ザ・アタック・オン・ネイキッド・ミドル・エイジド・メン #4
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ヨウカハイネンは、もう幾度目になるか分からないZBR注射をした。疲れをこれで誤魔化すのも、実際限界である。 1
2014-06-18 12:30:41なぜこんなことになった?ヨウカハイネンは、ハッキリしない頭で考え始めた。いつになったら、俺はあの汚らしい全裸中年男性を見なくて済むようになるのだ? 2
2014-06-18 12:33:04全ては己のウカツであった。ヨウカハイネンの任務は、ネイキッドを殺すことである。連れて帰る必要は無いため、死んだワナメーカーよりは楽な仕事。姿を見せず、遠くから暗殺してやればいい。そう考えていた。 3
2014-06-18 12:36:31全裸中年男性は全てカラテゴーレム。本体は別におり、それさえ叩けば全て解決。よって探すべきは本体である。ヨウカハイネンはそう結論付けていた。だが、偶然にも全裸中年男性がヨタモノを犯す現場を発見してしまったのが、ヨウカハイネンの不運の始まりであった。 4
2014-06-18 12:41:10やはり裏通りで行われたそれは、汚らわしく冒涜的な光景であった。ヨウカハイネンは吐き気を堪えながらも、ネイキッドの様子をビルの上から見下ろす形で観察していた。あの全裸中年男性は、いずれ本体の元へ帰るはず。それを追えば、このミッションの攻略は難しくない。 5
2014-06-18 12:44:26「ウープス」ヨタモノの体がぼこぼこと変形し、全裸中年男性と化す現場を目撃したヨウカハイネンは、初めてニンジャを見た時の感覚を思い出していた。そして、あまりにも異様な光景に、ヨウカハイネンは忘れていた。「井戸の中の闇を覗きすぎると落ちる」という、ミヤモト・マサシのコトワザを。 6
2014-06-18 12:49:32(しまった!だが、今ならまだアンブッシュのはず!)ヨウカハイネンはとっさに状況判断し、背中の長弓を素早く構え、矢を素早く二本放った。ヨウカハイネンのカラテが込められた二本の矢は、二人の全裸中年男性に向けて真っ直ぐに飛ぶ。 8
2014-06-18 12:56:36二人の全裸中年男性は、とっさにそれを避けようとした、ように見えた。しかし無駄である。この矢は追尾ミサイルめいて狙った獲物を追いつめていく。これぞ彼のジツ、カラテ・アローである。案の定、二人の全裸中年男性の眉間に矢が突き刺さった。狙い通りである。獲物達はその場に倒れた。 9
2014-06-18 13:01:12それでも、ヨウカハイネンのニンジャ視力は捉えていた。二人の全裸中年男性が、死の寸前までニタリと笑ったまま、こちらを凝視していたことを。二人の全裸中年男性は爆発四散しなかった。 10
2014-06-18 13:09:13それからである。ヨウカハイネンがどこにいようとも、あのメンポを着けた全裸中年男性が追いかけてくるようになったのは。「ドーモ、ヨウカハイネン=サン。ネイキッドです」彼らは必ずアイサツをする。ヨウカハイネンはそれを殺す。少しするとまたやって来る。もう数日間、この繰り返しだ。 11
2014-06-18 13:12:12「ふざけやがって…ふざけやがって」ヨウカハイネンに最早セイシンテキは無い。ぶつぶつと繰り返しながら、次のネイキッドの襲来に備えるばかりである。ヨウカハイネンは既に追う者ではなく、追われる者であった。「カラテゴーレムのくせに…アイサツなぞ…クソ…ふざけやがって…」 12
2014-06-18 13:15:45この時、ヨウカハイネンの心には、ある疑念が湧き上がっていた。ヨウカハイネンは、あの全裸中年男性達をカラテゴーレムだと決めつけていた。しかしそれは本当か? 13
2014-06-19 14:00:17自分自身、何を言っているのか分からない。とうとう気が狂ってしまったのかもしれない。しかし、単なるジョルリにしては、あの全裸中年男性達の目は、あまりにもギラギラと光っている。そこから読み取れるのは、確かな知性、確かな意志…。 14
2014-06-19 14:03:08「「「屋上に対抗して…欲情!!!」」」来た。次のネイキッドだ。ヨウカハイネンは振り向くと同時に、カラテアローを一度に三本放った。矢は三本とのネイキッドに突き刺さる。ニンジャにしてはあまりにも貧弱すぎる耐久力。彼らはあっけなく倒れた。 15
2014-06-19 14:06:43だがその死体達は、自らの命など何とも思っていないかのような笑みを浮かべ、こちらを向きながら倒れる。まただ、これで何度目だ、次はどこから来る…「ウフッ、ウフフーッ」ヨウカハイネンの何かが壊れた。 16
2014-06-19 14:09:44「そうだ、全部殺せばいいのか」ヨウカハイネンはおかしな目つきで暗い空を見上げた。「ウフ、ウフフ…攻撃すると実際守備にも役立つ…」ミヤモト・マサシのコトワザを呟きながら、ヨウカハイネンはおよそ正気の感じられない薄ら笑いを浮かべた。 17
2014-06-19 14:16:41「ウオォーッ!出て来い、ネイキッド=サン!」ヨウカハイネンは己のニンジャソウル感知能力を全力展開させた。メンポの奥から鼻血が、そして耳からも血が噴き出す。「おお、見える、見えるぞ…ウフフ…」 18
2014-06-19 14:20:42凄まじい量の血中カラテが燃えていく。あまり長くはもたない。そう、普段の冷静なヨウカハイネンであれば。理性の歯止めを失ったヨウカハイネンには、ネオサイタマ中を駆け巡るニンジャ達の位置が発信機めいてハッキリ見える。 そして…「微弱なカラテ…ウフフ、こいつらがネイキッド」19
2014-06-19 14:27:53「これほどの数が…実際凄い…だが、全部殺せば一緒よ…カラテ無き屑…!」ヨウカハイネンは焦点の合わない目のまま、決断的にビルの屋上から…跳ぶ! 20
2014-06-19 14:37:18「集まっているな…ウフフ、何を始める気だ、豚め…モスキート・イン・ヘルファイアな…」ヨウカハイネンは冷たい風を感じながら、最も近くにいるネイキッドに向けて駆け出した…! 21
2014-06-19 14:41:03「マナメの作る飯は美味いなぁ」小柄な老人…トゥモゾは、マナメの用意した食事を、ブッダからの恵みめいて平らげて言った。「お爺様に喜んでいただけて、嬉しいです」マナメは微笑んだ。その胸は豊満であった。 23
2014-06-19 14:53:15「分かったぞ、マナメは昔イタマエだったんじゃ。だからこんなに美味い飯を作れるんじゃ。ワシは違いが分かる」トゥモゾはそう言って膝を叩いた。「どうじゃ、料理を振舞っていた記憶はないか」「分かりません…でも、ひょっとしたら、大勢のためのご飯を作っていた、かも」 24
2014-06-19 15:07:36