モーニング編集長島田英二郎@asashima1は語る;「編集者は怖くなくてはならない」

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島田英二郎 @asashima1

夕べ、夢を見ました。昔担当していたある作品の夢。ネームが大難航。金曜の深夜(というか土曜の明け方)ようやく出た第一稿は、残念ながらかなり苦しい出来。締め切りは月曜いっぱい。残り時間はあと40時間弱。どうしよう!?

2010-11-12 18:07:18
島田英二郎 @asashima1

やけに設定細かい夢ですが、なんでかって言うとこのシチュエーションが何度となく現実にあったからです。昇る朝日を見ながら「今この瞬間に大地震がきて、来週雑誌が出ないってことになってくれ!」と心の底から真剣に祈る自分がいました。ほんとに真剣に。

2010-11-12 18:07:31
島田英二郎 @asashima1

そんなこと真剣に考えるのは半ばどうかしてたと思うけど、確かに半ばどうかしてました。半ばどうかしてる状態じゃないと週刊連載なんて出来るもんじゃない。編集ですらそうだったんだから、作家はその千倍万倍極限状態だったはず。

2010-11-12 18:07:46
島田英二郎 @asashima1

でも「どうかしてる」状態に二十代の何年間かを丸々費やした価値はあったと思っています。面白いもので「さあ、どうする!?」って作家さんと二人で顔を見合わせてしまうようなネームのときのが、最終的にはものすごくいいものになる確率が高かったです。

2010-11-12 18:07:57
島田英二郎 @asashima1

ネームの第一稿が80点くらいのときってのが一番微妙でお互い「ま、これでも十分いいんじゃない」って感じになっちゃう。それよりは「今回どうしてもうまくいかん!」とお互い頭抱える回のが、どたんばでビューチフル!!! な展開を思いついたりする(ほんっっとギリギリで)。

2010-11-12 18:08:08
島田英二郎 @asashima1

週刊誌なんか長年やってると作家さんも編集も毎日ジェットコースター乗ってるみたいなもんで、少々いいネームが出ても「まだわからん」と思うし、最悪の展開になっても全然悲観しなくなります。月並みだけどあきらめなけりゃなんとかなる。命さえあればどっからでも逆転できる。

2010-11-12 18:08:24
島田英二郎 @asashima1

それにしても思うのは、毎週そこまで追い込まれる感覚があったのは、そんときの編集長が厳しかったからですね。激しかった。もう「まあまあでしょ」なんてレベルのもん出した日にゃあ、どんな目にあわされるかって言ったら…。なんせホントに失神した部員がいたんだから。

2010-11-12 18:08:36
島田英二郎 @asashima1

夕べ、某少年誌で描いてらっしゃるあるベテラン作家さんと食事しました。誰もが知ってる有名な方です。その方が「昔の編集は怖かった。でも、編集者は怖くないと困るんだよ」とおっしゃってたのが印象に残っています。

2010-11-12 18:08:47
島田英二郎 @asashima1

考えてみれば「自分のなかのハードル」って、実は誰か特定の個人の幻影であることが多いのかも。そいつがいなくなっても恐ろしさが潜在意識のなかからは拭いきれないのかも。親父であれ、先生であれ、監督であれ、やっぱ怖い先達に恵まれた人はラッキーってことか…。

2010-11-12 18:08:57
島田英二郎 @asashima1

「自分で自分のハードルを高くする」なんて言うと、まるで克己心のかたまりみたいでカッコいいけど、イチローじゃあるまいし…。そんなに意志の強い人間そうはいねえよな。最近ツイッターなんていたずらにかまけてたせいで妙な夢を見たんだろうか…。

2010-11-12 18:09:10