
2014-06-20 01:27:46それは、電子の天地を揺るがす巨大な咆哮だった。しかし咆哮というには余りにも美麗であり、月が鳴いているような音)(その声に、呼び覚まされる。知った声―――知り過ぎた、隣にあった、声) #tea_pr
2014-06-20 01:28:58(血色の目を開き立ち上がる。実際の行動であったかどうかは定かではないが彼は一歩を踏み出した。地面に足がつくような感覚を踏めばガラスの割れる音が響き渡り、ステンドグラスの地面へと着地する。目の前には女とも男ともとれる顔立ちの姿が一つ) #tea_pr
2014-06-20 01:29:52(きらきらと。割れたガラス、散る光をあびる)(遥かむかし。荒野から見た賢君とおなじ黄金がそこに)(込み上げてくるこのきもちを、なにと呼べばいいのか)(こたえなんて、必要ない。だからただ、すうと息を吸った)やはり君は、応えてくれたね。━━━ギル。 #tea_pr
2014-06-20 01:31:45お前の声に応じる者が、我以外何処に居るというのだ。(ガラスの破片を踏みしめ、近付く。いつか広場で対峙した時のように向き合えば、その腕に宿る赤い三条を視認すれば笑みの形に唇を釣りあげる)そうであろう、我が朋友。 #tea_pr
2014-06-20 01:32:27(美しい貎だと、おもう。いまもむかしも、かわらない)(そのコエに応えるように、ワタシもまたカレへと笑ってみせる) #tea_pr
2014-06-20 01:35:05(笑いこそが答え。満足感のままに頷き同じ笑みを浮かべれば、問うべく口を開く)では、問おう。この我を呼びつけた厚顔無恥は、お前か。 #tea_pr
2014-06-20 01:36:16(ワタシの手を、ワタシの胸へと寄せる。たしかにそこにあるカレとのつながりを、今一度確かめる)そうだよ、ギルガメッシュ。君を呼んだのは、ワタシだ。王である君をこうして呼びつけるだなんて、僕くらいのものだとおもうからね。 #tea_pr
2014-06-20 01:38:28違いない。―――しかしまさか我をこのような形で呼び付けてくれるとは、熟貴様は面白い。良いぞ、お前が居るのであるならば、此度の戦い、我を楽しませるに値する。さあ、友よ。聖杯に、戦争に、我に、貴様は何を望む。 #tea_pr
2014-06-20 01:39:43(さながら、はばたく鳥のように両手を広げる)(ずきりといたむ。どこがいたんだのか。ワタシにはわからなかったけれど)━━━僕がのぞむのは、現在も過去もかわらない。……ギル。君と、共に。(かわらぬ願いを。道具、泥人形として造られたワタシにはすぎた願いを言葉に紡ぐ) #tea_pr
2014-06-20 01:42:02戦争はすでに始まっている。身を落ちつけられる場所に向かうぞ、エル。我に与えられている知識が正しければ、マイルームがある筈なのでな。(隣を通り過ぎればステンドグラスの床を踏みしめ、その先に在る校舎へと歩いて行き) #tea_pr
2014-06-20 01:44:55